宮野真守、横浜で“VACATIONING”を体現 ツアーファイナルで多彩な「FACE」を魅せる2025/12/25 12:00

11月19日に発売された8thアルバム『FACE』を提げ、アジアツアー「MAMORU MIYANO ASIA LIVE TOUR 2025-2026 ~VACATIONING!~」を開催した宮野真守。アルバムのテーマ“マルチフェイス”を体現すべく、“世界を旅するバケーション”をコンセプトにした豪華なステージを展開。真冬の日本に常夏を呼び込むオープニングから、ラグジュアリーな大人のムード、そして圧巻のラストスパートまで、約3時間にわたるライブの模様をレポートする。
2008年のアーティストデビューから17年。これまで、26枚のシングルと8枚のアルバムをリリースしてきた宮野は、本サイトのインタビューでも「ライブツアーを想定して楽曲を制作することが多い」と語っていた。
8thアルバム「FACE」は、宮野のさまざまな活動“マルチフェイス”をテーマに幅広いジャンルの楽曲を収録。今回のライブでは「世界各国を旅しながらバケーションを楽しむ」というコンセプトのもと、横浜アリーナの広いステージを存分に使ってゴージャスな“VACATIONING”を演出した。


登場時の衣装は、青いシャツの前ボタンを外してラフに着こなした短パン姿。バックLEDには海やヤシの木が映し出され、真冬の日本にいながら横浜アリーナは常夏気分に包まれる。登場時にかけていたサングラスを外すと満面の笑みがこぼれ、「VACATIONING」からの元気でアッパーな4曲を勢いよく披露。
バンドを従えた生歌唱なだけにグルーヴ感が抜群で、宮野のダンスと一緒に客席のファンも体を揺らしながら色とりどりのペンライトを振る。4曲目「BREAK IT!」を終えると、ジャケットを羽織って再登場し、メドレーへ。「WANNA LOVE」など、ゴキゲンなダンスナンバーを立て続けに披露し、宮野もダンサーやバンドメンバーも、テンションは最高潮。「Uhh」では“写真なんか撮っちゃって”という歌詞の通り、花道に出てダンサーと楽しげに写真を撮るという楽しい演出も。
続いて披露したのは、夏フェス出演をきっかけに「初めて宮野真守を見る人にも楽しんでもらいたい」という思いで作った「ジャンプしてみて」。歌詞に合わせて「オニーチャンたちだけでジャンプ!」「オネーチャンも!」「オトーチャンはいる?」と客席に呼びかけ、楽しいやりとりを展開。LEDにはジャンプしながら、この曲を楽しむファンの姿が映し出され、一体感は抜群だ。

盛り上がりが最高潮になったところで、宮野のライブには欠かせないバンドメンバーやダンサーを紹介。「ダンサーが6人になることでパフォーマンスの幅が広がっています」と宮野はブログに綴っていたが、まさにその通りで、引き出しの多い音楽性を宮野が自在に表現できるのは、信頼するバンドメンバーやダンサーの存在も大きい。
中盤に差し掛かる7曲目「Kiss me now」からは赤のセットアップに着替え、ムードは一気にラグジュアリー感を増す。今回は、シチュエーションが切り替わるたびにLEDに扉と鍵が映し出され、新たな世界へと誘う演出がある。ここからまた新しい扉を開け、大人の色気を感じさせるパートへと突入。楽曲披露に加え、この日初めてのMCや、8曲目に歌った「零光」に込めた思いをマイクを通して伝えてくれた。
「扉の鍵を開けて、いろいろな国のホテルで皆さんと一緒にすてきな時間を過ごしたいと思っていました。まずは高級な南国のヴィラから始まって、真冬に短パンで登場した宮野です(笑)。次はどんな世界に皆さんを連れていこうか……楽しみにしていてください」と語り、「マルチフェイス、いろんな表情、表現の宮野を楽しんでいただけたらと思います」と、今回のツアーのコンセプトをあらためて紹介。
続いて、エモーショナルなバラード「零光」を歌い上げ、「各地で歌い継いできました。魂の宿った曲だなと感じていて、歌うたびに心が震えて、いつも頭が真っ白になって……。今日もいろいろな思いが込み上げてきて、今日だけの『零光』を聞いてもらえたと思います」と、全身全霊を込めて歌い上げた直後の少し息の上がった声で語る彼には“リアル”の言葉がぴったりだ。

さらに、“VACATIONING!”アレンジの「Apollo」や、横浜アリーナ限定曲「ヒカリ、ヒカル」など、ライブならではのバージョンを披露。「ヒカリ、ヒカル」は「とっても大好きな曲をアレンジしました。永遠を歌った曲です。いつまでも僕の歌を届けていきます」とメッセージ。一つ一つの曲を丁寧に歌い、意味のある選曲で伝えていく、そのセットリストからは宮野真守というアーティストの誠意が伝わってくる。
この後、本編最後のブロックに入る前に、「1日富士急 VACATIONING!」と題したバラエティー映像を上映。23年にコラボレーションキャンペーンを開催した富士急ハイランドにて、相方に俳優の髙木俊を迎え、宮野が大の苦手だというホラーアトラクションに挑戦。恐怖におののく宮野の“FACE”を撮るべく髙木が奮闘する模様に場内には大きな笑いが。

そして本編ラストは、一旦ステージから降りていた宮野が、ドラムロールとともに開いた扉からデニム衣装に装いを変えて登場。ダンサー陣はヒップホップスタイルの衣装をまとい、横浜アリーナはクラブさながらの雰囲気に。これまでと印象がガラリと変わるヘビーなロックナンバー「Greed」ではギタリスト・木原良輔とベーシストの前田逸平と共に花道へと躍り出て客席をあおる。
「R.P.G」ではサビパートでダンサーを指名してダンスパフォーマンスを展開し、「Kiss×Kiss」では「みんなの近くに行くよー!」と声を上げてトロッコに乗り込み、客席間を周遊しながら歌う。自身に向けるファンの表情を「ステキな笑顔だったよ」と言った張本人の宮野の笑顔こそ、とてもキラキラと輝いていたことが印象的だった。

ラストスパートでたっぷりと多彩な表情を見せ、最後に「ネクストステージ、さらなる高みへと昇っていく曲を」と紹介して本編最後の曲「シャイン」を届ける。ここではコールアンドレスポンスが展開され、「明日の分の声なんて残さなくていいから!」とあおる宮野にファンも全力で応える。センター・アリーナ・スタンド、右・左と座っている席ごとに分けたり、「ここは横浜だから、横浜から来てる人答えて!」など、さまざまな呼びかけの声掛け合戦でひとしきり盛り上がる。
ここまで、全17曲を披露した彼は、まさに生粋のエンターテイナー。綿密に練り上げられたコンセプトに負けない表現力とパフォーマンススキル、共にステージを作り上げるバンドメンバーやダンサーとの強力な絆と、どこを切り取っても隙のない表現者としての実力は圧巻の一言に尽きる。
アンコールでは白のツアーTシャツと開襟シャツというさわやかないでたちで登場。本編ラストの「シャイン」を歌う前に「朗報があります! 残りあと1曲だけど、アンコールもあります(笑)」と予告していたが、実際に出てくると「アンコールがあるなんて!(笑)」とおどけてみせ、本編よりリラックスした様子。「ジャーニー」「カノン」と2曲を披露してアンコールを終え、一旦ステージを降りる。

この後、ダブルアンコールで再びステージに立った宮野は、「本当ならずっとこの場所にいたいです」と、ライブという空間でいかに自分が楽しんでいられるかをファンに伝え、「今日はハッピーに終わりましょう」とメッセージ。トロッコで客席を練り歩きながらの「オルフェ」で大団円を迎え、約3時間にわたったツアーファイナル公演の幕が降りた。
26年は宮野がデビューして18年目の年。来る20周年に向け、彼はこれからも自分の理想を音楽に求め続けるのだろう。声優・俳優・アーティストという枠を越え、“宮野真守”というジャンルを確立していく彼が目指す“ネクストステージ”に26年も大いに期待したい。

【プロフィール】
宮野真守(みやの まもる)
1983年6月8日生まれ。埼玉県出身。2001年、海外ドラマ「私はケイトリン」の吹き替えで声優デビュー。以後、アニメーションや映画の吹き替えなど幅広く活躍。また、俳優として、テレビドラマや映画、舞台にも多くの出演実績を持つ。アーティストとしては、08年の1st Single「Discovery」から17年のキャリアを持つ。12月14日に開催された本公演の模様は、WOWOWで2月に配信される。また、3月14日にはニッポン放送主催のホワイトデーイベントが行われる。
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