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白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話2025/12/03 18:00

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白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 テレ東系では、駒木根葵汰新原泰佑がダブル主演を務める連続ドラマ「25時、赤坂で Season2」(水曜深夜1:00)を放送中。11月26日放送の第9話「本当に大切なもの」では、父からの映画オファーに苦悩する羽山麻水(駒木根)と、愛ゆえの厳しい言葉で羽山に問いかける白崎由岐(新原)の姿が描かれた。

 本作は、on BLUEで連載中の夏野寛子さんによる人気同名漫画が原作。芸能界を舞台に俳優同士が紡ぐ甘く切ないラブストーリーの続編だ。秘めた思いを通わせ、晴れて恋人同士となった羽山と白崎。今作ではその後の2人に再び波紋が広がり、俳優として、そして恋人としての進化が問われていく。

 「第9話」主演映画「ラストノート」の撮影に向き合っている羽山。しかし、役柄が自分自身の境遇と重なりすぎて、どうしても感情が乗らない。特に“母親と向き合う”というシーンでは、現実に会うことを拒んでいる母・はるか(雛形あきこ)の存在が気持ちをかき乱していた。「会いたくなかったからだよ」というセリフは、もはや役柄の言葉ではなく、羽山自身の痛みそのものだ。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 そんな迷いを抱える羽山に、友人の三原(篠原悠伸)は「白崎くんに相談しなよ」と声を掛ける。けれど羽山は「大事な舞台の前に余計な心配かけたくない」と、白崎に話すことをためらう。その気遣いの裏にあるのは、弱さを見せたくないという、羽山の不器用な愛だ。

 夜。カレーを用意し、白崎を出迎える羽山。平穏な時間の中、白崎は羽山の背中に抱きつき、「麻水さんの匂い、落ち着く」とつぶやく。この穏やかな一瞬の温度が、とてもいとおしい。けれど、話題は核心へと進む。イギリスでの映画オファーの話。「受けないかもしれない」と口にする羽山に、白崎は静かに、しかし鋭く問いを重ねていく。

 「不安なんですか?」「俺だってずっと不安。麻水さんに追いつきたくても、全然追いつけない」「そんなチャンス、そう簡単に来るもんじゃないのに…断るんですか?」。そして核心を突く。「お母さんがどうとか、お父さんがどうとか、いったん置いて。麻水さんはどうしたいんですか? 誰のために芝居してるんですか?」

 その真っすぐな問いかけが羽山の奥底に響いた。「そんなことないよ…」と声を震わせ、涙を流す羽山。白崎の言葉は、羽山の中にあった感情を正面からすくい上げたのだ。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 翌日、羽山は白崎の言葉に背中を押され、監督に「この前のシーン、もう一度やらせてほしいんです」と再撮を願い出る。母親役を演じる女優ではなく、本物の母・はるかがその場にいる、という演出が入る。虚構と現実が重なったこの構図が、ドラマの演技としても、羽山の人生としても強烈に迫ってくる。

 「いい思い出だけじゃなくても、俺と母さんの間にあるものなら、俺は忘れたくない」。芝居の枠を飛び越えたその台詞には、長年の思いと葛藤が凝縮されていた。駒木根が演じる羽山の、抑えがたいほどリアルな感情。見る側の呼吸までも引き寄せられるような、深く静かな余韻が残った。

 カットがかかった後、羽山は母に告げる。「近いうちに一回帰るよ」。それは母と向き合うと決めた、羽山なりの第一歩。白崎の言葉があったからこそ芽生えた、ささやかな変化だ。

 一方、舞台初日を迎えた白崎。羽山からの連絡はないまま、不安な表情を浮かべるが、次の瞬間、ぐっと気持ちを切り替え、舞台へ向かう。その頃、羽山は時間を確認すると白崎の舞台会場へと全速力で駆け出した。

 今回のエピソードが心に残ったのは、“支える”ということの本当の意味を突き付けられたからかもしれない。これまで羽山は、白崎を優しく包み込むことで寄り添ってきた。けれど今回は、白崎が“言葉”という武器で、羽山の葛藤に切り込んでいく。優しさだけが愛情ではない。時に鋭く、時に厳しく。相手を思うからこそ、言わなければならないことがある。その本質を、白崎は体現していた。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 「麻水さんはやらない理由を探している気がする」という一言は、胸に突き刺さった。白崎は羽山を責めたいのではない。むしろその逆で、羽山の中に眠っている“やりたい気持ち”を信じているからこそ、甘えを許さなかったのかもしれない。その言葉には、羽山が俳優としてどれだけのものを持っているか、白崎自身が一番よく分かっているという確信が表れていた。

 「誰のために芝居してるんですか?」という問いもまた、ただのセリフではなかった。自分の選択の理由を、もう一度問い直すきっかけになるような、鋭い一言だった。そんな言葉に宿る強さと切実さを、演じる新原が確かな熱量で表現。白崎の本気が、新原の芝居にもあふれ出ていた。鋭くも誠実なその言葉が、羽山の感情を動かしたのは必然だった。どちらかが一方的に引っ張るのではなく、互いが揺れ、迷いながら、それでもそばにいたいと願う。その不器用さこそが、2人の関係のリアルで、何より尊い。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 いよいよ最終回。12月3日放送・第10話では、舞台「雨と懺悔」の初日が幕を開ける。白崎(新原)は佐久間(宇佐卓真)、黒木(夏生大湖)らと共に舞台へ立ち、全身全霊で観客を魅了していく。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 客席からその姿を見つめる羽山。心に去来する思いの中で、目の前の恋人が“俳優”として光を放つ瞬間を目撃する。大喝采の中で舞台が終わった後、羽山と白崎はようやく真正面から互いの気持ちを交わすことに。愛する人への言葉、そして俳優として歩んでいく覚悟。2人が見つめる未来とは?

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話
白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

 終わってしまうのが惜しいほど、いとおしくて繊細で、しかし芯のある物語だった「25時、赤坂で Season2」。舞台の幕が下りたあと、羽山と白崎がどんな思いを交わすのか。その結末を、心して見届けたい。

白崎(新原泰佑)が愛ゆえの厳しい言葉で羽山(駒木根葵汰)を揺さぶる「25時、赤坂で2」第9話

【番組情報】
水ドラ25「25時、赤坂で Season2」

テレ東系
水曜 深夜1:00~1:30
※12月3日放送は「卓球 混合団体ワールドカップ」のため、放送時間変更の可能性あり

文/斉藤和美

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