朝ドラ「ばけばけ」板垣李光人が三之丞役で熱演! 北川景子演じる母との愛と再生2025/11/13 08:15

NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜午前8:00ほか)で、雨清水三之丞を演じている板垣李光人。雨清水家の三男で主人公・トキ(髙石あかり)の2歳下。兄が家督を継ぐため自身は特に役目がなく、家の中に居場所がないため、トキたちの仕事場に入り浸っていた人物だ。
髙石が主演を務める「連続テレビ小説」第113作の同作は、ふじきみつ彦さんが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・セツをモデルに描く物語。明治という西洋化で急速に時代が移り変わるなかで、松江の没落士族の娘・トキと、縁あって松江で英語を教えることになった英語教師のレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が出会い、文化や言葉の壁を越えて愛を育む。「怪談」を愛し、何げない日常を歩んでいく夫婦の姿を通して、埋もれていった人々の声をすくい上げる愛の物語だ。
時代に翻弄(ほんろう)される三之丞を演じる板垣に、役への思いや母・タエ(北川景子)との関係性について語ってもらった。
――連続テレビ小説「ばけばけ」に出演が決まった際のお気持ちは?
「朝ドラは初出演になります。大河がご縁となって今回の『ばけばけ』という作品につながりました。以前ご一緒した方々と、またご一緒できるのがうれしいし、光栄なことなので喜びもありました。朝ドラは大河と並ぶ大きな看板番組でもあるので、そこに役者として関わることができるというのもうれしかったです。緊張とプレッシャーはどの現場にもありますが、まったくの初めての方々と一緒にやるよりは、安心感も違いました。また、朝ドラに初めて出演することで、いろいろな方面から反響がありましたが、とくに最初に伝えた両親が喜んでくれたのが感慨深いです。ふだんも役が決まると伝えていますが、喜び方がいつも以上に大きかったように思います」

――母・タエとの関係性をどのように捉えて演じていますか?
「雨清水家は時代に翻弄された家族でした。もし違った時代であれば、もっと違った家族の形になっていたのだろうなと思います。北川さんとお話しした際に、『この時代の三男とはいえ、子どもは子どもだから』とおっしゃっていました。時代のなかですれ違ってしまいましたが、やはりお互いがお互いに親子の愛情はあると思います。今後、より環境が大変になっていく中で、三之丞とタエとの間には、昔の状況のままだったら芽生えないような母と子のつながりが生まれていきます。そこには、松野家の家族のつながりとはまた違う魅力があると思います」
――三之丞が母からの言葉を大切にしている姿が印象的ですが、その思いについて教えてください。
「三之丞は、母のタエから『人に使われるんじゃなくて人を使う仕事に就きなさい』と言われた時、それをそのまま、かなえようとします。苦しい生活のなかでも、母の期待に応えようと、母に喜んでもらおうと、この言葉を自分の中で大切にしていました。決してこの厳しい状況で母からその言葉を口酸っぱく言われていたとは考えられません。なぜならタエも母として、三之丞の気持ちも分かっているからです。お互いに本当の気持ちを知らぬままきっと、来たる雪解けを2人とも待っているのだと思います。雨清水家で育ってきて世間のことを知らないという面ももちろんあると思いますが、生きるか死ぬかという状況の中で、母からの言葉や願いというものを一心にかなえようとする姿が、彼の魅力として伝わっていけばいいなと思っています」

――トキからお金を受け取ったあとの三之丞の気持ちについて、どのように考えてお芝居されましたか。
「あの後の気持ちはぐちゃぐちゃでした。当時は大金であるこのお金で、今の状況が変わるかも、母も物乞いなどせずにいられるかもという、わずかな期待や高揚。自分の身内でもあるトキから施されるという情けなさや、それによって改めて突き付けられる自分の無力さ。そして、そんな自分自身を恨めしく思う気持ち。とにかくドラマで描かれていない部分も、ずっと三之丞は葛藤していたでしょうし、きっとろくに眠れていないのだろうな、と想像していました。正しい使い方を見いだせぬまま、三之丞はとっさに母を守るため、そして雨清水家の尊厳を守るためにお金を使うという判断をしたのだと思います。第三者目線で見ると、そのお金の使い方? となるでしょうが、いざ自分が同じ状況に置かれると最も正しいであろう判断というのはできなくなりますよね」
――「ばけばけ」の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
「このドラマは派手な出来事が起こるわけではありません。でもそこにリアリティーがある。映像も含めてライティングもリアルを切り取っているのを、台本を読んだりドラマの映像を見て思いましたし、そこがこれまでの作品と違う新しい朝ドラなのじゃないかなと思います。ヒロインのトキもこれから波瀾(はらん)万丈な人生が待っていますが、雨清水家も本当に激動する大変な人生を歩んでいきます。この物語の中で三之丞とタエさんがどういう結末を迎えていくのか、僕自身も視聴者的な目線で楽しみにしていますので、皆さんも楽しみにしてください」

【番組情報】
連続テレビ小説「ばけばけ」
NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15 ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45
文/TVガイドWeb編集部
関連リンク
この記事をシェアする

















