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「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】2025/10/27 12:00

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「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

 朝鮮王朝時代、すべての金と物資が集まると言われる京江を舞台に、己の信念に従って正しく生きようとする若者3人の姿を描く「濁流」。ディズニープラス(Disney+)初のオリジナル韓国時代劇シリーズとしても注目を集めた本作だが、全9話からなる壮大な物語は先ごろ最終話を迎えたばかり。その中で、やはり圧倒的な存在感を放っていたのは、主人公のチャン・シユルを演じたロウンだった。

入隊前最後に主演した骨太ドラマ

 金の匂いを嗅ぎつけた者たちがひしめき合い、乱れた無法地帯と化した麻浦の船着場で、日雇いの労働者として生きるシユル。辺り一帯は無法者の集団に牛耳られており、役人と手を組んだ無法者たちはシユルのような労働者を搾取(さくしゅ)することで懐をうるおしていた。そのため、労働者たちの暮らしは日に日に逼迫(ひっぱく)。シユルも底辺の暮らしを強いられている。

「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

 土と汗にまみれ、日焼けしてもいる肌は浅黒く、とりわけ初登場シーンは「これがロウン?」と目を疑いたくなるほどのインパクトだった。「偶然見つけたハル」から「この恋は不可抗力」まで、甘いマスクと190cmの長身で視聴者をキュンとさせてきたロウンだが、第1話のシユルはみすぼらしい上にやさぐれていて、触るとやけどしそうな危うさをたたえている。その存在感はただ者ではないことを物語っており、眼光も鋭い。そんな彼を役人や無法者たちは放っておかず、底辺でくすぶっていたシユルの日常はやがて変化の時を迎える。

「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

 危うい地で繰り広げられる危うい物語に戦いはつきもので、アクションシーンがふんだんにあるのも「濁流」の魅力の一つ。実は腕っぷしも強いシユルだけに、ロウンの長い手脚を生かした戦いぶりにも魅了される。また、物語の軸にあるのはシユルの成長譚だが、彼を取り巻く人々と織り成すドラマも面白い。やがてシユルと運命を交錯させていく女商人・ウン(シン・イェウン)やシユルの生い立ちに深く関わる官吏・チョン(パク・ソハム)ら、友愛で結ばれる人々との関係が見どころ。さらに、シユルは敵対関係にあったはずの無法者たちともユニークな絆を築くことになり、このあたりの展開には絶対的好感度を備えたロウンの持ち前の魅力が一役買う。

「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

 本作の最終話を見届けた後の10月27日に、兵役に就くロウン。「濁流」は入隊前最後の主演ドラマとなる。どちらかと言うと、兵役を経て骨太な作品への出演が増える俳優が多い印象だが、兵役前にガツンと骨太な作品を放って一旦のお別れ期間に入るのも興味深いところ(ちなみに、兵役後は制服を着たラブコメもたくさんやりたいそう)。今後の彼がどんな道を歩んでいくのか、今から楽しみだ。

「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

【プロフィール】
ロウン(RO WOON)
1996年8月7日生まれ。韓国出身。アイドルグループ・SF9のメンバーとして活躍。俳優業でも注目を集め始め、「偶然見つけたハル」(2019年)で主演に抜てきされる。以降、「恋慕」(21年)、「明日」(22年)、「この恋は不可抗力」(23年)、「婚礼大捷 -愛結ぶ二人-」(23年)などに主演。12月24日公開の日本映画「映画ラストマン -FIRST LOVE-」にも出演している。

「濁流」ロウン【今月のSPOTLIGHT】

【コンテンツ情報】
濁流(全9話)
ディズニープラス「スター」
全話独占配信中

文/渡邉ひかる

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