池井戸潤「俺たちの箱根駅伝」2026年、連続ドラマ化決定! 十年越しの渾身作が映像に!2025/10/19 05:00

直木賞作家・池井戸潤氏の小説「俺たちの箱根駅伝」が、2026年に日本テレビ系にて連続ドラマとして放送されることが決定した。ドラマ放送の詳しい時期は未定。池井戸氏は本作について「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と語るほど、十余年の歳月と情熱のすべてを注いで描いた渾身(こんしん)の一作だ。
日本のお正月の風物詩でもある「東京箱根間往復大学駅伝競走」、通称“箱根駅伝”。沿道で、テレビの前で、多くの人が、仲間にタスキをつなごうと死力を尽くす若者たちの走りに心を揺さぶられ、2日間の激闘に胸を熱くする。そんな箱根駅伝の裏側を、2年連続で本選出場を逃した古豪・明誠学院大学の選手側と、中継を担うテレビ局側の目線から描く、一度は敗れた者たちの熱き青春群像劇だ。

小説「俺たちの箱根駅伝」(文藝春秋刊)が描くのは、“箱根駅伝”という一大プロジェクトの裏側。日本のお正月の風物詩が題材なだけに、最初の構想から実際に執筆にとりかかるまで、池井戸氏はかなりの年月を要した。特に難しかったのは、「箱根駅伝に出場するチームをどう描くか」という点。架空の大学名だけを並べてもそこに感情移入は難しい、だが大学名だけ借りて勝手な物語を描くことはできない。そのはざまに行き詰まりながらも取材を重ねること十余年、2021年ついに「週刊文春」で連載がスタートした。
どん底から勝利を目指す大学陸上競技部のランナーと監督、箱根の走りを生中継するテレビ局員たち、それぞれの熱意、プライド、駆け引き、思惑。箱根のレースそのままの予測不可能なドラマが臨場感たっぷりに描かれていく。池井戸自身が本作を描くきっかけになったという、中継ポイントの中で“小涌園前”だけが旅館の実名である理由や、生中継の現場で代々受け継がれている“放送手形”など、胸が熱くなる箱根駅伝のトリビアに加えて、青山学院大学ほか箱根駅伝常連校も実名で登場することで、先の読めない展開に一層の臨場感が加わり、読む者の心をたぎらせ、熱い涙を誘う。

池井戸氏は、「『箱根駅伝』の中継ポイントは地名で呼ばれるのに、なぜ『小涌園前』だけが地名ではなく施設名で呼ばれるのか? こんな小さな疑問が、上下巻に及ぶ膨大なストーリーと人間ドラマに発展するとは思いませんでした」と執筆の経緯を振り返る。
「ランナーとして、またそれを支える側に回って『箱根』に賭ける学生たちの情熱、タスキへの思い。その映像をリアルに届けようと奮闘するテレビマンたちの執念。いかにエンターテインメントとはいえ、迂闊(うかつ)に手を出せない真剣勝負をどう小説に落とし込むのか。書きたいと思ってから、実際に書き上げるまで、気がつけば何年もの月日が流れていました」と、長い年月をかけた創作過程を明かした。
そして、「学生ランナーはもとより、『箱根駅伝』に関わる全ての人たちへのリスペクトを胸に、彼らに負けない熱量を持ってひたすら書いた、まさに渾身の一作です。視聴者の皆さん、そして読者の皆さんも、1人のランナーとなってタスキをつなぐ友情と信頼、そして意地と執念がぶつかり合う全十区、217.1kmを駆け抜けてください。もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と、作品への思いを語った。
ドラマは、2年連続で箱根駅伝本選出場を逃した古豪・明誠学院大学を描く。箱根駅伝に出場するには、まずは10月に行われる予選会を突破しなければならない。明誠学院は、果たして箱根路を走ることはできるのか。また中継を担うテレビ局側でも不測の事態が起きていた。
幾多の名作を世に送り出し、常に時代の話題をさらってきた池井戸氏の渾身の一作を1987年以来、箱根駅伝を生中継し続けてきた日本テレビが、主催・関東学生陸上競技連盟の全面協力を得て贈る、前人未踏の映像プロジェクト。逆境に立ち向かうすべての人へ。「寄せ集め」と呼ばれたチームが、箱根駅伝に託した夢の行方。敗北から始まる物語は、あなたの心を燃やし、希望のタスキを未来へとつなぐ。217.1km。青春とプライドをかけた、伝説のレースが今、ここに始まる。

「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」(ともにTBS系)シリーズなど、数々のヒット作を生み出してきた池井戸氏の新たな代表作が、どのような形でドラマ化されるのか、キャスト発表とともに今後の続報に注目だ。
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