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「シナントロープ」水上恒司が感じた山田杏奈と役の共通点は“したたかさ”2025/10/13

「シナントロープ」水上恒司が感じた山田杏奈と役の共通点は“したたかさ”

 TVerは、水上恒司が主演を務めるテレ東系連続ドラマ「シナントロープ」(月曜午後11:06)の第2話を、放送終了後から配信開始。水上と共演中の山田杏奈がドラマの見どころ、互いの印象などを語った。

 ドラマの舞台は、街の小さなバーガーショップ「シナントロープ」。そこで働く8人の若者たちの中で、大学生の都成剣之介(水上)は、アルバイトの同僚・水町ことみ(山田)に、ひそかに思いを寄せていた。そんなある日、店で不可解な強盗事件が発生。静かだった日常は、少しずつゆがみ始める――。

――漫画「セトウツミ」(原作)や、アニメ「オッドタクシー」(脚本)で知られる此元和津也さん脚本の「シナントロープ」。どんなところに、この作品ならではの魅力を感じましたか?

水上 「たとえば、一つのシーンの終わりのセリフと、次のシーンの最初のセリフが同じだったり、同音異義語になっていたりするのですが、そうした会話のしゃれや仕掛けを成立させるためだけに物語が構成されていない。そうではなくてキャラクターをしっかり立たせる要素が『シナントロープ』の核になっている部分だと思います」

山田 「アニメ『オッドタクシー』にハマっていたので、今回お話をいただいた時は、一気に(脚本を)読み進めてしまいました。『オッドタクシー』はアニメで、今回はドラマですが、此元さんの作品は媒体を選ばないしっかりとした世界観があって、ある意味、私たちの役も物語を動かす一つの駒である……というのがすごく魅力的だなと思いました」

――キャラクターを演じていて面白かった点、楽しかった点を教えてください。

水上 「今回の主人公は、とにかく無視されるんです。1人で何かブツブツ言ってる。でも、(現実世界も)そうだと思うんです。皆さんそれぞれが主人公で、皆さんの舞台では、僕は脇役として存在している。『シナントロープ』も「主人公の舞台が混ざり合っている世界」だと捉えているので、リアリティーある物語を演じることができて楽しいですね」

――主人公だからといって、都成中心に物語が動いているわけではない。より現実世界に近い立場だと。

水上 「これほどまでに“相手にセリフを投げかけなくてもいいんだ”という経験は初めてですし、それを(監督の)山岸聖太さんが『いいですね』と笑いながらOKしてくれるのも新鮮です。山岸さんとも話しているのですが、特に都成は主人公らしくない。そんな主人公像を新しくカテゴライズし、世の中に提示できるのでは、と思っています」

山田 「おのおののキャラクターが立ってくる感じが面白いのと、その中に自分がいて……というのがすごく楽しいです。『シナントロープ』には、『ストーリーの都合として言わなきゃいけない』とか『この人とこの人のセリフは交換しても一緒だ』といったことがあまりないんです。それぞれに役割があって、その人はその人のセリフをしゃべっているのが、いいなと思います」

――役を演じていて自分と似ている点、似ていない点がありましたら教えてください。

水上 「人への距離感が似ていると思います。都成はバイト仲間にベタベタしない。でもちゃんと会話はするし、あいさつもするし、世間話もする。冗談も言う……でも、友達かと聞かれればそうではない。人に対しての踏み込み方や興味度は似ているなと思います。似ていない点は『もっとはっきりしゃべれよ』と思うところです」

――山田さんはいかがですか?

山田 「似ている点あるかな〜」

水上 「俺、あると思う……したたか」

山田 「(笑)」

――自覚はありますか?

山田 「『したたか』って決して悪いことではないと思うんですよ」

水上 「全然悪くない。絶対必要」

山田 「水町は『したたか』という意味を含めた『気が強い』という趣旨の設定があるのですが、その点は嫌いじゃないし、逆にそういう人でいたいな、と思います。水町もいろいろな面がある人なので、すべて一緒ではないんですが、集団の中にいるときの立ち位置は似ていると思います」

「シナントロープ」水上恒司が感じた山田杏奈と役の共通点は“したたかさ”

――水町の嫌いな部分はありますか?

山田 「嫌いなところはないかな。でも都成が不憫(ふびん)だと感じるほど、当たりが強いなとは思います(笑)」

水上 「バーガーショップ『シナントロープ』での撮影は、話数関係なく撮影しているのですが、水町に暴言を吐かれるシーンがずっと続いたことがありました」

山田 「ありましたね(笑)」

――「したたか」という話がありましたが、どのような時に山田さんのしたたかさを感じたのでしょうか?

水上 「それで言うと僕もしたたかですし、したたかさって必要なことだと思うんです。杏奈ちゃんはそれに加えて『けなげさ』もある方。人との接し方もしっかりされているからこそ『したたか』だと表現できるんです。悪い意味での『したたかさ』しかなかったら、こんなこと言えないですから」

――山田さんは、水上さんについてどんなイメージを持たれていますか?

山田 「地に足がついているところがすごくいいなと思います。都成と通じる部分なのですが、水上さんってエンターテイナーなんですよ。エンタメをちゃんと展開できる人で、すごいなと思いますね」

水上 「本当のエンターテイナーは、求められていることをやる人。俺はやりたいことをやってるだけだから、ただの子どもだよ」

山田 「(笑)」

――撮影の中で起こった印象的なエピソードを教えてください。

水上 「バーガーショップ『シナントロープ』のロケ地に初めて行った時、車から降りたら、店の裏にヤギがいて、何か食べていたんですよ。あれはびっくりしましたね。首輪はついていましたが、ヤギは頭突きすると聞いていたので『大丈夫かな?』と一瞬思いました。万が一縄張り争いをしようとして、車に頭突きしてきたらどうしようって。しかも、僕の事務所の車が白色なので『敵と思われないかな?』と心配でした。もちろん大丈夫でした」

山田 「(笑)。『シナントロープ』のキッチンで撮影していたある日、“あの”黒い虫が5匹ぐらい出てきて。数分間撮影が止まることがありました」

水上 「制作部の方々が必死に撃退してくれたので、無事に撮影を再開できました」

――「シナントロープ」第1、2話をTVerでご覧になるユーザーに向けて、繰り返し見てほしい注目ポイントを教えてください。

水上 「いろいろなキャラクターが出てくる中で、その回しか出てこないキャラクターは、ほとんどいない。どこかで出てきたり、都成としか関わっていないように見えて、実は別の人とも関わっていたりします。会話劇が中心となって展開していきますが、1、2話で出てくるキャラクターが意外と重要なので、心に留めて楽しんでいただけたらと思います」

山田 「2話のカラオケのシーンがすごく楽しかったですね。キバたん(木場幹太/坂東龍汰)、カンナ(室田環那/鳴海唯)が歌って、最後に都成が『旅立ちの日に』を歌うんです。私は卒業式で歌ったので覚えていましたが、『シナントロープ』メンバーの中には知らない人もいて必死になって覚えていました。私自身ができなかった『バイトメンバーと飲みに行く』をかなえてもらった気がして、すごく楽しかったです。ぜひご注目ください」

【コンテンツ情報】
シナントロープ
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