朗読演劇「図書委員界」原案・生駒里奈&主人公・若月佑美「悩みを持った人のよりどころになれば」2025/10/02

乃木坂46の元メンバー・生駒里奈と、「帝一の國」の著者で漫画家の古屋兎丸さんのYouTubeでのコラボ企画がきっかけで、生駒の学生時代の体験を元に作った物語「図書委員界」が朗読演劇化される。
「ハイセンス A3-D 朗読演劇 図書委員界」(10月10~13日、 CBGK シブゲキ!!)は、図書委員界の創設者で、冷静沈着な男子・委員長(生駒)が、物語の主人公でいじめの被害者である中三女子を救っていく様子を描いた朗読演劇。生駒と同じく乃木坂46の元メンバー・若月佑美が、主人公の今村海を演じることも話題だ。何かしらの悩みを持った方々のよりどころになり、前向きに考えることができるきっかけになればと企画された本作に出演する生駒と若月が取材に応じ、自身の思いを語った。

――生駒さんの原案である「図書委員界」が朗読演劇化される感想は?
生駒 「憧れの古屋先生とコラボできるというのも奇跡でしたが、まさか自分が信頼する役者さんたちと一緒に朗読劇ができるなんて、一生にあるかないかなので、テンション上がりますね。図書委員界の漫画を作った直後に舞台化みたいな話もありましたが、多分その時はベストなタイミングじゃなくて、今回のキャスティングや、スタッフさんを見ると、今のこのタイミングがベストだったんだと確信に変わりました。この日のために図書委員界を作ったのかなと思って、すごく誇らしいです」
――今回の衣装である制服を着ていかがですか?
生駒 「私が原案で入らせていただいていることもあって、それぞれのキャラクターが衣装を含めたビジュアルからも性格や考え方が分かるようにと思って考えました。委員長に関しては、全部私の趣味です。こういうルックスで、短髪の学ランの男の子が好きなので、髪はウイッグで短くしました。趣味でコスプレをしている感覚もありますけど、衣装です(笑)」
若月 「衣装からキャラクターの性格を拾える部分もあって、女子高生で結構イケイケの女子だったら、スカートを折っておしゃれをしたり、私の学生時代はルーズソックスを履いたりしていました。おとなしいキャラクターだと、スカートも折らず、シンプルに制服を着ているとか、衣装から教えてもらうところもありますよね。個人的には、生駒ちゃんが半ズボンの学ランをセレクトしている時点で『生駒ちゃんだな』という安心感がありますし、それを私もきちんと拾えたらいいなと思っています」

――若月さんは朗読演劇が初めてですね、現在の心境をお聞かせください。
若月 「正直緊張していますし、初めてで勝手が分からないので、言葉だけでどういうふうに表現できるかなとか、不安はありますね。今は、自分が朗読劇を観劇させていただいた際にもらった感情を思い出しています。演劇だと動きも全て提示してくれるのですが、朗読劇だと自分の中で想像していかなきゃいけない部分もあって、それがお客さん的には楽しみにもなるんだろうなと感じたので、朗読劇と演劇のいいとこどりができたらと思います。分かりにくいところは動きで見せて、想像したいところは想像させる、みたいな。そういうことができたら、すてきだろうなと考えていますが、未知数で自分がどんなことができるか分からないですけど、頑張りたいです」
――若月さんが演じる海は、生駒さんの学生時代を投影されたそうですね。生駒さんが若月さんをキャスティングした理由を教えてください。
生駒 「今回、キャスティングにも携わらせてもらえたので、以前から、若月と一緒にお芝居したいなと思っていたこともあり、名前を挙げました。必ずしも今村海を若月にお願いしようとは思っていなかったのですが、乃木坂時代から若月が舞台で頑張っていた姿を見ていましたし、若月に今村海をお願いしたら、どういうアプローチで作ってくれるんだろうと楽しみになったので、受けてくれてよかったです」
――若月さんは、それを聞いていかがですか。
若月 「とてもプレッシャーです(笑)。私も最初に役名を聞いていなくて、生駒ちゃんが原作・原案であるというお話だけ聞いて、私にできることがあればお受けしたいなと伝えました。海役に決まった時、これまでは、どちらかというと気の強い役柄が多かったので、意外だなと感じました。どうやって海のキャラを作っていこうか悩みましたが、海も気が弱い女の子ではなく、芯の強さとか、実は軸にしっかりと自分を持っている子というイメージが見える台本になっていたので、そういう部分をしっかりと自分が作り上げていけたらいいなと思っています」

――生駒さんは男性役の経験はこれまでありましたか?
生駒 「あります。私的には男の子役がすごくしっくりきます。自分の性格や感性に合っていてやりやすいというか…。だから、図書委員界でも『私は委員長を演じたいです』と言ったぐらい。自分で言うのも恥ずかしいですが、このビジュアルも似合っているなと思いますし、30歳になるという年に、俳優としていろいろな役ができて、自分の中でも挑戦する意味のある作品かなと思っています」
――なぜ、図書館を舞台にされたのですか?
生駒 「私がいじめられていた時、図書室に逃げていたのですが、その時は『ハリー・ポッター』シリーズとか『ムーミン谷のなかまたち』とか、ファンタジーの世界に入り込んで現実逃避をしていたんです。なぜか分からないけど、私をいじめていた人たちは図書室に来なかったので、私にとって、図書館が安心できる場所だったんですよね。さまざまな妄想もしていたし、妄想好きなおかげでこの作品につながっているところがあります。なので、そういう経験を生かしていい思い出に昇華させたいという、そんな感じです」

――その話が物語になると聞いた時、どう感じましたか?
若月 「物語を作るということのすごさや、クリエイティブとしての素晴らしさを感じました。そこに、過去にあふれ出た生駒ちゃんの感情を整理して盛り込んで、それをフィクションとして物語にして、しっかり作られているなと。そんな生駒ちゃんがすてきだなと思いましたし、強いなって。勝手に共感もして、私の思いも乗せつつ演じていきたいですね」
――若月さんご自身はいじめられた経験ありますか。
若月 「ありますね。その時は、自分にも多少原因はあったんだろうなと思ったので猛省しました。あと、人がやりたくないようなことをやって自分自身を認めてあげられる人になろうと考えました。自分で自分のことを嫌いになってしまったので、みんながやらないトイレ掃除を率先してやることで、自分を褒めてあげるとか。徳を積む、じゃないですけど、結局、自分のためにいつか帰ってきますしね」

――つらいことがあった時に乗り越える時のモチベーションなどは?
生駒 「単純に年を重ねたら怖いものが少なくなってきました。自分はコミュニケーションを取るのが苦手だと思っていたんですが、単純に好きになれる人が少なかったから、みんなと話さなかっただけなんです。私は、0か100の人間なので、仕事に対しての意識がゼロだったらやりたくない。気持ちが100あればやるけど、50とか70だったらやらないみたいな…。なので、人に対してもはっきりと気持ちがゼロの人とは会話しないんです。大人だから、会話した方が円滑に進むと思うんですが、円滑にいかないと分かっていても、話さない道を選択したい。そう理解ができたらとても楽になりましたね」
若月 「『まあいいか』という言葉を自分でよく使うようになりました。自分の負の感情に気付き始めたらキリがないので、どこかで切り捨てないと、ずるずると引きずってしまうし、どん底に落ちることも知っているので、自分に対して悲しいことがあっても『まあいいか』と言って気にしないようにします。その方が自分の心を守れるかなと。そういうふうに思うようになってからは、あまりどん底に落ちることもなくなりました」

【プロフィール】
生駒里奈(いこま りな)
1995年12月29日生まれ。秋田県出身。乃木坂46の元メンバー。現在は俳優として舞台・映像作品に活躍の場を広げ、ドラマ「真犯人フラグ」(2021年)、映画「忌怪島」(23年)、ドラマ「社内処刑人」(24年)、映画「室井慎次 敗れざる者」(24年)、朗読劇「青野くんに触りたいから死にたい」(24年)、舞台 梅棒19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」(24年)、舞台「家政夫のミタゾノ the stage ~レ・ミゼラ風呂~ 」(25年)、水谷千重子50周年記念公演「CAKUGO 愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス』(25年)など話題作に出演し、来年は舞台「どろんぱ」でミュージカルに初挑戦する。
【プロフィール】
若月佑美(わかつき ゆみ)
1994年6月27日生まれ。静岡県出身。2011年に乃木坂46の1期生として活動を開始し、18年に卒業。主な出演作は、ドラマでは「今日から俺は!!」(18年/日本テレビ系)、「私の家政夫ナギサさん」(20年/TBS系)、「王様に捧ぐ薬指」(23年/TBS系)、「何曜日に生まれたの」(23年/テレビ朝日系)など。映画では「今日から俺は!!劇場版」(20年)、「桜のような僕の恋人」(22年)、「劇場版ラジエーションハウス」(22年)など。舞台では「薔薇王の葬列」(22年)、「有頂天家族」(24年)などに出演。
【あらすじ】
中学3年生の今村海(若月)は、親友だと思っていた赤城綾(伊藤優衣)に裏切られ、いじめを苦に自殺を考えていた。そんな時、「どんな悩みも解決します」という謎の手紙が届き、指定された図書室の本棚に向かうと、図書委員界と名乗る5人組と出会う。リーダーの委員長(生駒)は「悩みを解決する代わりに、あなたの物語が欲しい」と告げ、海の悩みやいじめの首謀者まで見抜く。最初は疑う海も、5人と交流するうちに心を開き、協力を受け入れる。翌日、委員界メンバーは学校に現れ、海と共にいじめに立ち向かうが、事態は思うように進まない。海は彼らとの出会いを通じて成長していく。
【インフォメーション】
ハイセンスA3-D 朗読演劇「図書委員界」
東京・GBGKシブゲキ!!
2025年10月10日 午後2:00/7:00
2025年10月11日 午前11:00/午後3:00/7:00
2025年10月12日 午後1:00/6:00
2025年10月13日 午後0:00/4:00
原作:生駒里奈「図書委員界」
漫画:古屋兎丸(BUNCH COMICS/新潮社)
脚本:浅桜ひつじ
脚本協力:ますもとたくや、中塚進一
演出:木村好克
出演:生駒里奈、若月佑美ほか
【プレゼント】

朗読演劇「図書委員界」
生駒里奈さん&若月佑美さんのサイン入り生写真を2名にプレゼント!
TVガイドWeb公式X(@TVGweb)をフォローし、下記の投稿をリポスト。
https://x.com/TVGweb/status/1973584647037788302
【締め切り】2025年10月30日(木)正午
【注意事項】
※ご当選者様の住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/松下光恵 撮影/尾崎篤志
この記事をシェアする