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「推しの殺人」増田貴久インタビュー「キャストのトメとして、差し入れ頑張ります!」2025/10/02 06:00

「推しの殺人」増田貴久インタビュー「キャストのトメとして、差し入れ頑張ります!」

 田辺桃子横田真悠林芽亜里がトリプル主演を務め、日本テレビ系で本日・10月2日にスタートする、連続ドラマ「推しの殺人」(木曜午後11:59=読売テレビ制作)。心優しき弁護士役で増田貴久NEWS)が出演することが話題だ。

 本作は、宝島社『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリを受賞した遠藤かたる氏による話題作を映像化。“殺人”を犯してしまうが、事件を隠蔽(いんぺい)してステージに立ち続けようと誓う3人組アイドル「ベイビー★スターライト」のメンバー、ルイ(田辺)、テルマ(横田)、イズミ(林)。しかし、別の未解決連続殺人事件に巻き込まれるなど、ピンチが次々と襲いかかる彼女たちに待ち受けるのは栄光か破滅か…。人生と命を懸けたスリリングサスペンス作品。

 ルイ、テルマ、イズミ、それぞれが抱える壮絶な過去も描かれる本作で、増田が演じるのは、心優しき弁護士の矢崎恭介。城田優が演じる、マーケティング会社社長・河都潤也とは大学の同級生の矢崎は、殺人の隠蔽という大きな罪を背負いながらも懸命にステージに立ち続けようとする女性たちの物語にどのように絡んでいくのか…。クランクイン前の増田に、意気込みや本作の見どころを聞いた。

「推しの殺人」増田貴久インタビュー「キャストのトメとして、差し入れ頑張ります!」

――台本を読まれた感想をお願いします。

「主演3人のそれぞれの心の機微が丁寧に描かれているなという印象です。小さなボタンの掛け違いで、地下アイドルとして成功したいと頑張っている子たちが殺人事件に絡んでしまうのですが、台本を読んでいて、僕もアイドルとして興味深く読ませてもらいました」

――具体的にどういうところが興味深かったのでしょう。

「主演3人の女の子たちは、アイドルとして夢を追いかけている中で、それぞれプライベートの時間とか育ってきた環境とか、それぞれのバックボーンが違って、きっかけや、やる気もそれぞれなんだけど、あることをきっかけにみんなが団結していく過程が面白かったです。また、一つ一つの描写がすごく丁寧に描かれていて、ゆっくり進むところと早く進むところの緩急もあって読み応えがありました。殺人って絶対駄目なことなのに、犯人はどうして人を殺してしまったのか…。実際の本当の気持ちは誰にも分からないんだけど、そういうことも考えさせられる部分も多い。結構スリリングな怖い描写も多くて、ハラハラドキドキの展開が進んでいくなかで、矢崎は結構ふわっとした感じで登場するので、箸休め的な感じで見守ってください」

――演じる、矢崎恭介のキャラクターについて教えてください。

「城田くんが演じる河都は、学校でいうとリーダー的な存在で目立つ中心人物。矢崎は、河都が出資してくれたお金で弁護士事務所を立ち上げているので、河都に使われている訳ではないけど一歩引いている心優しい弁護士という雰囲気です。弁護士役ではありますが、弁護人として働いているシーンは特にないです。裁判の法廷シーンも。だから、矢崎は普段、どんな感じで働いていて、どういう人間なのかつかめなくて、監督さんやプロデューサーさんとたくさんお話をさせてもらいました。実際に弁護しているシーンよりも、河都と対峙(たいじ)しているシーンが多いみたいです」

――役作りで意識されたことは?

「敏腕弁護士なのかもしれませんが、どういう感じで仕事をしているのか、どういう人物像でどんな服を着ているのかとか、たくさん話をしながら衣装合わせもしました。みんな探り探りで、いろいろな服を着て『インナーが違う』って、中だけ着替えるなどを繰り返しました。スーツをきれいに着こなしているタイプなのか、それとも事務所にいる時は大人カジュアルな服で足元はサンダルみたいなスタイルなのか。僕は、いただいた役のキャラクターを細かい見た目から作りたいタイプなんです。見た目ができると内面が整ってくるかなと思っていて。リュックを背負っているのか、アタッシュケースを持っているのかとか、そういう部分だけでも、弁護士像って違ってくるので、衣装合わせをして、なんとなくの方向性が決まってくるような気がしています」

――そんな矢崎の見どころは?

「矢崎は、今作のために作ってくださった役で、原作には出てこないんですよ。河都は原作にいるので、そんな河都とどういうふうに絡んでいくのか、河都がなぜ僕と仲いいのかに注目してください。その後、河都を介してアイドル3人とも出会うことになるので、その3人ともどう接していくのかは楽しみですね」

――増田さんと矢崎の共通点はありますか?

「どうなんですかね…。僕は、どの作品でもそうなのですが、役作りをする時、自分と被っている部分を探すより、あまり分かっていないまま演じる方が面白いなと思っていて…。自分が普段言わないような言い回しのセリフも出てきたらワクワクします。そんな時、自分が言いやすいようにセリフを変えるは違うので、『どうしてこんなふうにセリフを言うんだろう』と、考えていることもあります。で、最終的に『これ、言い回しおかしくないですか?』と聞くこともあるのですが、ずっと実際に声を出して、現場で悩んでいるかもしれないですね。なので、自分と近いとこは探していないかも」

――今回の、髪色とかビジュアルはどのようにされるのでしょうか?

「見た目の部分も、衣装合わせの時に話は進んでいましたが、もしかすると、撮影当日に変わることがありそうですね。だけど、今の髪色ではないです!」

――弁護士役ということで準備することは?

「割とフラットに準備をせず進む感じです。弁護士役ではありますが、他の役とそんなに意識は変わらないと思います。でも、実は矢崎の裏設定として、国選弁護人をしているという設定もあって、見た目では分からない部分もあるんだなと。僕のイメージでは、弁護士の方って、パッと見た感じで『この人弁護士じゃん!』みたいな人は意外と少なそうだなと。こんな弁護士もいるんだみたいな。弁護士としての見た目とか、弁護士の人って、こういう動きするよねとか、ありきたりなイメージじゃないような気はしています」

――原作があるなかで、ご自身は原作にいないキャラクターを演じるのはどんなお気持ちでしょう。

「最初に台本をいただいて、原作を読もうと思ったら『増田くんの役は(原作に)ないので』と言われて、『え?』って。とりあえず台本にそったキャラクターの生い立ちとか、設定みたいなプロフィールを先に読んで、でもやっぱり原作も読みたいなと思ったので読み始めたらめちゃめちゃ楽しくて、あっという間に読みました。矢崎がどういう風にストーリーに絡むんだろうというのは、視聴者の方と同じ目線で楽しめています。物語のテーマに、“アイドルと殺人”という結び付いちゃいけないようなキーワードがある中で、主演の3人と徐々に絡んでいくので、原作ファンの方が『矢崎の役、面白かった』と思ってもらえたらうれしいな。ハードルは高そうですけど」

――増田さんの普段のイメージをこのドラマで最大限生かしたいということで、ほとんど当て書きに近い形でオリジナルのキャラクターが作られたようですが、それを聞いた感想をお願いします。

「僕のパブリックイメージみたいな部分と、矢崎のキャラクターがいい感じに絡んでいけばいいですね。元々、原作にない役を作って、それに僕をはめてくれて、『ドラマ版も面白いじゃん』と思ってもらえて、ドラマを見た後に原作を読みたくなったり、原作を読んでいた人も気に入ってくれる要素の一つになれたりしたらなと。最後の最後まで、どんな展開になるのか、僕も分からない部分があるのですが、いいスパイスになれたらなと思っています」

――撮影現場で楽しみにされていることは?

「話題作ということもあって、本を読まれている方は大勢いると思うのですが、そんな方にも原作にはないストーリーも足されていますし、実際に映像化されるのが初めてなので楽しんで見てもらえると思います。原作を読まれていない方も、このドラマを見た後に原作を読みたくなるような作品だと思うので、サスペンスの先のドキドキを楽しんでもらえれば。次のシーンや次の展開がどうなるのか、ワクワクしながら見られるのが魅力ですね。台本のキャスト欄の最後に僕の名前が書かれているのは初めて。トメって大御所感があるので、差し入れを頑張ろうかなと考えています。城田くんと僕が差し入れを頑張る立ち位置かなと思うので、城田くんに負けないように、城田くんが1回するなら僕は2回するつもりでいこうかなと(笑)」

「推しの殺人」増田貴久インタビュー「キャストのトメとして、差し入れ頑張ります!」

――城田さんの印象は。

「『古見さんは、コミュ症です。』(2021年/NHK総合)で共演しているのですが、その時にも同級生役でしたね。僕は城田くんと同級生に見えないと思っているんですけど、実際1個上なので同級生に見えなくもないのかなと。ドラマや歌番組での共演させてもらったこともありますし、プライベートでカラオケに行ったこともあります。なので、このドラマでも同級生のコンビとして、2人で力を合わせて盛り上げていけたらなと思っています!」

――究極の質問ですが、もしNEWS(小山慶一郎加藤シゲアキ、増田)のお三方が今回のアイドル「ベイビー★スターライト」と同じ立場になったとしたら、どんな展開になると思いますか?

「同じように殺人犯になったとしたら…。僕は、ルイ、テルマ、イズミ、3人のどの立ち位置になるかな。彼女たちは、そんな状況においても冷静に考えて、同じ意識で同じ目標を持っていて強いですよね。共通の秘密って、意外とないですよね。グループで活動していても、共通の悩みもないかもしれない。メンバーそれぞれの悩みとか思っていること、やりたいこととか、目標とかがあったとしても、同じ目標を3人が掲げているとか、逆に秘密を抱えているみたいなことはなかなかないかな。秘密を隠し続けるのか~。僕たち3人だったらドラマにならないかもしれないです。すぐに『僕たちがやりました!』と、みんな素直なので白状して罪を償っていくと思いますよ。そんな究極の状況になった時の、この3人の結束力とか、雰囲気というのはすごく興味深いですよね(画が思い浮かびます)。われわれにその団結力があったら、より強い絆が芽生えていると思います」

――今、増田さんが推している人や物とかは?

「仕事に関係なく、プロのカメラマンさんが使っているようないいカメラを買って、趣味にしようと思ってカメラを買ったんです。カメラを買ったら、自分の趣味で撮った写真をInstagramに載せたいと思っていたので、実際に載せたんですね。そうしたら、ある雑誌が、僕が撮った写真の特集を組んでくれて、すぐ仕事になっちゃって、趣味じゃなくなっちゃったんですよね。仕事としてカメラの腕も評価されちゃって…。何をやってもうまいって困りますね(笑)。本当は、プライベートで撮ったものは、誰にも見せないつもりだったんですけどね。隠しきれなかったんですね。カメラの腕も…。なんて。真剣に答えますね」

――カメラ以外にハマっているものはありますか?

「僕、椅子が好きで、一人掛けのチェアーを結構集めています。有名なブランドというより、作家さんが作った椅子とか、一点物のめずらしいものとか、刺繍が施されているかわいいものとか。ほかにも、有名な椅子屋さんとブランドのコラボの椅子とか。あと、コップとかマグカップも好きでいろいろ集めています。今日は、このコップとこのチェアーって感じで、家で1人、お茶やお酒を飲んでいます。その日の気分で、マグカップやグラスとかの素材とサイズ感を見て選ぶのは楽しいですよ」

「推しの殺人」増田貴久インタビュー「キャストのトメとして、差し入れ頑張ります!」

――主演の3人に、アイドルの先輩として心構えみたいなものを伝えるとしたら?

「そうですね…。3人が歌ったり踊ったりするシーンがあって、練習しているっていうのは話で聞いているんですけど、プロデューサーさんとか監督とかスタッフさんからは、僕に先生としてのオファーが一切ないですね。あるのかなぁと思っていたんですけど、おかしいですね(笑)。アイドルとして内面的なことは台本に書いてあると思うんですけど、動き方とか教えられることがあるかもしれないですよね。アイドルとしては先輩だし。アイドルとしてステージに立った時のカメラ目線とか聞かれるかなと思っていたんですけど、なかったです。こういうことはやっぱり、取材では伝えられないんですよね。僕らなりの裏技というか、企業秘密ということで。本当は先生として呼ばれるかなと思っていたので、そこでお伝えしたかったのですが残念です。なんで呼ばれなかったんだろう?(笑)」

【プロフィール】
増田貴久(ますだ たかひさ)

1986年7月4日生まれ。東京都出身。NEWSのメンバー。主な出演作品は、テレビドラマ「レンタルなんもしない人」(20年/テレ東系)、「古見さんは、コミュ症です。」(21年/NHK総合)、「ギフテッド」(23・24年/東海テレビ×WOWOW共同制作)など。舞台では「Only You~ぼくらのROMEO&JULIET~」(18年)、「ハウ・トゥー・サクシード」(21年)などに出演。2025年には初のソロアルバム「喜怒哀楽」をリリースし、東京・大阪でのソロライブも開催。現在、「NEWS LIVE TOUR 2025 変身」を開催中。

【番組情報】
「推しの殺人」
読売テレビ・日本テレビ系
10月2日スタート
木曜 午後11:59~深夜0:54

取材・文/松下光恵



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