“タイに来たらいいと思う”だけじゃない! NipponBoyz、「東京迷探偵Boyz」で見せる新たな顔2025/10/13 12:00

新たに立ち上がった世界配信型の推し活エンタメプラットフォーム・MOVE! TOKYOで、10月から配信されるショートドラマ「東京迷探偵Boyz」。主演を務めるのは、日本・アメリカ・タイという異なるルーツを持つ3人組ユニット・NipponBoyz(ニッポンボーイズ)だ。
NipponBoyzのメンバーは、日本人のRyota Moisture(リョウタ)、アメリカ系日本人のLuke Ishikawa Plowden(ルーク)、タイ系日本人のHideki Nagayama(ヒデキ)。TikTokで展開する「#タイに来たらいいと思う」シリーズでは、タイのカルチャーギャップをユーモラスに表現した掛け合いが話題を呼び、TikTokとInstgramの累計再生回数は4500万回を突破。SNSをきっかけに国境を越えてファンを増やし続けている。
そんな彼らが今回挑戦するのは、初の本格ドラマ。物語は4話完結のミステリーコメディーで、ビルの一室に呼び出された若き探偵たちの前で殺人事件が発生する。3人がそれぞれ“自信満々すぎる”推理を繰り広げ、掛け合いから生まれるテンポのよさや、思わずツッコミを入れたくなる展開が大きな見どころだ。撮影を終えたばかりのNipponBoyzに、役柄への思いや撮影の裏側、そして今後の展望を聞いた。
“自信満々すぎる探偵たち”が誕生!

――まずは、それぞれ演じた役柄について教えてください。
ルーク 「僕が演じるクリスは、とにかく自信家。子どもの頃から探偵ごっこをしていたんですが、実際は推理なんて全然できていなくて(笑)。それでも“自分が一番賢くてカッコいい”と思い込んで突き進むタイプです。根拠のない自信にあふれたキャラクターを意識して演じました」
リョウタ 「僕はショウタ役を務めました。日本でずっと暮らしている設定で、タイ語も英語も全くできないキャラクター。“自分は賢くて推理が得意だ”と思い込んでいるんですが、実際は頭があまり良くなくて(笑)、毎回ずれた推理を展開してしまう役柄です。ただ、セリフの言い方やテンションは自分に近い部分もあったので、演じやすかったです」
ヒデキ 「僕が演じたカズキは、小学校を卒業してすぐ父の転勤でタイに引っ越すんです。ある日届いた謎のメールをきっかけに日本へ戻り、幼なじみの2人と再会する。クリスと似て自信家な面もあるけど、タイと日本を行き来してきた背景を持つマルチカルチャーな人物です。そこが彼の魅力で、 NipponBoyzとしての僕のキャラクターとも重なりました」
――3人そろって“自信満々な探偵”という設定ですね。
リョウタ 「そうなんです。みんな真剣に推理するんですけど、見事にずれていく(笑)。その掛け合いが一番の面白さですね」

タイトすぎた撮影現場の舞台裏

――撮影がすべて終了した、今の率直な気持ちは?
ルーク 「タイトなスケジュールで、朝から晩まで撮影が続く日もあって、正直“疲れた”が一番の感想です(笑)。でも慣れない日本語での芝居に挑戦し、最後までやり切れたのは大きな達成感につながりました」
ヒデキ 「僕は“ホッとした”ですね。小学生の時だけタイの日本人学校にいましたが、日本語力は小6レベルで止まっているんです。長ゼリフや専門用語に苦戦して、撮影中は寝る前もずっと録音を聞いて復習する毎日。それでもやり遂げられたことで自信になりました」
リョウタ 「僕も撮影前は“本当に撮り切れるのか?”と不安でした。普段制作している動画は、僕が台本を書いて自由にやってもらえばいいので、やり直しもきく。でもドラマはそうはいかない。そんな中でも2人がしっかり準備して、長ゼリフもこなしてくれたので安心しました」
――具体的に、どんな言葉に苦戦しましたか?
ヒデキ 「“紛らわしい”“戸惑う”“推理”“抜けがけ告白”とか……。普段の生活ではまず使わない日本語が多くて、意味を理解するのに時間がかかりました。全部ChatGPTに入れて英語に直してから理解して覚えていました」
リョウタ 「ホントによく頑張ってたよね」
ヒデキ 「ルークの覚え方もすごかった。台本を英語に訳してローマ字に直し、ニュアンスをメモしてから覚えていて。地道な努力をしていて、すごいなと思いました」
――3人でのドラマでの本格共演は初めてでしたね。現場の雰囲気は?
ルーク 「正直、いつも通りでした(笑)。でもそれがありがたかった。日本語での芝居も初めてだった僕にとって、2人と一緒に相談しながら作れたのは心強かったです」
ヒデキ 「僕も“いい意味で普段通り”。リラックスできる環境で演じられました。事前にショート動画でドラマ仕立てを作っていた経験があったのも大きかった」
リョウタ 「僕も同じで、お互いの演技の癖やリズムを知っていたのでスムーズにできました」
――一緒にドラマの仕事をして、お互いに「ここはすごい」と感じた点は?
ルーク 「やっぱり2人の演技です。コメディーの芝居がうまいのはもともと知っていましたが、今回はさらに磨きがかかっていました。だからこそ今後はコメディーだけじゃなく、ヒューマンドラマのような別ジャンルでもリアルな演技も見てみたいですね」
ヒデキ 「僕はまずルークの暗記力に驚きました。日本語を学び始めたばかりなのに、長いセリフをしっかり覚えて演じ切ったのは本当にすごい。それからリョウさんはやっぱり芸人らしいテンポ感があって(笑)、コメディーにぴったりの存在だと思いました。ルークも言っていたように、普段のキャラクターから少し離れた役を演じた時に、どんな姿を見せられるのかにも興味があります。僕自身も“どれだけ自分を役に持ち込まないか”を課題にしているので、さらに幅広い役に挑戦していきたいです」
リョウタ 「僕も同じで、ルークの適応力の高さには本当に驚かされました。意味の分からない日本語も多かったと思うんですが、それを全部覚えて長文のセリフもこなしていたのはすごかった。ヒデキも日本語が得意なわけではないのに、難しい漢字や言い回しをしっかり使いこなしていた。2人の努力を現場で間近に見て、僕自身も刺激を受けましたね」

“演技もできるNipponBoyz”の新たな挑戦とこれから

――撮影中にアドリブはありましたか?
リョウタ 「結構ありました(笑)。監督に『これ入れてもいいですか?』と聞くと、『面白いね、入れよう』と受け入れてくれたんです。自由度が高い現場でした」
ヒデキ 「監督は『こうしろ』ではなく『どう思う?』と聞いてくれる。僕らの提案も『やってみて』と受け入れてくれて、本当にやりやすかったです」
リョウタ 「そうやって自然に出たものが採用された場面も多かったです」
――特に「ここを見てほしい!」というシーンは?
リョウタ 「全体的に“舞台劇”のような作品なんです。掛け合いで進んでいくドラマなので、正直どの場面も見逃さずに見てほしいです。全編が見どころですね!」
ルーク 「第2話で、3人がけんかしそうになる場面と、ラストシーンは特に印象的。ぜひ注目してほしいですね」
ヒデキ 「第3話の授業を受けているようなシーンですね。共演したひとみちゃんの自然な演技が光っていて、一緒にいるだけでマジックが生まれるような感覚でした」
ルーク 「僕にとって一番大きいのは日本語ですね。今回、日本語で最後まで演じ切ったことで自信がつきました。次の作品ではもっとスムーズにセリフが言えるだろうし、語彙力も確実に上がった実感があります」
リョウタ 「僕は“演技もできるNipponBoyz”を見せられたことです。これまでは『#タイに来たらいいと思う』を通じて知っていただいた方が多かったですが、このドラマを通して新しい一面を届けられたんじゃないかと。“俺ら、演技もやれるんだぞ”というところをアピールできたのが収穫でした」
ヒデキ 「僕にとってはコメディーへの挑戦が大きかったです。普段の動画ではリョウタが『こうやろう』と決めて、僕はそれに合わせる形が多かったので気楽だったんですが、今回はオーバーアクティングが求められ、自分の殻を破らないとできなかった。1人だったら苦戦していたはずですが、この2人と一緒だったからこそ自然に挑戦できました」
――今回の「東京迷探偵Boyz」は1話・約15分×4話というショートドラマ。これまでの作品とは違うスタイルですが、どう感じましたか?
ヒデキ 「TikTokでもショートドラマをよく見ますが、つい最後まで見ちゃうんです。15分って“続きが見たい”と思わせる絶妙な長さ。中国やヨーロッパでも同じような短尺ドラマが広がっていると思います」
ルーク 「僕もよく見ますよ。シットコム的な短尺ドラマは『フレンズ』のように15分前後がちょうどいいと感じますね」
リョウタ 「僕自身も普段はショート動画を見ることが多いです。朝の準備時間など、ちょっとした隙間時間に流すのに最適な長さで、気軽に楽しめるはず。皆さんにもぜひ楽しんでいただきたいです」
――このドラマをきっかけに、NipponBoyzをもっと好きになる方、新しくファンになる方も出てくると思います。あらためて“僕たちのここに注目したらいいと思う”というポイントを教えてください。
リョウタ 「『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)の公式YouTubeチャンネルに出演した際、シウマ先生に『NipponBoyzには“歌・コメディー・演技”の3本柱が必要だ』と言われました。今回のドラマではまさにその三つがそろったと思います。普段はコメディー動画を中心に活動していますが、今回演技にも挑戦できたことで、新しい一面を見てもらえるはず。2人は歌も得意なので、音楽・コメディー・演技、それぞれの魅力をトータルで楽しんでもらえたらうれしいです。日本とタイをつなぐ存在として活動の幅を広げていきたいですね」

【プロフィール】
NipponBoyz(ニッポンボーイズ)
タイと日本をつなぐ異色の3人で構成されたクロスカルチャーユニット。
Luke Ishikawa Plowden(ルーク)
9月13日生まれ。アメリカ出身。俳優・モデル・アーティストとして活動中。主な出演作は「WOLF」、「Oh My Boss」、「Drag, I Love You」など。
Ryota Moisture(リョウタ)
12月25日生まれ。東京都出身。プロキックボクサーとして活躍後、お笑い芸人として活動。2018年にタイへ渡り、以降はタイでマルチタレントとしてキャリアを積み、俳優としても活動。
Hideki Nagayama(ヒデキ)
8月15日生まれ。タイ・バンコク出身。17歳でアイスホッケーのインターナショナルチームの代表メンバーに選出される。サバイバル番組「ザ・ツー」などに出演。
【コンテンツ情報】
「東京迷探偵Boyz」(全4話)
MOVE! TOKYO
10月25日配信予定
ビルの一室に呼び出された若き探偵たち。彼らの目の前で殺人事件が!? 3人の探偵は、自分たちの中に犯人がいると疑い、推理合戦を繰り広げる。
<公式Instagram>https://www.instagram.com/movetokyo.official/
取材・文/斉藤和美 撮影/蓮尾美智子
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