「いつか、無重力の宙で」伊藤万理華「何歳からでも夢を追える」30代の共感と実体験を重ねて挑む2025/09/25 23:00

NHK総合で放送中の夜ドラ「いつか、無重力の宙(そら)で」(月~木曜午後10:45)で、木内晴子役を演じる伊藤万理華からコメントが届いた。
木竜麻生が主演を務める本作は、高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女子4人組が、大人になってそれぞれの道を歩む中で、忘れていたかつての夢と再会する物語。「超小型人工衛星だったら…今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない…!」と、あの頃の自分に背中を押されて2度目の青春が始まる。ごくごく普通の30代女性たちが、いつの間にかそっと手放した夢を、仲間と共に拾い直すストーリーだ。
伊藤が扮(ふん)するのは、地元の市役所に勤めている晴子。無愛想だが、根は優しく、細かいことによく気が付く。真面目で堅実な合理主義者だが、好きなものにはロケットのように真っすぐ突き進む豪快さも持ち合わせている。時々、熱くなりすぎて変なスイッチが入ることも。学生時代は宇宙建築に興味を示していたが、大学生の時に妊娠し、現在は小学生の息子を持つシングルマザーに。息子が将来好きなことを真っすぐ追いかけられるよう、今は息子の教育に力を入れている人物だ。

伊藤は物語全体への感想を聞かれると、「今、私は晴子たちと同じ年代で、30歳というとちょうど現実を見始める年頃だと思います。社会人としての立場やプレッシャーがだんだんのしかかってきて、夢を追うことよりも身近にある現実がよく見えるようになってきました。自分にとって本当の得意分野や、自分に合うフィールドがだんだん分かってくる。自分の進むべき道筋が分かってくる年頃というか。でもこのドラマは、社会人として経験を積んできたところでふと振り返り、10代の頃に見た壮大な『宇宙への夢』を、もう一度目指したっていいじゃないかと思い直すお話です。タイトル通り、一度かかってしまった『重力』から4人が解放されていく物語なんだな、とすごく引き込まれました」と30代ならではの共感を示す。
高校時代から現在までの晴子の人生については、「作品に入る少し前に、ちょうど高校時代の友達と十数年ぶりに会いました。まさに晴子たちと同じ空白期間はあったのですが、不思議なもので、会った瞬間にあの頃に戻れました。お互い変わっていないことにすごく安心しつつ、でも社会人としての経験もあって、それぞれの場所で培ってきた『大人の目線』もあり、今この時だから話せることがたくさんありました。みんなそれぞれたくさんのことを経験し、何かを捨てたり諦めたりして、でもそれも含めて自分を受け入れることができるようになった。そんなタイミングで再会できたことがすごくうれしくて。この感覚は、30歳で再会した天文部4人の気持ちに近いんじゃないかなと思いました」と実体験と重ね合わせて紹介した。

晴子の変化について尋ねると、「基本的には変わっていないと思います。真面目だけど、好きなこと、自分が信じることには一直線。高校生の時、皆既日食を見るためなら授業も抜け出すあの気概と真っすぐなところは、大人になっても変わらない。晴子がフォーカスしているのは、まず息子の岳のことと、現実的な『生活』。宇宙に夢中だった高校生の時の気持ちにはふたをしたまま生きてきたんだろうなと。けれど、テレビで宇宙関連のニュースが流れたらきっと家事の手を止めて見入っていただろうし、星がよく見える夜には空を見上げていたと思います」と人物像の一貫性を語る。
その上で、シングルマザーという役柄に関しては、「晴子は、大学時代に子どもを授かってシングルマザーとして奮闘しているという、私の人生経験にない境遇だったので、初めは難しそうだと思いました。しかし晴子と道のりは違っても私自身の高校卒業後から今までを振り返ってみた時に、つらかったこともよかったことも全てひっくるめ、この十数年は、これまでの過程を肯定するための時間だったと思っています。大切なのは、今の自分を大事にできているか、愛せているかということなのではないかなと。シングルマザーの晴子のこれまでの道のりは、ずっと精いっぱいで大変だっただろうけれど、今ちゃんとこうして生きているし、息子の岳という愛すべき存在がいる。私なりの目線で、これまでの晴子をちゃんと肯定し愛するというところから始めました。それはとても尊い時間でした」と役作りへの思いを込めた。

最後に作品の魅力について、「晴子を演じ、物語を通じて人工衛星を作る過程を知っていくと、空を見上げた時に『あの光は人工衛星かもしれない』と思うようになりました。空には星だけではなく、人々の夢を乗せた人工衛星がいくつも漂っている。それってすごくロマンがあることだなって。わずか2年で燃え尽きてしまう、あの小さなキューブに、なぜ晴子たち4人はそこまでの情熱を注ぐのか。そこを感じていただきたい。このドラマが、見てくださった方にとって『何歳から何を始めたっていいんだ』というほんの少し勇気を出す後押しをすることができたら、とてもうれしいです」と視聴者への思いを語った。
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