大東駿介&飯豊まりえ、柴犬にメロメロ! 柄本時生が声に決まり「なでにくくなった(笑)」2025/09/17 18:05

NHK総合で9月30日スタートの連続ドラマ「シバのおきて~われら犬バカ編集部~」(火曜午後10:00)の完成試写会が開催され、主演の大東駿介、共演の飯豊まりえ、内藤愼介プロデューサーが登壇。会場には劇中、大東演じる相良俊一の愛犬・福助役で登場する柴犬・のこちゃんも同席し、終始和やかな雰囲気の中、実際の柴犬と共に撮影された現場の舞台裏や作品への思いが語られた。
「シバのおきて~われら犬バカ編集部~」は、柴犬専門雑誌編集部を舞台に、自分のエゴだけを追求したアラフォー雑誌編集者・相良俊一(大東)が起死回生の一手として立ち上げた「シバONE」で働く人間たちが、柴犬たちによって癒やされ成長していく物語。犬嫌いの編集者・石森玲花(飯豊)ら、はみ出し者や変わり者たちが集まった編集部の殺伐とした雰囲気を、穢れなき心のお犬さまたちが優しく変えていく、令和の人間関係に新たな処方箋を提示する作品だ。

大東は、「“犬とともに作品を作る”ということで、まず人間側が犬に負担をかけない現場を作ろうと考えて臨んだ」と振り返る。しかし実際の撮影では「普段の現場では“犬にこうしてほしい”と言っていたところを、逆に“人間たち、待て。焦るな、落ち着いてやろう”と言ってもらっているような感覚でした」と、犬から教えられることの多さを実感したという。
続けて、「芝居の中で、自分が意図的に何かをしてしまったと後悔することもあるんですが、のこちゃんは当然ながら自由に動く。その予想外の行動が映像になると、とても魅力的に感じられるんです。僕自身も、そういう“自由で魅力的な存在”でありたいなと。のこちゃんに教えてもらいましたね」と話すと、飯豊が「(人の振り見てわが振り直せ、ならぬ)“犬のふり見てわがふり直せ”でしたよね」と笑った。

飯豊は、「撮影で私たちがバミリ(立ち位置を示す印)に立っていると、のこちゃんもちゃんとバミリにやってくる。本当に言葉を理解しているんじゃないかと思うほど感が良くて」と、“のこちゃん”の賢さに驚いたエピソードを披露。さらに「犬嫌いの役柄なので、最初は距離感を意識していたんですが、毎日一緒に過ごすうちに自然と触れ合う時間が増えていきました。カメラが回っていないところでも寄り添ってくれて、気が付けば心を開かされていた。まさに役と同じように、少しずつ心境が変わっていったんです」と、自身の演技にも通じる体験を明かした。
大東は、「“用意、スタート”という掛け声にも反応してしまって。最初の頃は“用意”の段階でスイッチが入ってしまい、本番前にピシッとなってしまうこともあった」と振り返り、現場では英語で合図をするなど工夫を重ねたことを説明。さらに「そうやって自然体でできるよう、みんなで知恵を出し合っていました。スタジオに入ると、まずブザーが鳴って、妙に緊張感が走るんです。僕自身ももちろん緊張するんですが、そこにのこちゃんがいることで“まあ、力を抜いてさらっと始めよう”という空気に変わる。自然とお芝居もナチュラルになって、無理がなくなりました」と、犬の存在が現場全体の空気を和らげたことを語った。
“ワンちゃんファースト”の撮影体制が徹底されていたという今回の現場。内藤プロデューサーは「できるだけ犬に負担をかけないように」という方針のもと、放送日から逆算してロケを前倒しで実施したと述べた。「特に外でのロケはワンちゃん中心になるため、重要なシーンであっても先にまとめて撮影しました」と続ける。大東も「スケジュールを工夫して、猛暑が本格化する前にロケをすべて終わらせ、暑さが厳しい時期にはスタジオ撮影だけで済むようにしました」と犬にも人にも配慮した環境作りについて話した。

飯豊は、「現場でも自然と会話が増えて、笑顔が絶えない雰囲気に。それがそのまま編集部の空気感にも反映され、ストーリーの中にも表れている」と、犬がもたらした現場の変化についてコメント。大東も「皆さん、撮影当初から控室に戻らずに前室に集まって、犬と一緒に過ごしていました。そういう“一体感”は、これまでの現場ではなかなか味わえなかった」と特別な体験だったことを振り返った。
作品では柴犬専門雑誌の制作過程が描かれるが、大東は「実は東京に仲の良い友人で雑誌の編集長をやっている方がいる。だから、日頃から“ものづくりの現場”を間近に見ていて、情報を正しく伝えるということがどれほど責任の重い仕事かは感じていました」とリアルな編集現場への理解があったことを説明した。「特に今は言葉一つで受け取り方が大きく変わってしまう時代。平成の創刊話を令和に描き直すからこそ、一層言葉選びには敏感になりました」と続け、劇中でも1ページ1ページに意味を持たせるよう丁寧に取り組んだと伝えた。
特に動物を扱う作品として「ペットは人を支えてくれる存在である一方、道具のように扱ってはいけない。もしメディアがその方向に誘導してしまったら恐ろしいことになる」と、メディアの責任の重さを実感。一方で、「編集部の裏側を見せることになるので、実際に雑誌を作られている方々に対して失礼にならないようにという意識は強くありました」と、職業への敬意も示した。

飯豊も、「常に『これは本当に大丈夫なのか』と指さし確認をしながら撮影に臨んでいました。柴犬にとって良いことなのか、雑誌編集という仕事を描く上で失礼になっていないか」と、同様の慎重さで制作に向き合ったことを明かした。
犬の心の声が聞こえるのも本作の大きな見どころの一つ。福助の声を柄本時生、カメラマン・三田(こがけん)が飼っている柴犬・ボムの声を津田健次郎が担当することが発表されたばかりだが、キャストの2人は撮影の途中でその情報を知ったといい、驚きの感想を述べた。
飯豊は「現場で接していると本当にかわいい子たちなので、声を聞いた時は正直ギャップがあるなと思いました。でも逆にその違和感が面白いんですよね」とコメント。大東も「それまでは無邪気に“かわいいな”と接していたんですけど、時生と聞いた瞬間に顔が浮かんでしまって(笑)。なでにくくなりました」と笑いながら打ち明けつつ、「実際に声を当ててもらったら驚くほどフィットしていました」と納得の様子。
さらに大東は「津田さんの声にはしびれました。あんなに渋い声が、あんなにかわいいボムから出てくるなんて(笑)。ほんの二言なのに笑っちゃうくらい絶妙でした」と絶賛し、飯豊も「仕上がりを聞いてとても自然で、キャラクターの新しい一面が見えました」と満足げに語った。

本作は、殺伐とした現代社会において、動物との触れ合いが人間にもたらす癒やしと成長を描いた作品だ。大東は「言語を超えて、思いがつながる瞬間が確かにあるんだと、撮影を通してすごく感じました」と作品を通じて得た実感を話した。飯豊演じる西森は犬嫌いの設定だが、「柴犬のマイペースさや素直さに触れて、“柴みたいに真っすぐ一生懸命に生きている姿を見て、私も頑張ろう”と思える。そうやって少しずつ心が解放されていく」という役柄の心境の変化に触れた。
現実の撮影現場でも、まさに作品のテーマ通り、犬たちが人間関係を円滑にし、自然体でいることの大切さを教えてくれた。内藤プロデューサーは「スタッフの皆さんが“のこちゃんはまるで小さい頃の芦田愛菜ちゃんみたいだ”と言っていて。本当に表情が豊かで、周りの力を自然に引き出してくれる存在なんです」と柴犬たちの特別な存在感について言及した。
さらに大東は「表情をちゃんと作るんです。“カメラの方を向いてくれさえすればそれで十分”と思っていたんですけど、のこちゃんはそこからさらに表情を作ってくれる。『何が?』というシーンで本当に『何が?』という顔をしていた」とプロ顔負けの演技力に感嘆。飯豊も「ある時は私の顔を見て“大丈夫だよ”と言うようにウィンクしてくれたんです。もう本当にラブリーで、その瞬間を忘れられません」と回顧した。
会見中ものこちゃんの愛らしいしぐさに、大東が思わず「何それ、かわいいね~」とメロメロになる一幕もあり、まさに作品のテーマを体現するようなほほ笑ましい会見となった。


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