髙石あかり「一番の夢だった」、吉沢亮「振り回される男」。「ばけばけ」試写会でエピソード続々2025/09/08 18:21

NHK総合ほかで9月29日にスタートする連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜午前8:00ほか)。本日・9月8日、東京・渋谷のNHKで行われた第1週試写会に、ヒロイン・松野トキを演じる髙石あかり、トキの夫となるヘブン役のトミー・バストウ、錦織友一役の吉沢亮、トキの父・松野司之介役の岡部たかし、母・フミ役の池脇千鶴が登壇した。
「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語。外国人の夫ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本で、埋もれてきた名もなき人々の心の物語に光を当て、代弁者として語り紡いだ夫婦の姿を描く。実在の人物をモデルにしているが、ふじきみつ彦氏の脚本による大胆な再構成で、登場人物名や団体名などを一部改称し、フィクションとして制作される。

髙石は「小さい頃から『朝ドラのヒロインになる』ことは、俳優としてではなく、髙石あかりとしての“一番の夢”でした。今こうしてこの場にいられることが本当に幸せで、この会見も楽しみにしていました」と笑顔であいさつ。現場については「スタッフやキャストの皆さんが作品を本当に好きで、こだわりを持って、何より楽しんで臨んでいるのがうれしかったです。朝、この私たちの姿を見て“クスッ”と笑っていただけるような朝ドラを作っていけたら」と熱意を示した。
脚本については、「モデルとなった小泉セツさんの人生は壮絶で、序盤はさまざまな出来事が起きますが、途中から本当に“何もない”日常が描かれていきます。そのときに『なぜこんなに面白いんだろう』と思うくらい、想像とは違う面白さに変わっていきました。もちろん序盤も好きですし、いろんな面白さが詰まった朝ドラになると思います」と分析した。

吉沢が演じる錦織友一は、松江随一の秀才で「大磐石(だいばんじゃく)」の異名を持つ。松江中学で英語教師を務め、外国人教師として松江にやって来たヘブンを公私にわたって支える役どころだ。吉沢は「とても温かい空気の中で、楽しく撮影に臨めました。辛い現実や苦しい出来事が描かれる中でも、人の温かさや優しさがしっかりと息づいている作品で、笑えるし、心が温まる物語になっていると思います」と魅力を紹介。
脚本については「時代の波に翻弄(ほんろう)されるシリアスな場面もありますが、温かい空気感が全体に流れています。ちょっとした出来事を面白く描く力がすごい。“スキップだけの回”もあって、日常のくだらないことで笑えることがドラマとして成立するのが本当にすごい」と絶賛した。自身の役柄については「モデルは“松江の大盤石”と呼ばれた秀才・西田千太郎さんですが、今回は秀才っぽくない面も多く、ヘブン先生に振り回される男。それでも楽しんでいただけるよう精いっぱい演じます」と笑みを浮かべた。

イギリス出身のトミーは「俳優として素晴らしい脚本だと思います。コメディーとドラマのバランスが絶妙で、登場人物も魅力的に描かれています。読むと心が高鳴りますし、出雲弁など難しい部分もありますが、それも含めて毎日楽しく取り組んでいます」と手応えを語った。

岡部は、「“何もない”と言えば本当に何もないですが、実際には日常の中で必ず何かがある。それは人に言うほどではないけれど、その人にとっては切実だったり、すぐに忘れてしまうことだったりする。そういうことをちゃんと物語にしているのが面白い」と作品の特色を説明。吉沢が触れた“スキップの回”についても「吉沢さんの演技が本当に面白いんですが、俳優としてはやりすぎても駄目、やらなすぎても何もなくなってしまう。その絶妙なあんばいを会話や表情で表現するのはとてもやりがいがあります」と話した。

池脇は「“何もないけど、何かある”。それをとても上手に描いていると思います。私自身、ほとんど家にいて、帰ってくる家族を迎える存在なんですが、そういう小さな日常も描いてくれているのがうれしい。台本は絶妙なラインを攻めて書かれていて、10週目を過ぎると『だいぶ暴れているな』と思うくらい自由に演じています」と役と共に過ごす日々を心から楽しんでいる様子。
自己紹介では、「フネ役をやっております池脇千鶴でございます」と役名を言い間違え、「本当はフミ役なんですが、『ございます』って言うと『サザエさん』のフネさんとごっちゃになっていて」と苦笑い。「でも勝手にフネさんみたいになれたら良いなと。穏やかで朗らかで、時に誰かが間違えたり野暮なことを言ったらちょっとたしなめる、そんな家族を支える床のような存在になれたらいいなと思っていました」と語った。夫婦役で共演する岡部が「それは僕も一緒で、波平をイメージしていた」と合いの手を入れると会場は笑いに包まれ、池脇も「通じ合っていましたね。良かったです」と応じた。
会見では、本作のテーマ「この世はうらめしい」にちなみ、撮影中に“うらめしい”と感じたエピソードも披露された。髙石は「岡部さんです」と即答。「真剣なシーンでも笑わせに来るので、本当に“うらめしい”…愛を込めた恨めしさです」と告白。岡部は「本番でも、テストと違うことをやることが多くて、それは撮影初日から続いていました。ある意味チームワークができていて、“うらめしいけど素晴らしい”と思っています」と笑いながら返した。池脇も「“岡部病”がうつったなと思ってます。カットがかかるまで台本にないことをついやってしまうんですよね。面白くなくてもいいから、何かやらなきゃ、みたいな」と笑い、現場の自由で和やかな雰囲気をのぞかせた。

物語の舞台となる島根県・松江について髙石は、「空港を降りた瞬間から『ばけばけ』一色で、町中にも旗やグッズがたくさんあり、応援していただいていることをひしひしと感じました。モデルとなった方々が見た景色を私たちも見ながら演じられたことがうれしかったです」と感謝を述べ、吉沢も「松江空港を降りたら旗がたくさんあって、町全体がこの作品を応援してくれているのがひしひしと伝わってきます」と松江の歓迎ぶりに感激。トミーも「外国人は珍しいのか、すごく目立ちましたが、皆さんがとても優しく歓迎してくれて、本当に感激しました」と振り返った。
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