これぞ韓国ドラマ! ドロドロ過ぎて目が離せなくなる「三番目の結婚」の魅力2025/09/08

日本に韓流ブームをもたらした「冬のソナタ」から二十年が過ぎ、現在の韓国ドラマはバラエティー豊か。ネット配信のドラマではラブコメやアクション、SFやホラーまでさまざまな作品が並ぶ。韓国ドラマの進化はめざましいが、昔ながらのマクチャンドラマも根強い人気を誇る。
韓国ドラマの醍醐味は、マクチャンを知ってこそ
マクチャンドラマとは、あり得ない展開で人間関係が複雑に絡み合った愛憎劇や復讐(ふくしゅう)劇のこと。BS11で放送中の「三番目の結婚」(月曜〜金曜 後2:29〜3:30)もその一つだ。不幸のどん底に突き落とされたヒロインが、真実の愛を見つけて復讐を果たすという王道パターンだが、なぜかハマってしまう人が続出する中毒性の高い作品。
ちょっと現実離れしすぎと思われるかもしれないが、そもそも最近の韓国ドラマも、ゾンビに襲われたりデスゲームに参加させられたりと、あり得ないドラマは多い。むしろ現実のドロドロした人間関係を描いている分、マクチャンドラマのほうがリアルかもしれない。日本でもかつては、ドロドロした昼ドラや「不良少女と呼ばれて」(TBS系/1984年)などの大映ドラマが人気だった時代がある。形は変わっても、ジェットコースター的な急展開やヒロインの逆転劇は、見たくなる要素が満載だ。
悪役女性が憎まれ役に徹する潔さ
マクチャンドラマで注目すべきは、実はヒロインではなくライバル。ヒロインへの嫉妬から夫や恋人を誘惑し、財産まで奪おうとする。そのためには犯罪もいとわず、徹底的にヒロインをおとしめる悪女こそがマクチャンドラマの華。ヒロインが幸せそうな時の嫉妬に狂った目や、ヒロインを陥れた時の勝ち誇ったような笑顔には、視聴者から憎まれる要素がすべて詰まっている。

「三番目の結婚」でヒロインのチョン・ダジョンを演じるオ・スンアも、悪女役でブレークした女優。もともとはKARAの後輩グループであるRAINBOWのメンバーとして、日本デビューもしたアイドルだったが、女優に転身後「秘密と嘘」で悪女役を演じ、MBC演技大賞の新人女優賞を受賞。「二番目の夫」では、ヒロインをわなにかける冷酷な財閥令嬢を好演した。ストーリーそのものに直接のつながりはないが、「二番目の夫」と同じ脚本家が手掛け、ファンの間では“精神的続編”と呼ばれている「三番目の結婚」ではヒロインとして出演。「二番目の夫」を見た人は見事にヒロインへと出世したことを応援し、これから見る人は二作品のあまりの落差に驚愕(きょうがく)することだろう。

韓国では、ライバル役がブレークのきっかけになったという女優は多く、本作「三番目の結婚」で悪女のカン・セランを演じたオ・セヨンも、演技力の高さで徹底的に憎まれ役となって、注目を集めた。ちなみに、悪女にだまされる夫の方は徹底して愚かだが、ヒロインを支える王子様キャラもいるのが救い。
長い話数でもハマってしまう中毒性
「三番目の結婚」はBS11の放送では全83話もある(韓国では132話)。話数が長いのは日本の朝ドラのように毎日放送されるためで、日日(イルイル)ドラマと呼ばれる。韓国の地上波ドラマは12~16話で1クールというのが基本。近年はネット配信のドラマが普及し、10話以下というドラマも多くなった。それに比べて83話(韓国では132話)は確かに長い。「毎日なんて観られない!」とあきらめる向きもあるかも知れないが、そこは安心して欲しい。マクチャンドラマはいつでも急展開なので、どこから見ても大丈夫。裏切られたヒロインが次から次へとわなにかけられ、沈みきったところで復讐に向かうという大筋さえ分かっていれば、途中から見て流れが分からなくなっても、新事実が発覚するたびについつい続きが気になってしまう。悪役は徹底して悪役なので、複雑な人間関係も視聴しているうちに覚えてしまう。誰かが破産しても殺されても、ヒロインが不幸のままでは後味が悪い。日課のように見続けて、最後にスッキリしてから次のマクチャンドラマにとりかかろう。
ダジョン“一番目の結婚”までのあらすじ

ダジョン波乱の人生
・幼少期、母の不倫が原因で両親が離婚。父は母の不倫相手(大人になったダジョンの親友・セランの父でもある)を殺した罪で服役。
・幼いダジョン(旧名ゴウン)は不倫相手の妻の策略で地方の食堂に売られ、名前を変えて生きることに。
・中学入学を前に食堂を飛び出し、自立。後に、一番目の結婚相手サンチョルと幸せに暮らしていたが…。
親友の裏切りと衝撃の真実

・親友セランは父を殺された復讐心から、ダジョンの夫サンチョルを誘惑し不倫。
・ダジョンが妊娠中、セランも妊娠、二人は同時期に出産する。セランはダジョンが入院する病院に忍び込み、自分の娘とダジョンの娘をすり替え、さらに、ダジョンの娘を教会の赤ちゃんポストに置き去りにする。
三年後の再会、そして復讐の始まり…

・出産したことを誰にも言わず一人、海外に発つセラン。それから三年後、帰国したセランは、再びサンチョルと不倫関係に。
・ダジョンは夫と親友の裏切りを知り、怒りに燃えるが…。
“一度目の結婚”はまだまだ序章にすぎない。二度目の結婚、そして三度目の結婚をすることになるダジョンの波乱の人生にどっぷりハマること間違いなし!
ネタバレ! 解禁!? 二番目、三番目の結婚相手は誰?

二番目の結婚相手は、サンチョル(一番目の夫)が務めるドリーム食品の本部長のヨハン。そして三番目の結婚相手となるのは、ヨハンの叔父で、ドリームグループの会長・ジェグク。ここにたどり着く(⁉)までにダジョンに何が起こったのか! 最後まで見届けたい。
【番組情報】
韓流プラス「三度目の結婚」 ※BS初放送
BS11
毎週月~金曜 午後2:59~3:30
※BS11公式動画サイトBS11+とTVerで配信中
文/菊池昌彦
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