「ガメラ生誕60周年」樋口真嗣&小椋俊一の手により、令和にガメラがよみがえる!2025/08/01

1965年(昭和40年)11月27日に公開された怪獣映画「大怪獣ガメラ」(大映)が、今年で生誕60周年を迎える。昭和に計8作品、平成には映画が4作品公開、2023年にはアニメ化されるなど、今もなお、国内外のファンを魅了し続けている「大怪獣ガメラ」の60周年を祝して、「ガメラ生誕60周年プロジェクト」がスタートする。

「大怪獣ガメラ」で初登場したガメラは、突如北極の氷から出現し、日本各地を襲いながらも、やがて“子どもたちの味方”としてほかの怪獣から人々を救うという独自のヒーロー性を持ち、多くの子どもたちの心をつかんだ。巨大な亀の姿にして、空を飛び、火を吐く。ユニークな設定とその圧倒的な強さはほかの怪獣とは一線を画し、日本怪獣映画界で、その存在を確立している。
昭和には怪獣映画ブームの中でシリーズ全8作を展開。“ガメラの父”と称されている監督・湯浅憲明氏をはじめ、当時の大映チームの創意工夫あふれる作品は、特撮ファンの熱狂を生み、特に「ギャオス」「バイラス」などとの戦いは今なお語り草となっている。
平成には「ガメラ 大怪獣空中決戦」(95年)に始まる3部作を公開。金子修介氏がメガホンをとり、脚本に伊藤和典氏、特技監督として樋口真嗣氏という豪華スタッフが集結、ハードな世界観と緻密なVFXで国内外の映画ファンを驚かせ、怪獣映画史における金字塔として、高い評価を受けた。その後、昭和ガメラにリスペクトを込めて公開された「小さき勇者たち~ガメラ~」(06年)が、実写映画としての最新作となっている。
そして、23年にはNetflixシリーズ「GAMERA-Rebirth-」を配信。60年という長い時を超えた今でも“正義”と“守るべきもの”を問いかける存在となっているガメラは、ものを破壊するだけでなく「希望」や「祈り」を内包した存在のまま、私たちの時代に改めて輝きを放っている。

令和の時代にも受け継がれているガメラだが、シリーズ第1作「大怪獣ガメラ」、第2作目となるバルゴンの虹色光線など色彩豊かな特撮表現が光る初カラー作品「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」(66年)、さらに、人気怪獣ギャオスが初登場し、子どもの味方・ガメラという昭和ガメラシリーズの特色を打ち出して、人気を不動のものとした3作目「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(67年)は、4Kデジタル修復版でも制作された。
4Kデジタル修復の監修は、Netflix映画「新幹線大爆破」(25年)で話題沸騰の樋口氏と、多くの名作の4Kデジタル修復監修を手がける小椋俊一氏が担当。2人は共に80年代後半、株式会社IMAGICA(現・株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)で勤務し、樋口氏は「ガメラ 大怪獣空中決戦」、「ガメラ2 レギオン襲来」、「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」の特撮監督を務め、小椋氏は映画のフィルムの色味を、監督・カメラマンの意向をくみながら整える重要な職人的ポジションである“タイミング”として参加するなど、キャリアの要所要所で関わってきた。樋口氏にとって初となる、今回の4Kデジタル修復版監修を、小椋氏が豊富な知見でバックアップ。2人の監修によって生まれた「“まだ誰も見たことがない”昭和ガメラ」は、全世界の特撮ファン必見だ。

樋口氏は、「私が生まれた年に作られた映画ですから、かれこれ60年前の映画です。本来なら制作に携わった方が監修すべきなのですが、見渡した限りどなたもいらっしゃいませんでした。残念なことです。そしてこの度、私たちの世代にとってはレジェンド級のタイミングマンである、小椋俊一さんとデジタルグレーディングの第一線を切り拓いているイマジカのカラリスト、阿部悦明さんのお力添えで不肖樋口、いちファンの代表として、この大任を慎んでお引き受けさせていただきました」とコメント。
さらに、「暗部に埋もれ、グレインに隠されていた怪獣たちの皮膚感を洗い出し、当時の低感度ネガフィルムに記録されていた現場の空気感を発掘するのは、試行錯誤を重ねて素晴らしい作品を作り出した先輩たちの偉業を追体験するようで、素晴らしく幸せな作業でした。とりわけ、タイミングデータから明らかになる、オプチカルプリンターを介さずにオリジナルネガを巻き戻して二重露光をしたダブルロール合成カットの多さは衝撃です。ブルーバック合成という選択肢を当たり前のように選ぶことが難しい時代に怪獣映画を撮っていた先輩たちの労苦には感服するばかりです。誰も見たことのないガメラの誕生を、刮目(かつもく)してご覧ください」と、敬意を評した。
そして、小椋氏は、「この企画をいただいた時、まさか自分が子どもの頃、劇場で見た『昭和ガメラ』の4K修復に関われるとは思ってもみなかったので、うれしく思いました。『平成ガメラ三部作』には、タイミングとして関わりました。劇場で皆さんがご覧になったのは、プリントフィルム(ポジ)です。今回の4K修復はネガからの修復です。ポジを通さない分、当然劇場での見え方と変わります。ネガはポジでは表現できなかった明部、暗部のディテールなど、豊富な情報を持っています。その情報を損なわないように、なおかつ当時見たような質感を求めて修復しました。ご期待ください」と、メッセージを寄せた。

この度、12月5日よりガメラ生誕60周年を記念した「昭和ガメラ映画祭」の開催が決定。東京・角川シネマ有楽町ほかにて、順次公開することが発表された。樋口氏と小椋氏による、4Kデジタル修復版3作品をはじめとした昭和ガメラ全8作品と、昭和ガメラへのリスペクトが詰まった名作「小さき勇者たち〜ガメラ〜」を特別上映。なお、4Kプロジェクターを導入している角川シネマ有楽町では、4Kデジタル修復版の鮮明かつ迫力ある映像を大スクリーンで体感できる。さらに、4Kデジタル修復版の3作品は、「昭和ガメラ映画祭」で上映されるだけでなく、 UHD(Ultra HD Blu-ray)が11月21日に発売されるほか、テレビ放送など、今後マルチに展開されることも決定した。

BS12 トゥエルビでは、11月6日放送の「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」(木曜午後9:00)にて、昭和ガメラ4Kデジタル修復版の制作に密着した特番「『大怪獣ガメラ』4K修復にて、父・船越英二が蘇(よみがえ)る!」を放送。シリーズの原点「大怪獣ガメラ」主演にして、日本映画黄金期を支えた大映の看板俳優であった名優・船越英二を父に持つ船越英一郎が、「昭和ガメラの再生」に迫る。貴重なインタビューや、通常は立ち入ることができない施設でのレアな撮影など、4Kデジタル修復版の魅力が詰まった内容は必見だ。
また、11・12月の「日曜シネマ劇場」(日曜午後7:00、不定期放送)では、「ガメラ」シリーズの4Kデジタル修復版を全て2Kダウンコンバートで放送。11月2日は「大怪獣ガメラ」、9日に「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」、16日には「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」を、23日は、「ガメラ 大怪獣空中決戦」、30日に「ガメラ2 レギオン襲来」、12月7日には「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」をおくる。
そのほか、60周年を記念する貴重アイテムから、大人気シリーズの最新グッズまで、ガメラの関連書籍やグッズも、続々登場するのでぜひチェックしてほしい。
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