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「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!2025/05/11

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

 ABCテレビ・テレビ朝日系で放送中の「いつか、ヒーロー」(日曜午後10:15)。主人公で児童養護施設の職員の赤山誠司(桐谷健太)は、何者かに殴られ意識不明に。20年後、意識を取り戻した赤山が戻ってくると、そこには変わり果てた教え子たちの姿が…。赤山と子どもたちに何が起きたのか。やがて、何者でもない彼らが世代を超えて手を組み、腐った巨大権力を相手に立ち向かっていく勇気と愛の物語を描いた社会派ドラマだ。

 赤山の元へかつての教え子たちが集まっていく中、20年前に赤山に何があったのかまだまだ気になる点が残る、赤山を演じる桐谷さんへインタビューを行い、役作りの苦労などを聞いた。

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

――出演のオファーされた際の感想をお聞かせください。

「ドラマの内容を聞かせてもらった時は、『20年間意識の戻らない状態の患者? 20年の時の流れをどうやって撮るんだろう』と思った反面、とてもひきつけられる感覚があり、作品へ参加すべきだと思いました」

――そんな強い思いで脚本を読まれていかがでしたか?
「メッセージや思いが爆発していて強烈なのが来たなという印象です。林宏司先生が5年ぶりに完全オリジナルの脚本で、今やりたい全てを詰め込んだことがこれなんだという思いを感じられたので、僕自身もどのように映像にするんだろうとその勢いに引き込まれた感じがありました。今はそれがしっかり映像に焼き付けられていると思っています」

――赤山を演じる際の苦労はありましたか。

「時間軸が交差する中での撮影の中、20年間意識の戻らない状態の患者だった赤山をどう表現をしていくか、赤山の若いシーンも撮影しながら徐々に体重を落としつつ、第1話のリハビリシーンで一気に絞っては11kgぐらい落としています。病院でのシーンは現実的な表現を大切にしていたので、医療監修の先生たちとしっかり相談しながら赤山を演じさせていただいています」

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

――アベラヒデノブ監督と役づくりで話し合ったことはありましたか。

「20年間の植物人間状態から目覚めてリハビリするシーンや、37歳から57歳という時間の流れが描かていましたが、この作品のとエンターテインメントとしての世界観をしっかり両立していきたいという思いがあったので、赤山表現や、彼の生い立ちについてもいろいろ話し合いました」

――生徒たちとの距離感などの取り方はいかがですか。

「第1話のタイムカプセルを埋めるシーンを撮る前に、子どもたちと『いい作品を作ろうぜ!』と円陣を組みました。パッと思い付いてやったことだったんですが、そのおかげでキャッキャと楽しそうなシーンになったと思います」

――20年後の成長した生徒たちとの距離感はどうでしょうか。

(長濱)ねるちゃんとは『院内警察』(2024年/フジテレビ系)で一緒だったのですが、他の子たちとは初共演で、撮影の合間で距離を詰めるというよりも、お芝居の中でどんどん打ち明けていけたのが良かったのかもしれません。20年の時間で赤山と子どもたちの距離感が開き、打ち解けていないところから改めてスタートするシーンのリアルな距離感につながったのかなと」

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

――今回赤山とバディーを組む樋口ゆかりを演じる長濱さんやライバルの氷室海斗役の宮世琉弥さんの印象を教えてください。

「ねるちゃんはお芝居に一生懸命で、一生懸命がゆえに悩んだり迷ったりしていると思うんですけど、それがゆかりとシンクロする部分があり、魅力にもつながっていると思います。琉弥はしっかりと難しい氷室を演じていて、今後の、赤山との関係がどうなっていくのかワクワクします」

――その他、キャストの方の印象はいかがですか。

でんでんさんとも『院内警察』でご一緒させていただいて、僕も大好きな役者さんの一人です。でんでんさんとの掛け合いがとても楽しいですし、大原と赤山としか醸し出せない空気感があると思います。若王子役の北村有起哉さんとは以前『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(23年/テレビ朝日系)というドラマで一緒だったのですが、今回はまた立場が全然違う役なので赤山とどうやって絡んでいくのか楽しみです。野々村役の泉澤祐希くんとはしっかりお芝居ができて通じ合えたと思うので演じていて、面白かったです。今回、お芝居を通してキャストの皆さんと仲が深まっていく感じがありました」

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

――赤山と桐谷さんとの共通点を教えてください。

「自分の体と声を使って演じるわけですから、おのずと共通点は出てくるでしょうが、精神面は僕とはまた違うと思います。ただ、赤山が児童養護施設の子どもたちに対して真っすぐで、大切なものにきちんと向き合う姿勢はとても共感します。赤山と重なる部分や共感する部分だけでなく、全然違う部分からも、たくさんの魅力を出していけたら嬉しいなと。赤山と自分が共通する部分があるなら全て惜しみなく出し切って演じたいです」

――赤山を通して視聴者へどんなメッセージを込めていますか。

「今回のキャッチフレーズでもある『人生死ぬまで敗者復活戦』。負けたと悩むことや全部駄目だと落ち込んでしまうだけでなく、それを起爆剤にして次はこうなってやると動き出す勇気を与えるメッセージを抱えていると思います。泣きたい時は泣いたらいいと、でもずっとどん底にいる必要はないと。僕自身にも心に響きますし、それが見てくださった誰かの心に届くように思いを込めて全力で演じています」

――子どもの頃に憧れていたヒーローはいらっしゃいましたか。

「僕は特定のキャラクターに憧れていたわけではなく、そのキャラクターの一部が好きだったり、テレビで見たあの人の一部が面白いと思ったりして、自分なりの理想の部分を抜粋しているんです。だから、理想のヒーローは自分の中にあるのかなと思っています。例えば、ヒーローのような人を見て『こんなふうになりたい』と思ったら、その瞬間からヒーローへの道は始まっています。今回のタイトルにもある『いつか』というのは、今はまだヒーローじゃないと思いがちだけど、実はすでにヒーローに向けて進んでいるし、すでにヒーローの一部なんだと思いながら生きていけたら『ヒーローになっていない』と思わずに生きていけるんじゃないかと思います」

「いつか、ヒーロー」桐谷健太が20年の眠りから目覚め、社会の闇へ立ち向かう!

――「いつか、ヒーロー」のタイトルにちなんで、「いつかやってみたいこと」を教えてください。

「去年はタイでの撮影をしたんですけど、いつかもっといろいろな国で思いっきり撮影したいです。もちろん日本も素晴らしい国なんですけど、文化の違いや撮影が終わった後の感覚も違って面白いので、どんどん挑戦していきたいです」

――最後に視聴者へメッセージをお願いします。

「今まで見たことない作品になっていると感じています。キャストとスタッフ全員が全力で体当たりして撮影に臨んでいるので、きっと届くと信じています。とにかく見てくれるとうれしいです」

【プロフィール】

桐谷健太(きりたにけんた)
1980年2月4日生まれ。大阪府出身。「ケイジとケンジ〜所轄と地検の24時〜」(20年/テレビ朝日系)、「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」(23年/テレビ朝日系)や「院内警察」(24年/フジテレビ系)、ドラマプレミア23「Qrosの女 スクープという名の狂気」(24年/テレ東系)に出演。現在NHK総合他で放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」にも出演。

【番組情報】

「いつか、ヒーロー」
ABCテレビ・テレビ朝日系
毎週日曜
午後10:15~11:09

取材・文/S・A



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