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「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン2025/05/06 10:00

「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン

 TBS系では、火曜ドラマ枠で多部未華子さん主演の「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(火曜午後10:00)が絶賛放送中。本作は、2019年にドラマ化された「わたし、定時で帰ります。」の著者・朱野帰子さんが描く新たなお仕事小説「対岸の家事」(講談社文庫)をドラマ化。専業主婦になることを選んだ村上詩穂(多部)が、ひょんなことから働くママや育休中のエリート官僚パパなど“対岸にいる人たち”と出会い、交流していく姿を描く。

 今回は、外資系ベンチャーキャピタル企業でバリバリ活躍する“バリキャリ”ママ、中谷樹里を演じる島袋寛子さんにインタビュー。樹里は厚生労働省に勤務するエリート官僚の夫・中谷達也(ディーン・フジオカ)の突飛な発言をも温かく受け入れ、抜群のコミュニケーション能力を発揮する人物。樹里という役柄に込めた思いや、撮影現場でのエピソードを語ってもらった。

「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン

――本作に出演が決まった時の心境を教えてください。

「まさか自分に連続ドラマのオファーが来るとは思っていなかったので、とても驚きました。役柄についても意外でしたね。以前、『放課後カルテ』(日本テレビ系/24年)にゲスト出演した際も、小学6年生の子どもを持つ母親役でしたが、子どもとの共演はなかなか機会がないので、今回ガッツリと作品に関われることがとてもうれしいです」

――原作を読まれた感想を教えてください。

「読んでいるうちに、知らず知らずのうちに涙が流れるほど共感しました。『お母さんも詩穂たちと同じ気持ちを抱いていたのかな』と思いながら、自分自身の経験も重ね合わせたりして、夢中で読み進めました。一方で、台本を読んでみると原作とはまた異なる感覚がありました。作品全体のトーンやセリフのテンポ感など、映像作品ならではのリズムが強く意識されていると感じました」

――樹里という人物について、どのように捉えましたか?

「原作の樹里は、自分の思いに正直で、とてもかっこいい女性だと感じました。ドラマの役資料でも、彼女は世界を飛び回るキャリアを持ち、結婚や出産など、自分がかなえたいと思ったことを着実に実現してきた人物として描かれていました。言葉少なく簡潔に思いを伝える姿が印象的です。また、樹里は達ちゃん(中谷)より年上という設定もあり、人生を達観しているような落ち着きを持っています。達ちゃんの驚くような発言にも、まるで諭すように『こういうこともあるんじゃない?』と返すテンポ感が、中谷家の特徴になっていますよね。私の周りにも、海外で育ちバリキャリとして活躍している友人がいるのですが、その彼女たちの雰囲気に通じるものがあると感じ、参考にしました。その場の空気に流されず、違うエネルギーを生み出していくような人ですね」

「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン

――監督からのリクエストはありましたか?

「とにかく明るく切り返すこと、そして強さを持つこと。この2つを特に意識するようにリクエストがありました。意思をはっきり伝える場面では、しっかりとした口調で伝えることを心がけ、『空気を読んでいないわけではないが、あえて読まない』といったニュアンスも意識するようにしました」

――5話のグランピングシーンで印象に残っていることは?

「ハグのシーンが特に印象的でした。監督からは『海外のオープンな感覚を意識して、強く出してほしい』と指示がありました。私自身、ハグする文化にはなじみがありますが、あそこまで唐突にすることはなかなかないので、樹里らしい演出だなと思いました(笑)」

「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン

――ディーンさんの印象を教えてください。

「初対面の時から、すでに達ちゃんの姿だったので、完全に達ちゃんとして受け入れることができました。後半に進むにつれ、ポンポンとやりとりを交わすシーンが増えていき、まるでバトルのような応酬が楽しかったですね。どんな言葉も受け止めてくださるので、安心して臨むことができました」

――6話では、中谷夫婦が言い合いになる場面があります。

「あのシーンは私のお気に入りです。夫婦のやりとりは深い信頼があるからこそ、率直に言い合えるんだろうなと思います。達ちゃんが私的にツボで(笑)。達ちゃんはとても一生懸命で、どのシーンを見ても『こんなに頑張る旦那さん、なかなかいないよな』と思うくらい。そして、そんな達ちゃんを見ている樹里もまた、その一生懸命さに共感しつつ、ちょっとズレている部分を指摘する。6話のシーンは、そんな2人の関係性がよく表れているユニークなやりとりになっています」

――子どもたちとの共演はいかがでしたか?

「佳恋役の(五十嵐)美桜ちゃんが2歳なのですが、とにかくいとおしくてたまりませんでした。初対面の時、『初めまして』と手を広げると、わーっと抱きついてきてくれたんです。美桜ちゃんのお母さまが私の写真を見せて、『ママ』と呼べるように練習してくれていたみたいで、廊下で擦れ違う時も『ママ』と呼んでくれるんです。それに、撮影のたびに新しい言葉を覚えていて、子どもの成長の早さに驚きました。また、機嫌がいいのに機嫌が悪い演技をしなければならないシーンや、その逆のシーンもあり、大変だなと思います」

「対岸の家事」バリキャリママ役の島袋寛子。お気に入りは第6話の中谷夫婦が言い合うシーン

――多部さんの印象を教えてください。

「多部さんは、本当に安心感のある方。フラットな雰囲気で、こちらも自然体でいられます。リハーサル中も、セリフの返し方一つでみんなを笑わせたり、目だけで感情を伝えても、それをしっかり受け取ってくれる。経験と実績があるからこそ成せる技だと思いました。それでいて、とてもかわいらしいんです。初めてお会いした時、しばらく見とれてしまうほどキラキラしていました。でも、飾らない自然な雰囲気があって、やっぱり安心感があるんですよね」

――最後に本作の見どころを教えてください。

「すべてのシーンが見どころだと思います。登場人物たちは、目の前の出来事や置かれた状況に真剣に向き合いながら生きています。それは視聴者の皆さんにも通じる部分があると思います。『こんな考え方もあるのか』『こういうふうに生きてみるのもいいかもしれない』と、新たな発見もあるかもしれません。そして、子どもたちのかわいらしい成長も楽しめますので、ぜひ毎週、欠かさずにご覧いただけたらうれしいです」

【第6話あらすじ】
詩穂(多部未)の家に「あなたのような専業主婦はお荷物です」と書かれた手紙が届いた。誤ってそれを開封してしまった礼子(江口のりこ)は、詩穂のためを思い、このことは自分の中に留めようと決意する。そんな中、詩穂は中谷(ディーン)に連れられ、結婚や出産・介護と仕事の両立や復職を支援する「仕事カムバックプロジェクト」のヒアリングを受けるために霞が関の厚生労働省へ。共働きを推進する職員から「手に職があるのに復職しないなんてもったいない」と言われた詩穂は、社会貢献のためにも職場復帰した方がいいのかと考えてしまう。一方、社内で行われる講演会の登壇者を探していた礼子は、会社の“ロールモデル”となる人物として、営業部時代の憧れの先輩で、社内で初めて女性管理職になった陽子(片岡礼子)に声を掛けるが……。

【番組情報】
「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」

TBS系
火曜 午後10:00~10:57



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