東京オリンピックの競技を解説【ハンドボール】ヨーロッパ勢がトップに君臨。日本は決勝トーメント進出が大きな目標2021/07/18
ハンドボールは、ゴールキーパー1人を含む7人からなるチーム同士が対戦し、ボールを手で扱って相手ゴールへと投げ入れ、得点を競う球技。19~20世紀初頭のヨーロッパに起源がある。源流には、サッカー=フットボールがあり、かつて主流だったドイツ発祥の11人制は、サッカーと同じ広さの屋外のフィールドで行われ、文字通り“手で行うフットボール”だった。しかし、次第にスカンジナビアを中心に広まった7人制が主流になり、現在に至っている。オリンピックでは1936年ベルリン大会で男子が初めて実施。その後、正式競技から外れていたが、1972年ミュンヘン大会から再び採用され、次の1976年モントリオール大会から女子も加わった。
コートの広さは40m×20m。前・後半各30分を戦い、決着がつかなければ前・後半各5分の延長戦が行われる。ゴールキーパーが自陣のゴールを守り、残る6人がドリブルとパスでボールをつないで攻撃する。ボールを持ったまま4歩以上進むと反則になり、選手交代は無制限といった点はバスケットボールに似ている。ハンドボール特有のルールは、ゴール前6mのゾーン外側から、または外側から内側に向かってジャンプしている状態でないとシュートを打つことができないというものがあり、体の正面からの接触プレーは反則がとられないため、激しいボディコンタクトが頻繁に見られる。スピーディーなパス回し、ダイナミックな空中戦、迫力あるぶつかり合いが見どころだ。
男女各12チームが出場し、6チームずつ2組に分かれて総当たり戦を行い、各組上位4チームが決勝トーナメントに進出する。前回2016年リオデジャネイロ大会以降の世界選手権(男子は3回、女子は2回開催)の結果を見ると、男子はデンマークが2019、2021年大会を連覇しているほか、フランス、ノルウェー、スウェーデンなどが好成績を挙げている。女子はフランス、オランダ、ノルウェーなどが安定している。これらのチームは順当にトーナメントに進むだろう。
日本は男女とも開催国枠で出場。男子が1988年ソウル大会以来8大会ぶり、女子が1976年モントリオール大会以来11大会ぶりの出場になる。それだけの間、オリンピック予選を突破できなかったことを考えると、地の利があるとはいえ苦戦は免れない。決勝トーメント進出が大きな目標になる。男子は主将の土井レミイ杏利、2020年アジア選手権で最優秀選手に選ばれた東江雄斗、194cmの長身から強烈なシュートを繰り出す部井久アダム勇樹ら、女子は主将の原希美、強豪国・デンマークのチームでプレーする池原綾香らに期待したい。
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