大東駿介主演「絶望できない男」放送決定 1億円の借金から這い上がる男の生きざまを描く2026/09/03 07:00

カンテレでは、大東駿介が主演を務めるスペシャルドラマ「絶望できない男」(木曜深夜1:15放送=関西ローカル)を9月17日から放送することが決定した。
本作は、2025年6月に刊行された奥川拓二氏のノンフィクション・エッセー「絶望できない男」(講談社刊)をモチーフに、1980年代後半から2000年代の激動のテレビ業界を駆け抜ける、1人の男の数奇な人生を描く全4話のスペシャルドラマ。共演には相武紗季、八村倫太郎(WATWING)が名を連ねる。

主人公は、ポルシェを乗り回す伝説のADから制作会社の社長へとのし上がったものの、1億円を超える借金を抱え、ヤクザに監禁されるなど、人生のどん底へ転落した奥本拓夢(大東)。やがて、地位も財産もすべて失い、路上へ放り出されるが、それでも決して諦めることはない。「ウソはアカンけど、ホラは吹いてええ」と豪語し、持ち前のしゃべくりとハッタリを武器に、どんなピンチも乗り越えようとする奥本。不器用で泥臭く、時に無様でありながらも、周囲の人々を巻き込みながら前へ進み続ける姿を描いた“しゃべくり人情”エンターテインメントとなっている。
奥本を演じる大東は、本作への出演について「原作と今回の台本を読んだ時に『奥本は、絶対自分が演じたい』と思いました」と率直に明かす。大阪・堺市出身の大東にとって、関西弁を存分に生かした“しゃべくり人情”を表現できる本作は、かねてより挑戦したいと思っていた作品だったという。

関西弁についても、「感情が先に出ているんです。言葉って“道具”でしかなくて、もう“楽器”的」と独自の表現で語り、「僕は現場の“バンドマスター”みたいな気持ちでいたという感じですね。演奏隊(スタッフ・キャスト)をちゃんと導きたいな、という気持ちでいました」と、セリフを音楽のように捉えながら現場をけん引したという。
奥本という人物を演じるにあたっては、「“何をしでかすか分からない”という人物なので、現場でも“大東マジで何しでかすか分からへん”という空気を作れるかどうか」と、撮影現場でも常に新たなアイデアを出すことを意識していたそう。キャスト・スタッフがアイデアを出し合いながら作り上げた現場について、「マジで『俺ら映像の学校の課題を作ってんの?』っていうぐらい青春で、希望しかない現場でしたね」と振り返った。

また、大東自身の壮絶な過去と奥本の生きざまが重なる部分もあり、本作で描かれる“絶望”については「僕はもう、“絶望が育てた男”みたいなところがある」と表現し、「自身の短所こそ、一番の武器になり得るんじゃないか」と自身の人生を振り返った。さらに、「“終わりを決めなきゃ失敗じゃない”という原作の奥川さんの人生って、まさにそうやなと思います」と共感し、失敗を繰り返しながらも前へ進むことの意味を本作に重ねている。
そんな奥本を優しく、時に厳しく見守る元恋人・春永洋子を相武が演じる。奥本にとって、絶対的な安心感を与える存在であり、ハッタリで突っ走る彼を現実へと引き戻しながら、深い愛情で支え続ける重要な役どころだ。

相武は洋子を担うことにあたり、「絶対的な安心感と優しさを意識しました。聖母のような女性じゃないと、この人にはずっとついていけないだろうな」と役どころを説明。暴力団に監禁されるなど、限界ギリギリともいえる描写が登場する本作については、「『ドラマってこんなにパンチが効いてていいんだ』『こんなことやってて大丈夫?』と思われるぐらいの魅力で、記憶に強く残る作品になってくれたら」と期待を寄せている。

そして、奥本の後輩・水野秀真役を八村が務める。真面目で野心家ながら不器用な水野は、ハッタリだらけの奥本に遠慮なく意見をぶつけながらも、その熱量に感化され、泥臭く食らい付いていく。

八村は大東について「自分にないものをたくさん持っていらっしゃるので、これからも超えたいと思う存在」と強いリスペクトを告白。撮影中に大東からかけられた「失敗の数が多ければ多いほどいい。だってそれって挑戦しているってことだから」という言葉が胸に刺さったことも明かした。
奥本というキャラクターについては、「到底まねできないように見えて、実は本質的な部分は誰しもが共感できる」と分析。「絶対に1人じゃ無理だし、壁を乗り越えるには周りに助けてもらうことが不可欠だと痛感したんです」と、奥本の生きざまから感じたことを語っている。

本作が描くのは、スマートな成功者の物語ではない。失敗し、傷つき、泥にまみれながらも、それらすべてを生きる糧へと変えていく1人の男の姿だ。
大東は「失敗できるのが人間で、無様で不細工なのが人間やから。人間の“いびつさ”みたいなものをもっと面白がれたらいいのになって思いますね」と、令和の時代に本作が届けるメッセージを語っている。
また、自身の人生を「金継ぎ」にたとえ、「傷や挫折、“もう元に戻しようがないやろ”みたいなものが、より良い新しい、まだ見ぬ美しさのきっかけになるんじゃないかな」と表現。最後に、「僕自身も“生き恥”をさらしてますけど、その“恥”が、全4話を見終わった後に“財産”に変わるような作品になっていると思います」と、視聴者へメッセージを送った。

そして、主題歌を担当するのは、全員が関西出身の新世代バンド・luv。ドラマのために書き下ろした「hora」は、“ハッタリ”をテーマに、失敗を恐れず前へ進む力を歌った楽曲となっている。
ボーカル・ギターのhinata miyakeは、奥本の生きざまから「すごく力をもらいました」と明かし、「不器用でも、根拠がなくても、『自分はまだいける』と思えること自体が強さなんだなと感じます」と“前向きなハッタリ”について語る。最後に、「luvの色味と人間味のあるドラマが混じり合って、とても新鮮な楽曲になっていると思うので、ドラマをご覧になりながら、『hora』も聞いていただけるとうれしいです!」とアピールした。

なお、地上波放送後にTVer、カンテレドーガで見逃し配信される。
第1話あらすじ(9月17日放送)

1997年、大阪の公園。薄汚れた格好の奥本拓夢(大東)は、出会ったばかりのホームレスたちに自身の波乱万丈な過去を語り始める。
時代はさかのぼり91年。かつてテレビ制作会社のADだった奥本は、女優に手を出して会社をクビになるも、フリーのADとして持ち前のノリと愛嬌(あいきょう)を武器に、テレビ業界の沼にどっぷりと浸かっていた。

そんなハッタリばかりの奥本を、付かず離れずの関係を続ける元恋人の春永洋子(相武)は、時にあきれて現実に引き戻しつつも、深い愛で見守っていた。
ある日奥本は、自分とは対照的に真摯に番組作りと向き合う局の若手AD・水野秀真(八村)と出会う。プロデューサーの遠藤の指示で、特番にゲスト出演する大御所俳優・小田島郁人の恩人を探すことになった水野。しかし、小田島が最も再会を願う元天才子役の少女・ユキだけがどうしても見つからず、水野は窮地に陥る。

その場に居合わせた奥本もこのトラブルに巻き込まれ、遠藤から理不尽な難題を突き付けられてしまう。番組のレギュラー獲得と自身の居場所を懸け、奥本と水野は泥臭くユキの行方を追うが、手がかりは少なく捜索は難航。
果たして、性格が正反対の2人は無事にユキを見つけ出し、むちゃ振りを切り抜けることができるのか。そして、この時はわが世の春を謳歌(おうか)し、絶好調だったはずの奥本がなぜ、すべてを失い路上で暮らすに至ったのか……。その数奇な運命の幕が上がる。

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