原因は自分にある。、グループ史上最大規模の全国ツアー「LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭」完走!2026/04/26 20:00

文学的・哲学的歌詞の世界観を武器とする、7人組ダンスヴォーカルグループ・原因は自分にある。(通称・ゲンジブ)が、全5都市を回るグループ史上最大規模の全国ツアー「LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭」を開催。全17公演で約37000人を動員し、4月25、26日の仙台サンプラザホール公演でツアーファイナルを迎えた。
彼ら特有の虚像と実像が交ざり合う世界観により、より生々しくエモーショナルなステージを展開し、全公演がソールドアウトとなった今ツアー。初日となった3月17日の埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールでは、初のアリーナツアー開催を発表し、観測者(ファンの呼称)を熱狂させた。そんな同日の昼夜2公演のリポートをおくる。
文学をコンセプトとし、近代日本文学の名著からインスパイアされた新曲4曲に四季を当てはめて、3月11日にリリースされた最新EP「文藝解体新書」。この最新作を引っ提げて行われた今回のツアーは、四季を巡るライブメニューであり、全編で生バンドの生演奏と共にパフォーマンスするという挑戦を果たすものとなった。

開演時刻になると、観測者でひしめき合う場内に時計の音が鳴り、レーザー光線で長方形の箱と人型が描き出された紗幕が落ちると、幻想的な白いスーツに身を包んで7人が登場。小泉光咲を皮切りに「藍色閃光」を静かに歌いつないでいく後ろには、ギター、ベース、キーボード、ドラムの4ピースバンドを従えており、幕開けから観測者をあっと驚かせていく。
生の息吹を感じさせるバンドの厚みある音色は、7人の出会いと歩みを描き、未来への決意と観測者への思いをつづる「藍色閃光」とも相性抜群で、クライマックスから一気に躍動する展開も実にエモーショナル。光をつかもうとするかのように手を掲げるメンバーの姿も凛々しく、彼らの“リアル”を生バンドとの相乗効果で熱く届けて、このツアーに対する彼らの意気込みを表していく。

「原因は自分にある。です! 今日は最高の1日にしましょう!」という吉澤要人の号令からは、彼が主演した「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」(読売テレビ)オープニング主題歌の「NOW」に、桜木雅哉が出演した「修学旅行で仲良くないグループに入りました」(ABCテレビ)オープニング曲「トレモロ」と、ドラマタイアップ曲を続けて初披露。カメラで撮影するような動きも交え、曲中で吉澤が「こっち向いて」と告げて観測者を悩殺する前者に、歌い出しやサビを担当する桜木を中心に青春の瑞々しさが弾ける後者と、出演メンバーをフィーチャーしつつ、胸キュンな物語とシンクロするフレッシュなパフォーマンスを繰り広げていく。

その後のMCでは、吉澤が「親友の『同棲して』に『うん』て言うまで」の劇中でもカメラが重要なアイテムとなっていることを明かし、2日後に20歳の誕生日を迎える桜木は心境を聞かれて「何もないよ、このライブしか考えてなかった!」と男前な回答をする一幕もあった。
ここからは四季をたどるパートへと突入し、ランニングベースを中心とするジャジーなバンド演奏に乗って、まずは「Foxy Grape」を披露。オリジナル音源とはまったく異なる生バンドアレンジで、紫のライトを浴びて艶めかしくパフォーマンスする彼らの姿が、後方モニターにモノクロで映し出される視覚効果も味わい深い。

しっとりとしたムードを存分に振りまき、突然、駆け出す人型がモニターに現れて始まったのは「文藝解体新書」の収録曲で、太宰治の「走れメロス」を題材にした「疾走」。場内を飛び交うレーザー光線の中、タイトル通りの疾走感あふれるアグレッシヴなバンド演奏と、目まぐるしい動きで繰り出されるシンクロダンスに、今ツアーが初披露にもかかわらず、客席からは「ハイ! ハイ!」という声とペンライトが振り上がる。灼熱のエネルギーを感じさせるこの曲の四季はもちろん夏であり、「Foxy Grape」のモチーフになっているブドウは夏の果物。夏から始まった四季巡りは、そして、すぐに次の季節へと移り変わっていった。


ダイナミックで壮大なバンド演奏をBGMに、モニターに映る夏の青い海や空が赤く色づき始め、最後に一面の紅葉で映像が終わると、秋を思わせる茶系のジャケット&パンツに着替えた7人がステージへ。それぞれに椅子やステッキを巧みに操りながら、夏目漱石の「こころ」からインスパイアされたEP収録曲「愛無常」を届けていく。


手元で椅子を回転させたり、一列に並んで腰かけたりといったチェアダンスも交え、ダンディーの域にも達する大人びたパフォーマンスが観測者を沸かせれば、昼は「夢に唄えば」、夜は「魔法をかけて」と、ブロードウェイを彷彿させるジャジーなナンバーにつなぐ流れも完璧。ゴージャスに心躍る空気感を醸し、さらに「みんな! 声出して盛り上がろうぜ!」(大倉空人)と、観測者とのコール&レスポンスが欠かせないダンスチューン「ギミギミラブ」で「炭酸水!」の掛け声を巻き起こして、笑顔の実をたわわに実らせた。

また、昼公演では6日前の3月11日に23歳の誕生日を迎えた小泉に、会場中の観測者から一斉に「おめでとう!」のコールが贈られる場面も。「ありがとうございます! イヤモニ越しでも聞こえました」と感謝した小泉は、「23ってことは……ニャンさん?」と聞く杢代和人に「にいさんの歳にします!」と答えていた。また、昨年末に行われたFCイベントの中で、初めて生バンドとライブしたゲンジブだが、今回のツアーでは最初から最後まで全編がバンドとの共演になることを、ここで長野凌大が宣言した。

続いて、川谷絵音の提供により昨年10月にリリースされた「パラノイドランデブー」に、「貴方に溺れて、僕は潤んで。」を緩急豊かにパフォーマンスしていく。両曲ともギターを中心とするバンドサウンドが映える楽曲だけあって、熱くうなる生演奏をバックに、より熱のこもったボーカル&ダンスを披露。ステージ側面のLEDが無数のモニターを出現させて、幻想的な非現実空間を作りだしながら、武藤潤らが聞かせるゆがんだ歌声は生々しく、虚構と現実を交錯させていくのも彼らの得意技だ。

モニター上に投影された大自然が真っ白な雪景色になり、季節が極寒の冬へと移行してたたきつけられたのは、ゲンジブ楽曲の中でも最強に愛憎が渦巻く「Mania」。この楽曲が主題歌に起用されたドラマ「シークレット同盟」(読売テレビ)に出演していた長野がテクニカルなダンスで狂気を吐き出す回りで、吉澤らが嘲笑するような表情を浮かべるのもゾッとするほど恐ろしく、ここまで曲を“演じる”ということができるのも、メンバー全員が俳優としても活躍している彼らだからこそだろう。
そんな重たく、粘つくような負の感情も、アッパーなサウンドに乗った軽快なタットダンスと舌打ちが特徴的な「因果応報アンチノミー」になだれ込めば、ゲンジブらしいシニカルなオーラをまとわせつつ、“自分次第”のワードでポジティブへと転換。小泉が伸びやかな歌声を聴かせる一方、杢代は「おかえり」という曲中ゼリフを昼公演では「観測者、大好きだよ」と歌い替え、夜公演では「大宮、まだまだいけんだろ」と手招きして歓声を呼ぶ。
さらに、終盤で桜木が「みんないくよ! 因果応報~?」と呼びかけると、締めくくりの歌唱を担当する彼の代わりに観測者は「JUDGE!」と大合唱。リアルにフェイク、ポジティブにネガティブと、相反する要素を融合させながらオーディエンスと熱い一体感を生み出していく彼らの手法は、実に中毒性が高い。

ここで、ようやく冬をテーマにしたEP新曲「Silence」が登場。遠藤周作の「沈黙」を元に、m-floの☆Taku Takahashiが提供したナンバーでは、ピンクにブルー、白とノイズになった色が流れるモニターを背に、m-flo流のラップを大倉と吉澤が聴かせて、スタイリッシュなムードで魅せていく。最後に杢代がセンターで拳を掲げると、テクノハウスRemixされた「スノウダンス」が贈られ、7人は静謐(せいひつ)を体現するようなスローな動きと体温を感じさせないボーカルで観測者をくぎ付けに。
張り詰めた緊張感の中、パフォーマンスは徐々に感情をにじませ、アウトロで一気にバンドインしてからは極彩色に染まったモニターをバックに躍動。カラフルなレーザーが飛び交い、ギターはうなって、ラストの「季節は廻る何度でも」というリリックが、四季を巡っていくライブ構成にピタリとハマッて、場内に拍手の嵐を呼んだ。


そして、バンド陣がヴィヴァルディの「四季」より「春」を演奏し始めると、モニターに映る冬景色は色とりどりに咲き誇る花へと変化して、ついには満開の桜に。それぞれイメージカラーの花をあしらった黒ジャケットを羽織った7人がステージに現れ、ここで投下したのはEPのリード曲で春モチーフの新曲「ニヒリズムプリズム」だ。梶井基次郎の「蒼穹」をインスパイア元に、ゲンジブの代表曲の数々を手掛けてきた久下真音が手がけた本作は、哲学的かつ抽象的なリリックにせよピアノロックなサウンドにせよゲンジブ色が全開だ。

歌詞冒頭にある“虚無”の2文字がLEDに無数に浮かんで埋めつくす光景でも、これぞゲンジブな哲学的世界観を思う存分見せつけていく。サビでは笑顔と真顔を自由に行き来する7人の表情がモニターに大映しにされて、客席からは大歓声が。モニターに青空が広がったタイミングで、桜木が「急に、晴れたね」と曲中ゼリフを告げる流れもドラマティックで、夏、秋、冬、そして春と季節を一巡する物語を晴れやかに彩った。


昼公演では極太のベースが轟いて赤いライトの中で7人が怪しくうごめく「ビネットネット」、夜公演ではゲンジブ流のピアノロックを歪かつ不穏なベクトルに振り切った「柘榴」を挟み、春ブロックのフィナーレを飾ったのは「桜GROUND」。桜色の照明と舞い散る桜の花びらを浴び、穏やかなテンポで奏でられるピアノをたどって順にマイクを取りながら、すれ違いながらも互いを求め合う“僕ら”の思いを、7人は「君に会いにいく」と懸命に歌い上げていく。

その真摯(しんし)な決意に満ちたボーカルを、力強くも温かいバンド演奏が包み込み、モニターに大きな桜の木が映し出されると場内には桜の香りが! 最後に、伸びやかな武藤のロングトーンが観測者の胸を切なく締めつけ、昼公演では「まだまだこれから永遠に、いや、無限に広がるこの景色を一緒に見たいと思ってます。観測者、これからもよろしく。愛してるよ」と大倉が、夜公演では「観測者のみんな、今日もすてきな笑顔をありがとう。みんながいてくれるから、俺らは必ずまた、みんなのところに会いに行きます。だから、待ってて」と吉澤が告げる。彼らが求める“君”は、やはり観測者以外にいないのだ。


曲終わりで7人がステージの下段に集うと、時計の針の音と共にカウントダウンが表示され、シームレスで「無限シニシズム」へ。モニターに映し出されるあざ笑うような、何かを見据えるようなメンバーの表情に観測者から悲鳴が上がり、刺すような視線とかみつくようなボーカルから「ここで終われない」「それは巻き戻し」と続いて、不穏な空気をまき散らしていく。

最後は吉澤と大倉が猛烈な勢いでラップを掛け合い、曲が終わってカウントダウンが0になった瞬間、箱庭をかたどっていたレーザーは収束して1本の線に。そして、パルス音と共にレーザー光線が1本客席へと照射され、ブツリと音が途切れるや否や終演のアナウンスが入るという想定外すぎるエンディングに、客席からは大きなどよめきが漏れた。季節は巡り、ここで終わらず、また巻き戻っていく――。このツアーが表現していたのは、まさに“輪廻(りんね)”そのものである。すなわち、ツアータイトルの「輪廻の箱庭」とは、われわれが生きている人の世そのもののことなのだ。

「ここで終われない」を有言実行すべく、2部の終演後には夏のアリーナツアー「仮ノ現」の開催が映像で告知され、観測者たちは大興奮。6月27・28日に兵庫・神戸ワールド記念ホール、7月4・5日に東京・有明アリーナで6公演が行われる本ツアーは、彼らにとって初のアリーナツアーとなる。ちなみに“仮ノ現(かりのうつつ)”とは、この世のはかなさや無常を表す仏教用語のこと。輪廻を繰り返し、幾度となく変化と再生を果たしてきた原因は自分にある。だから知る“仮初”の美しさを、広大なステージで目撃できる日が楽しみだ。
「LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭」セットリスト
(3月17日・18日公演)
無限シニシズム
藍色閃光
NOW
トレモロ
Foxy Grape(Remix ver.)
疾走
愛無常
夢に唄えば(1部公演)/魔法をかけて(2部公演)
ギミギミラブ
パラノイドランデブー
貴方に溺れて、僕は潤んで。
Mania
因果応報アンチノミー
Silence
スノウダンス(テクノハウスRemix)
ニヒリズムプリズム
ビネットネット(1部公演)/柘榴(2部公演)
桜GROUND
文/清水素子 写真/Hanna Takahashi
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