沢村玲×別府由来「ハッピー・オブ・ジ・エンド」撮影現場レポートが到着!2024/09/12
フジテレビでは、9月16日にドラマ「ハッピー・オブ・ジ・エンド」(月曜深夜2:55。関東ローカル)の第5・6話を放送。それに先駆け、撮影現場のレポートが到着した。
沢村玲(ONE N’ ONLY)×別府由来がW主演を務める本作。原作を手掛けるのは圧倒的画力と多彩なストーリー展開で熱狂的なファンを獲得しているおげれつたなか氏。「このBLがやばい! 2017年度版」で第2位を獲得した大ヒット作「ヤリチン☆ビッチ部」をはじめ、「はだける怪物」シリーズなど数々の作品がメディアミックスを果たす中、本作が初の実写化となる。
同名コミックは「BLアワード2022」でディープ部門1位を獲得し、累計発行部数は31万部を突破するなど今なお支持を増やし続けている人気作。社会の片隅で生きるミステリアスな美青年・ケイト/浩然(ハオレン)に扮(ふん)する沢村と、ゲイを理由に家族から見放され全てを失った人生どん底の千紘役の別府という愛に植えた2人が、最悪な環境の中、出会い、生への渇望と愛を見いだしていく究極のセンセーショナル・ラブストーリーだ。
6月末の梅雨晴れの日、30度を超える暑さの中で撮影されたのは、第6話と最終話(第8話)に登場する中華料理店でのワンシーン。浩然と千紘の関係が変化するきっかけになる重要な場面でもある。機材が搬入された中華料理店に、千紘役の別府と加治役の久保田悠来、マツキ役の山中聡が入ると早速シーンの段取り(リハーサル)が始まった。
まず初めに撮影されたのは、千紘と加治が店内奥のテーブルで近況を話しているところにマツキがやって来るシーン。演技のほか、カメラの位置や照明の明るさ、音響などを入念にチェックしていく。別府と久保田のすぐ隣で演技を見守っているのが、古厩智之監督。「ホームレス中学生」「武士道シックスティーン」など数多くの青春映画の傑作を手掛け、演出にも定評のある監督だ。
段取りが終わり、ヘアメークが2人の髪型や服装を直している間、円卓には麻婆豆腐やピータンなど、ラップのかかった料理が次々と運ばれてきた。豆苗炒めが出てくると、別府がすかさず「あ、うまいやつだ!」と顔をほころばせる。久保田が「好きなの?」と聞くと「はい、豆苗好きです!」と別府。さらにテーブルに置かれたビール瓶を見て、「これ、ガチ(本物の)ビールっすか?」「ノンアルです(笑)」とスタッフとやりとりするひと幕もあり、別府の明るく人懐こい人柄が現場の空気を柔らかくしていた。
本番前のテストでは、店の外で待機していた山中も加わる。マツキは浩然と千紘を何かと助けてくれる親切な大人だが、仕事や私生活は謎に包まれており、常に明るく捉えどころのないキャラクターでもある。演じるにあたり、山中は古厩監督から“寂しさ”を出してほしいと言われたという。SMクラブで働く浩然を親身に心配する一方で、人知れぬ“寂しさ”も持っている。山中は、「この人物の奥行きを出すには、派手に演じた方がいい」と考え、マツキの持つ二面性を大切に演じたとのこと。「(演技の)正解は分からない」と言いつつ、本番中にアドリブを加えるなど、役を憑依させた鮮烈な演技で現場を魅了していた。
本番の撮影では、シーンが終わった後も長めにカメラを回し続けていたのが印象的で、役者の自然体な演技を引き出すのが得意な古厩監督らしさが。その後、カメラの位置を変えて何パターンか撮影し、1つ目のシーンが終了。ここでクランクアップを迎えた山中に花束が贈られ、スタッフ、キャストへ向けて「とても楽しく勉強させていただいた現場でした。ありがとうございました。完成をとても楽しみにしています!」とあいさつし、拍手を受けた。
その後、沢村が現場入りし、第6話のシーンを撮影。浩然、千紘、加治の3人が集まって中華料理を食べる中、浩然が唐突にある発言をして場を驚かせる場面だ。時系列としては先程のシーンよりも前になるため、別府は髪を下ろし、久保田はひげをそった姿で登場。リハーサルでは、沢村にヤーチャオ(アヒルの足)を「ガツガツではなく、大切に食べる感じで」や、最後の久保田のセリフを「もっと元気よく」などと詳細な指示が入った。
本シーンの撮影後、主演の2人に撮影現場の様子や役との向き合い方などについても聞いた。沢村はドラマ初主演にして、幼少期に母親に捨てられ壮絶な人生を送ってきた難役に挑戦。役作りでは、「浩然は無表情に見えて、心の中は複雑に動いているキャラクターです。単純に笑ったり泣いたりするのではなく、その感情の裏にある怒りや悲しみなどの複雑な想いも表現しなければならない」と苦悩も多かった様子。
撮影以外の時間も常に浩然が何を考えているのか探っていたというが、「大変な分、やりがいを感じて楽しいです」と充実感をにじませ、「浩然の人間としての魅力を多くの人に楽しんでいただけるよう、役を全うすることに全力を注ぎたいと思います!」と意気込む。別府とは常に相談しながら撮影に臨んでいるとのことで、「どうしたら作品の世界観をうまく表現できるか話し合っていて、お互いに高め合える存在だと思います」と印象を語った。
一方の別府は、古厩監督から「感情的な演技は1テイク目が一番良い」と言われ、テストでは実力の2割の演技をするようにアドバイスを受けたことを告白。「同じシーンでも2テイク目、3テイク目になると(クオリティーが)落ちていたようなんです」と自身を分析し、「今後はテイクの回数を重ねても同等かそれ以上の熱量で演技ができるようにするのが課題です」と前を見据えた。
さらに、別府は浩然にトラウマを植え付けた犯罪者・マヤを演じた浅利陽介とのシーンが印象に残ったようで、「久保田さんもそうですけど、先輩たちの存在が若手である僕の演技を引き上げてもらっていると感じます」と。また、撮影初日での山中とのシーンにも言及し、「山中さんの強烈なお芝居を見てこんなに自由に演じていいんだと学び、緊張がほどけました」と笑顔を見せた。
「監督はセリフをどんどん変える」と別府の言う通り、台本のセリフを組み替えたり、演技のニュアンスを変えたりと、キャストと共に納得のいくまで撮影に挑む姿にプロフェッショナルを感じた古厩組の現場だった。キャストと制作陣のこだわりがつまったドラマ本編も見逃せない。
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