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草彅剛主演「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」に橋本愛、松本若菜、遠藤憲一が出演。放送日も決定2023/09/21

草彅剛主演「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」に橋本愛、松本若菜、遠藤憲一が出演。放送日も決定

 草彅剛が出演を務める、NHK総合・BS4Kのドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」(午後10:00)の放送日が12月16日、23日に決定。橋本愛、松本若菜、遠藤憲一の出演も発表された。

 「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」の原作は、丸山正樹氏による同名小説。口コミで静かな話題を集め、“読書の甲子園”といわれる全国高校ビブリオバトルでグランドチャンプ本となった。読者の熱い要望によりシリーズ化され、10年以上にもわたって根強い支持を得る作品群の中からドラマ化されるのは、人気に火をつけた1作目。仕事や家族を失い人生に迷う荒井尚人(草彅)が、自分の唯一の技能である手話を生かして手話通訳士になり、新たな人生のスタートを切る物語が、殺人事件をめぐるミステリーとともに繰り広げられる。 

 橋本が演じるのは、ろう者支援活動のNPO団体「フェロウシップ」の代表・手塚瑠美。法廷で手話通訳を行っていた尚人を見て、手話通訳士の専属契約を依頼する人物だ。そして、尚人が交際している女性にして、尚人の元同僚の警察職員で会計課に勤める安斉みゆき役を松本が務める。また、管内で発生した殺人事件を追う中、17年前の事件との関係に気が付く昔気質で一匹おおかみの刑事・何森稔役を遠藤が担う。

 橋本は「とても大事な役割を私に委ねていただいたことに、感謝しかありません。原作小説を読んだ時、これまでの無知を心から恥じると同時に、今知れてよかった、と思いました。けれどすべてを知った気になってはいけない、とも思っています。瑠美や荒井さんや、登場人物たち一人一人の歴史、人生を、多くの人に知ってほしいです。そして、私たちが今生きる社会を見つめ直すきっかけになれたらと思います」と作品へ参加した心境を語る。

 劇中に登場する20人近いろう者・難聴者のほぼすべての役を、実際にろう・難聴の俳優が演じる本作。「これまで、ろう者や中途失聴者、難聴者などの役を聴者が演じることが多く、当事者が演じる機会は極めて少なかったと聞きました。それによって、当事者の方々の実際の姿や現実とは乖離(かいり)した表現を作品に落とし込んでしまうことは、とても恐ろしいことです。当事者性を軽視することなく、ろう者の方々の尊厳を守りながら表現するにはどうしたらいいのか、ずっと考え続けていました。このドラマが、これからの時代に風穴を開ける存在になってほしいと願います」と訴える。

 出演にあたり、手話を学んだ橋本は「まず、手話指導をしてくださった江副悟史さん、米内山陽子さんに心から感謝しています。手話通訳士の皆さまにも、たくさんお力添えをいただきました。本当にありがとうございます。手話を覚えるのは最初こそ頭がパンクしそうになっていましたが、どんどん体になじんでいき、少しでも『本物』に近づきたい、いや『本物』でなければ意味がない、と突き詰めていく過程は、本当に楽しかったです。聴こえない人が聴こえることはできなくても、私(聴者)は手話を覚えることができる。そうすれば、目の前に流れる川を飛び越えるように、自分とは違う誰かとコミュニケーションを取ることができる。そのことを希望に、手話と向き合っていました」と手話を学びながら感じた思いを伝えている。

 松本は「ワンシーンごと、とても丁寧に撮影が進みました。いろいろな感情がたかぶるシーンも少なくなかったので、私が演じる“安斉みゆき”の覚悟や愛情も強く感じていただけるのではないかと思っています。ろう者の方々が多く出演されるにあたり、オーディションが行われたり、リハーサルも回数を重ねたとお聞きしました。皆さん笑顔がとてもすてきで、『お疲れさまです』などの簡単な手話でしたが、コミュニケーションをとらせていただきました。とにかく表情が豊かで、素晴らしい皆さんでした!」と撮影を振り返る。

 続けて「草彅さん演じる荒井尚人の心の奥深くに刻まれた傷の部分が露呈するところから物語は始まります。見ていくうちに、緊張感のあるサスペンス要素が深まり、謎が多く散りばめられていきます。また、家族との在り方も見どころとなっています。展開や人々とのつながりが心に残るような作品になって、皆さんに届くことを願っております」と見どころを話している。

 遠藤は「脚本と原作を読んで一気に興味が湧きました。ヒューマンドラマとサスペンスが見事にミックスされた作品です。以前から共演したかった草彅剛くんと共演できたのもうれしかったです。奥行きのある脚本、監督の緻密な演出で力強い作品になっていると思います」と作品の魅力をアピール。加えて「オーディションを勝ち抜いたろう者の方々の演技が素晴らしいです。待ち時間には楽しくやり取りして、いろんなことを教えてもらいました。私は刑事の役で手話をすることがないため事前に学びにいくことはありませんでしたが、現場でたくさん言葉を教えていただきました。豊かな表現力でお話しされる皆さんとのひと時が楽しく、現場に向かう毎日がとても楽しみでした」と報告している。

 そして、脚本を手掛けた高橋美幸氏は「執筆にあたり、まずは『ろう者』『中途失聴者』『コーダ』や関係者の方々を取材。年代によって違う『ろう教育』の関連資料を基に作成した歴史年表と照らし合わせながら、登場人物一人一人の生い立ちや履歴を書き込むところから始めました。それぞれの背景を知らなければ、その『言葉』を書くことはできないと思ったからです。『自分とは何者か?』普遍的なテーマにたどり着くために原作者が見つけた『ろう者』と『聴者』の狭間にいる『コーダ』の主人公。その視点で、事件や事件に関わってしまった人々の思いをひもとく中、見失っていた『自分』、すれ違っていた『家族』の絆が、あぶり絵の様に浮かび上がるドラマを目指しました」と執筆までの過程と、作品への思いを語る。

 音楽を担当した原摩利彦氏も「台本を一読して、頭で考えるのではなく、自然と自分の体から音楽が出てくるのを待った方がよいと思いました。尚人のことを考えたり、別のことに没頭したりしながら、この物語が自分の中にしみ込んでいくのを待ちました。ある日、ピアノの鍵盤に手を置いてみると、何かを思い出したように指先から旋律の断片が出てきました。これを頼りに音楽を構築しています。尚人の呼吸とともに存在しているような音楽が書けたと思っています」と手応えをうかがわせている。


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