News ニュース

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る2023/03/15

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 テレビ朝日系では3月25・26日に、2夜連続スペシャルドラマ「キッチン革命」(午後9:00)を放送。その放送を前に、本作のレビュートーク会が行われ、一足先に視聴した濱口優、八木亜希子、潮田玲子が、進行役を務めた武内絵美アナウンサーと共に作品の魅力を語り合った。

 「キッチン革命」は、戦前から戦後にかけて激動の時代に料理と台所、“食に関わる革命”を起こして日本を変えた2人の女性の姿を描く。

 25日放送の第1夜では、計量カップ、計量スプーンを生み出し、現代で言うレシピ=“料理カード”を作り上げた女性医師をモデルとした香美綾子を、葵わかなが演じる。“栄養バランスのよい、おいしい食事”を誰でも作れるよう、レシピという発想がなかった時代に、さまざまな困難に立ち向かいながら、綾子は未来を切り拓いていく。

 一方、26日放送の第2夜では、伊藤沙莉が扮(ふん)する、日本初の女性建築家をモデルとした浜崎マホが主人公。長い間暗くて寒い北側に追いやられ、使い勝手の悪い設備の中で女性たちが1日中働く場所であった“台所”の改革の裏側が明らかになる。戦後の日本住宅を一変させた“発明”ともいわれているダイニングキッチンができるまでの、マホの奮闘をエネルギッシュに描き出す。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 早速、作品の感想を聞かれた3人は、「面白かったです! 今は当たり前のようにレシピとかを使っていますけど、こういう料理カードって生まれるまでにこんな苦労があったんだと思いました。ダイニングキッチンも、『こんな物語があったんだ』という物づくりの楽しみ方みたいなものがあったので、男性から見ても楽しめます」(濱口)、「『キッチン革命』という名前がつくように、キッチンの有様を変えることが、家族の形も変えていくんだなということも感じられて。今こうやって私たちが一緒に家族団らんをする場が、こういう人たちの苦労の上で成り立ってるんだなということもすごく感じましたし、あとは2夜にわたって次から次へと出てくる方たちがすごく豪華で。なんてぜいたくに作られてるんだと思いました」(八木)、「今、私たちが当たり前に使っているものはこうやって作られたんだなと。あとは、この時代って男尊女卑をすごく感じる時代じゃないですか。台所仕事もどれだけ女性に負担になっていたか、男性の発言一つ一つにも『おぉ…』となったり、それだけ女性の活躍が難しく一歩を踏み出すのも本当に難しかったんだろうなって。でも、それを今のスタンダードまで持ってこられたところが、本当に素晴らしいなと感じました」(潮田)と、それぞれが作品を絶賛。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 潮田が発した“男尊女卑の時代”という言葉には、濱口も「ほんまによく変えましたよね。暴言を吐かれたり、(作中では)描かれていなくても(実際に)あったんじゃないですか?。時代的には、ほんまにそんな時代ですよね」と言うと、八木、潮田からも「いろいろあったでしょうね」「絶対言われてますね!」と早くも盛り上がりを見せる。

 劇中で印象に残ったセリフを聞かれると、濱口は林遣都演じる香美昇一のセリフを挙げ、「女性やから(より一層)頑張らなあかんっていうところで主人公が落ち込む時があるんですけど、そこで『男女関係なく、個人として頑張れ』みたいなセリフがあるんです。それは見ながら『そうやもんな』と思っていたことを言ってくれて、しかもそれを強く言うのではなく、めちゃめちゃ優しく言うんですよね」と、林の演技の素晴らしさにも触れた。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 八木は、第2夜の主人公・伊藤沙莉演じるマホのセリフについて、「戦後、どんどん女性が進出していって、より強くより伸び伸びと仕事されていたと思うんですよね。だからこそ、仕事をしている人なら男女関係なく、誰にでも響くセリフがあって。本当にメモしたいと思いました。周りの人たちも、そのセリフを言うようになっていく感じが、すごくいい影響を与えている雰囲気になってよかったです」と話すと、潮田も「私も大好きです!」と反応し意気投合。潮田は「あそこはものすごく印象的でしたし、コロナ禍でできないことがたくさん増えたと思うんです。でも、そこで“できることを探す”というのはみんなの共通テーマだったとと思うんですよね。すごく共感しましたし、濱口さんがおっしゃった、男尊女卑がひどくてつらかったっていうところで、それを理解する男性が助けてくれるセリフもすごく心に残っています」と胸を熱くした様子。

 さらに、潮田は「逆に目線を変えると、あれだけ女性を下に見るのが普通の時代で、あぁやって柔軟に『そうじゃないよ』って思える男性がいたのはすごくないですか?」と声を上げると、八木も「意外と男尊女卑って、男性がひどくて女性が頑張っていたみたいな感じがするけど、実は壁になる人は男性も女性もいると思う。理解する男性もいれば、『女性はこうじゃない。こうあるべき』みたいな壁になる保守的な女性もいるから、理解してくれる男性がもっと増えると柔軟になってくるのかなと思います」と伝える。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 ドラマでは、時代を変えた2人の女性を巡って、個性豊かな登場人物が出てくるが、共感した役や、お気に入りのキャラクターを聞かれると、「僕は、ラジオを一緒にやっていた坪倉くん(我が家・坪倉由幸)が料理人をやっていて、それがちゃんと料理人に見えたんですよ。本当に上手でびっくりしましたし、ちょっと悔しいくらい(笑)」と話すと、会場からは笑いが。さらに、「第2夜に出てくる(村木を演じる)寺島進さん、怖くなかったですか…?」と話を振ると、これには一同頷いた。

 八木は「葵わかなさんが成長していって、薬師丸ひろ子さん(演じる香美綾子)になるんだけど、どんどん葵さんが薬師丸さんに似てきているなと思えてきて。アメリカから帰ってきたマヤの“できる女”という雰囲気とはまた違った感じの、研究が大好きでひたむきな感じがすごく出ていて、それもすてきでしたね」と魅力を語る。加えて、若き綾子が昇一と切磋琢磨(せっさたくま)しながら研究に励むシーンにも触れると、濱口も「好きになっちゃうんだろうな」と共感した様子。

 その昇一が印象的と述べたのは潮田。八木が触れた研究でのシーンにも共感しながら「最後のシーンとかはちょっと泣いちゃいました。本当にすごく印象深くて、『『君の食事は世界一だ』みたいなことを言ってくれる人いる!?』みたいな(笑)。素晴らしい人だなと思いましたね。最高のパートナーです」と、昇一の人柄を大絶賛すると、濱口、八木も賛同した。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 「キッチン革命」が、男性社会の中で女性が活躍する礎となった時代の物語を描いているということで、八木は花の3人娘として“女性アナウンサーブーム”を築いてきた1人として、アナウンサーから女優業へ転身した当時の葛藤を、武内アナから聞かれると「本当に例にならないと思うんですけど…」と前置きをしながら、「綾子さんみたいに“ただ好きだから”とか、マホさんみたいに“これで変えるんだ!”というのとは違って、行き当たりばったりで意外と嫌がってた方だったんです(笑)」と意外な本音を吐露。「(局のアナウンサーを)辞めてすぐに映画のお話をいただいた時も悩みましたけど、その頃に80歳以上の方に聞いた『人生で一番後悔したこと』みたいなアンケートを見て、そこで一番多かったのが『やって失敗したことよりも、やらなくて後悔することの方がより後悔する』というので。そうしたら、いろいろ考えて『今までやったことがないことだったら、やってみて失敗したとしても『はい、これは終わり』みたいに思えるから、後悔はしないな』と思えたのはありました」と回顧した。

 さらに、「やらなければよかったこともたくさんあるんですけど、それは自分で納得しているから、やっぱりいざやるとなった時には、いろいろなことをいろりな人に聞いたりして、どうやるかを積み重ねたり準備したりすることはありましたね。ドラマの話に戻ると、綾子さんは、当時難病だった脚気に対して、ほかの先生が無理だという中でも『私がやります』と言って、人の命も関わるのに『なんとかしたい』と思う葛藤は、並々ならないだろうなって。どれだけの勇気と努力があったんだろうなと思いますね」と、綾子の不屈の姿勢に思いをはせた。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 バドミントン選手だった潮田も、現役時代には小椋久美子と共に“オグシオ”と呼ばれていた中で、引退後はキャスターにも転身したが、その葛藤については八木と同じだという。「『チャンスがあるならやってみよう』みたいな気持ちが一番強くて、『何かを変えたい』という感覚は全然なくて。アスリートって終わりが必ず来るので、セカンドキャリアを一度考えなきゃいけないタイミングはあって、その時に引退するか、第2の人生をどうするかみたいな迷いもあったんです。だけど、『競技者としてキャリアを終える後悔がなければ、(キャスターとして)ステップアップしていけるのかな』みたいな気持ちもあったので、まずは競技をしっかりと全うしたからこそ、次への一歩が割と踏み出しやすかったのはあったんですよね。セカンドキャリアでテレビの仕事をやると決めた時は、後悔なく気持ちが行けたのが一番よかったと思うんです」と納得して今の道を選んだことを明かす。

 さらに、「プレッシャーって皆さんあると思うんですけど、現役の時に日本代表として戦っていて、皆さんに応援してもらっていたから、国民の期待を背負っていたというか…(苦笑)。そんなふうに思わなくてよかったんですけど、そう思っていたから、『第2の人生はみんな期待していない』と、いい意味で思えるんです(笑)。失敗しても家族のために頑張ればいいやと思えるから、結構伸び伸びとできるというか。もちろんプレッシャーは毎回感じています!」と独自の見解を述べると、濱口と八木は「すごい!」「ここまでいくのか」と、アスリートのメンタルの強さに驚いていた。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 女性アナウンサーとして、女性アスリートとして、それぞれ活躍していた八木と潮田。「“女性”という目線への葛藤はあったのか?」と武内アナが聞くと、潮田は「当時はそんなに気付かなかったんですけど、今女性アスリートを客観的に見ることが増えて、給料の男女差とか、テニスの賞金も統一されたことによって流れは変わったなと感じます。例えば、男性にはあるけど女性にはないスポーツがまだまだあったりするところは、競技を離れて客観的にスポーツを見た時に、まだまだ男女差があるなと、どうしても感じますね」とコメント。

 八木は「私が入った頃って、アナウンサーの仕事内容としては女性も男性もニュース原稿を読むけど、番組での役割でいうと女性はアシスタント。報道でも、情報でも、バラエティーでも、男性のサポートという形が多かった。でも、今や女性が1人でキャスターをやられている番組も多いですよね」とアナウンサーの立場の変化に言及。これに対し、武内アナも「それまでの『男性がスポーツはやるものだ』みたいなところから、女性もスポーツを伝える立場として認められていますね」と自身の境遇を踏まえ、その変化を感じているようだ。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 ここで、潮田は「アナウンサーの方たちに思うことがあって…」と切り出すと、「実況で女性の実況ってまだまだ少ないですよね? なんでだろう?という素朴な疑問があって」と解説も担当する潮田ならではの質問が飛び出す。過去には事例があったという女性実況だが、声質の高さや実況に対する先入観、さらに「私ならできる」という意欲的な人物の少なさがその背景にあるようだが、元アナウンサーの八木は「40代、50代になっても女性が働くのが当たり前に増えてきたから、実況もこれから変わっていく可能性もあるのかな」と期待を募らせ、「それこそ武内さんが切り開いていってほしい」「やってほしい」と八木、潮田が武内アナに伝えると、武内アナも「モチベーションをいただきました。今は若い女性が時代を作って切り開いているけど、私でも頑張れるんですね。勇気をいただきました!」と感銘を受けていた。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 ドラマでは、林が演じる昇一や、成田凌が扮する本郷義彦のような、女性を支える男性の姿も見どころとなっているが、男性たちのサポートに関して、濱口は「強く言わない、優しく言うことでみんなに響いてるんだなというイメージでしたね。『こうするべきだ』みたいな説教を上からするのではなくて、『僕にはこう映ってるよ』みたいな言い方が女性の主人公にも響いていたから、優しい男性の方がいいんだなと、ドラマを見ながら思いました」と見解を示した。

 家庭でも自らサポートする場面について、「(妻・南明奈から)『働きたい』と言われた時も、悩むことは一切なかったです。やりたいことをやってほしいというか、『仕事もしたい』と言っていたので『じゃあ僕の仕事もセーブしつつ、2人でやっていこう』という感じでした。(妻が)生放送に行ってる間は、僕が子どもを見ているという状態もあります。働いてくれてた方がキラキラするじゃないですか。メークをして、人と会っておしゃべりすることによって、帰ってきた時に、むちゃくちゃ生き生きして帰ってきはるんで、『周りの人と触れ合って仕事することが元気になるんだ』というのは、家で待っていた時に思います」とうれしそうにエピソードを披露。

 しかし、“キッチン”ではサポートできないところもあるそう。「どうしても料理の手伝いとかは任せてもらえないんですよ。どうしても無人島のイメージがあるらしくて(笑)」と言って笑いを誘う。ただ、料理をすることについては、夫婦で話し合って住む家を決めたようで、「僕も部屋を選ぶ時に、奥さんの意見で、『リビングから見えないキッチンは嫌だ。顔を見てしゃべりながら料理を作りたい』と言っていて。それは分かるなと思って、それが(今の部屋を決めた)一番の理由でした」と夫婦の共通するこだわりを明かした。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 八木が、第1夜で綾子が計量カップ、計量スプーンを生み出し、“料理カード”を作り上げたことに対し、「今は男性も料理をやるのが当たり前になってきていますが、私の同世代の男性はまだまだやらない人も多くて。だんだん定年退職をしてから、『自分でお昼ぐらい作らないと』という人にとって、まず基本がどのくらいかなっていうのが分かるから、そういう人たちにとっても家庭の味の基礎を作れると思いますよね」とその存在意義に触れる。

 潮田は、夫が元アスリートであることから食事にも気を遣うことが多かった中で、「私はレシピができた過程が、予防医学からというところがすごく衝撃で。体って、食べたものでできているところの意識は高いと思うんですけど、それを家庭の皆さんの健康を守るためにお医者さまが考えたんだというのがすごくびっくりしました。料理人の方が、そのおいしさを伝えるために作ったものなのかなと思っていたんですけど、『家庭で作れるものが体を作って健康に』ということにすごくハッとさせられました」と驚きを口にした。

 さらに、潮田の夫にも変化があったそうで、「 洗い物とかはしてくれていたんですけど、作るというところでは全然キッチンに立たなかったんですね。でも引退をして一番最初に料理を作った時は、レシピ見ながら『“少々”が分からない!』ってすごく嘆いていて(笑)。でも最初は全然作れなかったのが、今でこそ普通にロールキャベツを作ったりしていて、おいしいんですよ。子どもたちも『ママのご飯もおいしいけど、ハンバーグはパパの方がおいしい』って言うんですよ! 『どのレシピ見たの!?』って聞いたら『レシピ見たら失敗しないし』って言うんです」とうれしい悲鳴もあったようで、レシピ通りに作れば間違いなくおいしいということの証明にもつながったとのこと。

共感の声が止まらない! 濱口優、八木亜希子、潮田玲子が「キッチン革命」レビュートーク会で作品の魅力を語る

 トーク会の最後には、あらためてドラマの見どころを聞かれると、「女性が活躍するドラマですけど、男性が支えてる部分ももちろんありますし、見ていて家族で優しくなれるドラマだと思います」(濱口)、「『キッチン革命』というだけあって、キッチンがおうちの中で家族の在り方の重要な部分を占めているんだなということが分かって。今でも独立キッチンもあれば、カウンターキッチン、アイランドキッチンとか、いろいろな形のキッチンがありますけど、自分のおうちのキッチンが自分の家族にとってどう居心地がいいのかを考える、いいきっかけになると思う。男性とか女性とかの話ではなくて、自分たちの家族にとってどういう役割分担がいいのかを考えるいいきっかけになると思うので、やっぱり家族で見ていただきたいなと思います」(八木)、「間違いなく見ることによって、背中を押してもらったり、勇気をもらえたり、『私も前向きに頑張ろう』みたいな気持ちになるドラマです。あとは、家族の形というか『自分の家族ってどうだろう?』みたいなことを考える、いいきっかけになるドラマなのかなと思うのでぜひ見てもらって、『旦那さんはどう?』みたいなトークをしたいですね」と、それぞれが作品の魅力をPRして、幕を閉じた。


この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.