浅田真央が「NumberTV」で“伝説のフリー”に懸けた思いを告白！　次回は羽生結弦が登場2025/05/10 12:00

　Lemino®で配信中のオリジナルドキュメンタリー番組「NumberTV」。元オリンピックフィギュアスケート日本代表の浅田真央が登場する第20話が独占無料配信中だ。

　「NumberTV」は、トップアスリートたちの輝かしい“現在”と、それに至るまでの“挫折”をアスリート本人が語るリアルドキュメント。全24回の配信で、さまざまなスポーツジャンルの一流アスリートをゲストに迎え、その物語を深く掘り下げる。

　第20話となる今回は、世界中から愛される天才フィギュアスケーターの浅田が、母との別れ、ジャンプが飛べなくなった“あの日”、そして“伝説のフリー”に懸けた思いを振り返る。

　3歳で母の影響でバレエを始めた浅田は、5歳の時に、足首を鍛えるために初めてスケートリンクへ。競技を始めると瞬く間に才能が開花し、天才少女として地元のスケート教室で注目を集める。姉の浅田舞と共にリンクに立ち、卓越したジャンプ技術と天真らんまんな表現力でコーチや観客を魅了。そこには、「愛されるスケーターになりなさい」という山田満知子コーチの教えもあった。

　2004年、ジュニアグランプリファイナルでジュニア女子史上初のトリプルアクセルを成功させ、見事優勝。その名を世界に知らしめる。翌05年にはシニアのグランプリシリーズに初参戦すると、ファイナルで初出場にして初優勝を飾り、未来の五輪金メダリスト候補として期待を寄せられることに。彼女の代名詞であるトリプルアクセルは、観客の心をつかみ、フィギュアファンだけでなく幅広い人々を魅了していく。

　まさに順風満帆だった浅田だが、ライバルであるキム・ヨナ選手も台頭する中、10年のバンクーバー五輪を目前に、かつてない試練の時を迎える。浅田の核となってきたはずの、ジャンプの不調。回転不足や着氷の乱れが目立ち、トリプルアクセルの成功率が大きく低下し、「挑戦すらできない」状態にも陥った。長年磨いてきた技術が思うように発揮できず、コーチとの修正作業もなかなか進まないまま、焦りと不安が彼女の精神を揺さぶる。それでも、「ジャンプのレベルの高さを証明したい」という強い思いが、浅田をトリプルアクセル挑戦へ突き動かした。キム・ヨナ選手にはおよばず悔しい一方、銀メダルという結果は「支えてくれた人たちへの恩返しになった」と語る。

　五輪後、苦しみながらもジャンプの修正に取り組んでいたさなか、最愛の母との別れが訪れる。母は浅田の最大の支えであり、その喪失は彼女の心に深い影を落とした。そんな苦しみの中でも、スケートへの愛を胸に、立ち上がる強さを失わなかった。

　数々の試練を乗り越えてきた浅田が「スケート人生の中で一番のどん底」と明かすのは、14年ソチ五輪のショートプログラムだ。転倒などのミスを重ね、厳しい結果に。「このままでは終わる……」と危機感を募らせる中で、「優しい言葉より怒られた方がうまくいく」という母がいた頃の記憶を、姉・舞との電話で思い出し、舞の言葉で何かが変わった。自分を信じて臨むことができた翌日のフリースケーティングでは、前日の不調をうち払うかのように圧巻の演技を披露。トリプルアクセルを成功させ、メダルには届かなかったものの、自己最高得点を打ち出した。観客の心を打ち、この時の演技は“伝説のフリー”として語り継がれている。

　17年に競技を引退した今も、浅田はアイスショーや、自身の名を冠した「MAORINK TACHIKAWA TACHIHI」のプロデュースを通じて、スケートの魅力を広く発信し、次世代の育成にも力を注いでいる。「マオリンク（MAORINK）でスケートを始めて、オリンピックで金メダルをとれるようなスケーターが誕生したら、スケート人生の最終地点」と笑顔で話す浅田は、指導者として若いスケーターに夢を与え、フィギュアスケート界に貢献し続けている。

　なお、5月22日配信の「NumberTV」第21話では、フィギュアスケート界を牽引してきた羽生結弦が出演する。