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「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由2026/06/02 22:45

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「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

 中島健人さんが“フェロモン店長”として主演を務める、北九州市・門司港にあるコンビニを舞台にした、NHK総合で放送中のドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(火曜午後10:00、全10回)。

 タイトルにもある通り、兄弟を中心に回るこの物語で、中島さんは一人二役で主人公の志波三彦(ミツ)と兄・二彦(ツギ)にチャレンジしている。

 物語が中盤に入るなか、気になる後半の見どころやこれまでの放送の裏側を、制作統括の山本敏彦さんと演出の木村隆文さんが激白。

 新たに発表となった出演者のキャスティング秘話も交え、興味深いエピソードがたくさん飛び出した。

中島健人が魅せる“二面性”──一人二役に感じた手応え

「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

山本 「主人公のミツ(三彦)が決まらないとほかのキャスティングも進まないということで、まず中島健人さんの起用が決まりました。その後、兄のツギ(二彦)役をどうしようと、最初は何人かの役者さんを候補に挙げました。そんな中、ケンティー(中島)の映画やコンサートを見て、“セクシー王子”の彼にもワイルドな部分があるなと思ったんです。また、ケンティーって、結構筋肉質で汗っかきな面もあって。そんな側面を見ていて、ミツとツギのどちらもいけるんじゃないかという話になっていったんです」

木村 「中島さんとは、演じ分けについて事前に話をしていました。そこで出た案は、ミツはトーンが少し高めで、ツギはオクターブ低くしてみる。話すスピードも、ミツはなめらかで流ちょう、ツギはちょっとぶっきらぼうでぼそぼそしゃべる。歩き方も、ミツはスススッと動くけどもツギは肩で風を切っていく……といった具合ですね。本当はミツのシーンから撮影した方がよかったのかもしれないですが、クランクイン当日はツギのシーンから始めることになって。でも、第一声を聞いた時に『これはツギだ』と思ったんです。しゃべり方だけではなく、ちょっとした所作や身のこなしなど、二役をしっかり消化してきてくれたんだなと感じました。ただ、それは単純な役作りではなく、中島健人さんという俳優さんが持つ両面なのだろうなと思うんです。撮影の合間の様子を見ていても、周りに気を配るミツっぽい一面がある反面、場を仕切ってみんなを引っ張る兄貴分的な部分も持っている。彼が持つその両面を、僕らがうまく引き上げていくことができれば、ミツとツギの二役も無理なくいけるんじゃないかなと、かなり早い段階で確信しました」

山本 「ただ、一人二役って、現場ではすごくカロリーが高いんですよね」

木村 「ミツとツギがやりとりする2人のシーン、ある程度のセリフ量があると本当に大変です。まず、ミツの扮(ふん)装でそのシーンを一気に撮影をし、ツギの扮装に変えます。それが40~50分かかるんですけど、準備ができたら同じシーンをツギとして撮る。ワンシーンを撮るのに通常の倍以上の時間がかかりますから」

山本 「ツギのヒゲは、ペタッと貼るタイプではなく、一本ずつ植毛しているんですよ。だから扮装チェンジに時間がかかるんです」

木村 「4Kでの撮影なので、貼っている部分も見えてしまうんです」

山本 「ちなみに、ツギは食事をするシーンが多いので……」

木村 「ヒゲも一緒に口に入っちゃうんですよね(笑)」

山本 「それが撮影中に気を付けなければならない点でもありましたね」

コンビニ外観や店内、ツギの衣装までとあらゆる箇所に詰まった制作陣の創意工夫

「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

木村 「現場での皆さんは、本当に作品のまま。キャストの中には柄本明さん、萬田久子さん、舘ひろしさんといったベテランの方々もいらっしゃって、若い役者さんたちも本当は緊張していたのかもしれませんが、すごく和やかでした」

山本 「そんな中、光石研さんがブルブル震えていらっしゃったことが印象的でした。光石さんは舘ひろしさんが所属していたクールスの大ファンなんです。45年以上俳優をやられてきて、舘さんとは一度も共演経験がなかったそうで、クールスのレコードを持ってきて『サインしてほしい』とおっしゃって。そんな姿を見て、ケンティーが『ここまで同性を魅了する存在ってすごいですね』と言っていました。そんな3人(舘・光石・中島)が仲良くなっていく様子を現場で目の当たりにして、さまざまな魅力を持った男性が集まった時に生まれる“強さ”を感じました」

木村 「総じて、リラックスしたとてもいい現場でした」

山本 「やっぱり、中心にいるケンティーが全員をポジティブにしてくれるんですよ。収録に時間がかかる場面ももちろんありますが、そんな時も『すごくいいシーンが撮れたよね。これだけ時間かけて撮ったら価値があるよね』と言ってくれることで、気持ちがどんどん軽くなるし、現場が楽しくなっていく。僕は、ケンティーって命懸けでアイドルをやっている人だと思うんですね。現場でも、彼のその姿勢が見える発言をよくしていて。例えば、『ファンの方と触れ合う握手会での数秒の間で、その人の一生分の思い出を作るつもりで頑張っている』とか。そんな話を聞いて、ケンティーを崇めている鈴木福くんは、「『“コンビニ兄弟”で第2のモテキャラを演じているフクティーとしては、(中島の姿勢を)学ばなきゃいけないですね!』と言ったりしていましたよ(笑)」

「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

木村 「撮影で苦労したことといえば、テンダネスの絵柄です。スケジュールの都合もあり、すべて門司港でロケをするわけにもいかないので、都内近郊でもロケハンをしたんです。2~3か月いろいろなところを歩いて探したんですが、ここだと思える場所がなくて……。だったら建ててしまおう! ということになり、僕らがよく時代劇の撮影で使っているワープステーション江戸の近現代エリアを使うことにしたんです」

山本 「門司港には、立派な洋館がいくつか残っているんです。ワープステーションにも、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(同局)の時に建てた、明治〜昭和初期の洋館がまだ残っているので、その一角を使いつつ合成も駆使しました」

木村 「VFXの力を借りて、遠くに関門橋が見える絵柄を作りました」

山本 「コンビニの店舗内はスタジオセットですが、美術部・演出部が本当に頑張っていました。棚に並んでいる商品はすべてオリジナルなので、かなりの分量の商品名からパッケージまで、全部考えなくてはいけないんです。基本的には原作の設定をベースにはしていますが、美術部やデザイナーのアイデアも光っていますね。例えば、ツギが着ているツナギには“なんでも野郎”というなんでも屋のロゴと一緒にヒヨコのイラストが入っていますが、これはデザイナーが考えてくれたもの。福岡には有名なヒヨコのお菓子がありますし、ツギが乗っているなんでも屋の軽トラにかわいいモチーフを貼ってもいいよねという発想があったそうです。制作スタッフみんなで考えたこだわりが随所にありますので、細かいところまで見ていただくと楽しめると思います」

木村 「ミツの目に星を入れて“キラキラカット”を作っていたりもします。ただこれは、見た目の楽しさや美しさだけを狙った演出ではないんです。要は、視聴者がミツの目の奥にキラキラしたものを見つけるという意味があって、中島さんご自身もその意味を理解した上で演じてくださっています。そういった演出も、ミツの内面を表現する一つの手法になったらいいなと思っています」

ミツとツギが豪華ゲストとともに織り成す“愛”と“絆”が最終回に向けて結実していく

「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

山本 「今作の根幹は、あれだけのイケメンが、門司港のコンビニで店長を務めているのはなぜなのか──といった謎です。最終回に向けてその謎に迫っていくのですが、まず、美幌(仲島有彩)とのエピソードで、なぜミツがコンビニでの仕事に興味を持ったかが語られます。また、高良健吾さんが演じる美幌の恋人・似瀬航起が絡んで、ちょっとスピリチュアルで重たい話にもなっていきます。その過程では、恋を全うするためにいろいろな出会いがあり、悲しい出来事もある。そこにつながる話が最後の最後で語られますので、楽しみにしていただきたいですね」

木村 「中学生のミツが、当時社長だったテンダネスの現会長・堀之内達重(舘ひろし)に出会うシーンがあるのですが、これなら中島健人が演じる“今”の志波三彦になるなと感じられる、すごくすてきなシーンになりました」

山本 「中学時代のミツを演じてくれたのは、ジュニアの宮岡大愛くん。ケンティーが、『この子は俺に似ている。絶対に面白い子だから』と推薦してくれたんです。『コンビニ兄弟』はゲストを中心に回っていくお話ですが、後半も、いろいろな方が登場してくださいます。中でも面白いのは、8話(6月16日放送)のコメディ回。ミツにとりつく幽霊・乾一子を演じるのは橋本マナミさんで、彼女を成仏させるための騒動の中で“志波五兄弟”の長男・一彦が登場します。演じているのは加藤シゲアキさん(NEWS)です。また、五兄弟の末っ子・樹恵琉(嵐莉菜)やツギの過去を知る神崎華(石川恋)が入り乱れていく中で、ミツの人間としての深みが見えてくるのも見どころです。作品を彩っていただいているキャストの皆さんが活発に動きながら、最後にはミツとツギの兄弟の愛情、そして友情、絆が感じられる物語になっていきます。ぜひ、最後まで楽しんでいただきたいです」

「コンビニ兄弟」制作陣が証言“中島健人劇場”の裏側にある、綿密に練られた演出や起用理由

【番組情報】
ドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」

NHK総合
火曜 午後10:00~10:45
※再放送はNHK総合 金曜 午前0:35〜1:20
※NHK ONEで同時・見逃し配信

取材・文/新井音羽

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