中国時代劇版「花男」「イケパラ」、イケメン皇子に囲まれる「宮廷女官 若曦(じゃくぎ)」の魅力2026/04/15 12:00

近年話題をさらった「陳情令」などが現れるはるか前、日本で中国時代劇といえば「三国志」というイメージの頃。タイムスリップ・ロマンス時代劇というジャンルで、主に女性の視聴者をロックオンしたのが「宮廷女官 若曦(じゃくぎ)」。日本における中国時代劇、中国ドラマのエポック・メーキング作だ。
正義感の強いヒロインと彼女を取り巻くイケメンたちのロマンスというのは、「花より男子」や「花ざかりの君たちへ~イケメン・パラダイス~」などがアジアで人気を博しリメークされていたが、本作はそれを時代劇で成立させ、後に韓国でもリメークされるほど(IUとイ・ジュンギ主演「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」)の話題作となった。その人気ゆえに、ヒロインと相手役が現代で再びロマンスを繰り返す続編「続・宮廷女官 若曦~輪廻の恋」も作られたほど。
その本作が4月22日水曜から、BS11でスタート!(毎週月曜~金曜午前10:00~11:00)その魅力を紹介していこう。
オタク&さっぱりした性格のヒロイン像が主演のリウ・シーシーとベストマッチ

そんな本作が視聴者を魅了したのは、やはりヒロイン・若曦のキャラクターの魅力、そして彼女がタイムスリップした先で出会った皇子たちと築いたさまざまな関係の面白さ。現代ではメガネをかけたオタク女子だったヒロインは、清朝にタイムスリップすると名家の娘・若曦に乗り移っていた。姉が皇帝の息子である第八皇子の側室ということもあり、若曦も後宮で働くことになるが、意識は現代女性のままなので、皇帝や皇子にも思ったことをはっきり言ってしまったり……。しかし、周りの女性たちとは違うちょっと変わったところや、賢くさっぱりした性格が、皇帝や皇子たちから気に入られるようになる。しかも彼女は歴史オタクだったため、自分がタイムスリップした時代に皇子たちの凄惨(せいさん)な跡継ぎ争いが起こることを知っており、胸を痛めたり、悲劇を回避できないかと奮闘したり。

若曦を演じたリウ・シーシーは北京舞踊学院出身ということもあり、きゃしゃで軽やかな身のこなしが魅力。動くたびに生き生きと輝き、若曦のキュートさをそのまま体現している。中国の女優によくいる完璧な美女というよりは、きれいだけれど親しみやすい顔立ち、ナチュラルで爽やかな雰囲気などが若曦のキャラクターにフィットし、女性視聴者からも好感度高く受け入れられた。
若曦を取り巻く6人の皇子たち、あなたのタイプはどの皇子?

このドラマの最大の見どころは、彼女と皇子たちの関係だ。
若曦が最初に恋に落ちる第八皇子は、男らしく包容力もあり、皇子たちからの信頼も厚いナイスガイ! 若曦にも情熱的な愛と優しさでストレートにアプローチしてくる。彼には正室がいて、若曦の姉も側室に迎えているのだが、本当に愛しているのは若曦だけ。若曦も第八皇子にひかれていくのだが……。
ここで現れるのが、第八皇子と対立する第四皇子。冷静で頭脳明晰、感情を表に出さないクールガイ。しかし心の中では次期皇帝となることに執着し、若曦のことも強く激しく思い続ける。普段は冷たく意地悪だけれど、時々さみしそう、そして自分にだけは甘い顔も見せる……。ツンデレで一匹狼な第四皇子、その強さではなく“孤独”にひかれる若曦。しかし対立する第八皇子と第四皇子に思われることで、若曦は後宮の争いに巻き込まれていく。こうした三角関係がありつつ、それだけではないのがこのドラマのいいところ。若曦は他の皇子たちとは、恋や愛ではない絆で結ばれていく。
例えば、さりげなく若曦を気遣ってくれるさっぱりした性格の第十三皇子とは意気投合し、友情を育んで酒も酌み交わす。義理人情にあつい第十四皇子は、若曦の無謀な行動をいさめ、口うるさいように見えるが、若曦を気にかけ心配してくれる。恋や後宮の争いに疲れ果てた若曦が逃げ込むのは、第十四皇子のところだ。このほか、若曦を好きになり仲良くなるも、他の妃を迎えるよう命じられるコミカルな弟キャラの第十皇子、リッチでミステリアスな第九皇子など、多彩なキャラの皇子たちがドラマを盛り上げる。
ラブロマンスで終わらない! 皇子たちの激しい勢力争い

またこのドラマがラブロマンスだけで終わらないのが、若曦も巻き込まれる皇子たちの跡目争いをシビアに描いていること。第八皇子と第四皇子は若曦をめぐってだけでなく、皇帝の跡継ぎの座をめぐっても熾烈(しれつ)な戦いをすることに。こちらは負ければ粛清(=死)されたり、後宮での地位を失って長期幽閉されたりする厳しさ。そのほかの皇子たちも、どちらにつくかでその後の人生が左右されてしまう。
史実では、若曦が仕えた皇帝・康熙帝(こうきてい)の跡目を巡り、9人の皇子がそれぞれの派閥に分かれて次期皇帝の座を争った「九子奪嫡(きゅうしだっちゃく)」(ドラマでは、9人すべてではなく、6人の皇子に絞って描かれている)。最終的には第四皇子と第八皇子の戦いとなったのだが……。本作では史実にかなり忠実に物語が再現されており、歴史を知る人も知らない人も、皇子たち、そして若曦の行く末を最後までハラハラしながら見守ることになるだろう。果たして物語はどのように着地するのか?
出演者たちは今も第一線で輝き続けている

「宮廷女官 若曦(じゃくぎ)」が中国・宮廷時代劇ブームのきっかけとなってから10年以上たつが、出演者たちは今もなお活躍を続けている。
主演の若曦を演じたリウ・シーシーと第四皇子役のニッキー・ウーは共演後、2015年に結婚(実は17歳違いの年の差婚)。ビッグスター同士の結婚は後に破綻し離婚となることも多いが、26年現在も夫婦関係は続いており、リウ・シーシーは23年に「一念関山 -Journey to Love-」で5年ぶりに時代劇に復活するなど、さらなる活躍を見せている。
第十四皇子役のケニー・リンは本作でブレーク後、「三国志~趙雲伝~」「楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~」など、主演やヒロインの相手役で順調にヒット作に出演。近年もファンタジー・アクション時代劇「与鳳行」がヒットを記録した。
第九皇子役のハン・ドンは、その後も「横店(中国時代劇の撮影所)の主」といわれるほど数多くの作品に出演。主演はもちろん、悪役も最高にハマるバイプレーヤーとして、近年も「玉骨遥(ぎょっこつよう)」「白月の誓い」などで中国時代劇ファンを魅了している。
あの人気スターの若き日の初々しい姿、時がたっても色あせないロマンスと陰謀の物語の面白さをぜひこの機会に確かめてみるのはいかが?
【あらすじ】
歴史好きの現代女性、張暁はある日交通事故に遭い、そのショックで300年昔の清朝にタイムスリップ。将軍の娘・若曦として生きていくことに。現代に戻ろうとする若曦だが、その過程で皇帝の息子である皇子たちと出会い、皇帝の跡継ぎを狙って対立する第八皇子と第四皇子に愛されるようになる。歴史上の2人のその後を知る若曦は、悲劇を避けようとするが……。
ロマンスの枠を超えた人間ドラマの深みこそが、本作が「伝説」と呼ばれる理由だ。過酷な運命に立ち向かうヒロインと、野望に燃える皇子たちが織り成す歴史の荒波。その葛藤は、見る者の心を激しく揺さぶる。
初見なら「推し」を選ぶ楽しさを、再視聴なら細部に宿る切なさを。時代も国境も越えて愛され続けるこの物語は、これからも新たな視聴者を虜(とりこ)にし続けるだろう。
【番組情報】
中国時代劇 宮廷女官 若曦(じゃくぎ)
BS11
4月22日スタート
月~金曜 午前10:00~11:00
※BS11公式動画サイトBS11+とTVerで見逃し配信
文/熊坂多恵
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