木戸大聖、SUPER BEAVER・渋谷龍太と作り上げたライブシーンを明かす「バニラな毎日」2025/03/06

NHK総合で放送中の夜ドラ「バニラな毎日」(午後10:45)。賀十つばささんの「バニラな毎日」「バニラなバカンス」を原作に、倉光泰子さんが脚本を担当。パティシエとしての修業を積み、大阪で夢だったこだわりの洋菓子店を開いた白井葵(蓮佛美沙子)だが、経営がうまくいかず、店を閉じることに…。そこにクセの強い料理研究家、佐渡谷真奈美(永作博美)が現れ、閉店した白井の店の厨房(ちゅうぼう)で、“たった一人のためのお菓子教室”を開く。
お菓子を作り、味わう時間が、孤独な心を優しく包み込んでいく物語。今回は来週の最終回に向けて、白井に好意を寄せるミュージシャン・秋山静を演じる木戸大聖さんのコメントを紹介する。
――白井さんと佐渡谷さんは静にとってどんな存在に変化していますか?
「“アーティストである自分”というよろいを着ていた静ですが、佐渡谷さんの真っすぐな言葉がどんどんまとっているものを剥がしてくれて、今は佐渡谷さんと白井さんには自分の正直なところを出していいんだと分かっていると思います。白井さんに関しては恋愛的な“好き”もありつつ、彼女との会話を通して自分と似ている部分があると分かり、救えるのは自分だと強く思っているんじゃないでしょうか。自分も同じ境遇を味わってきたからこそ、彼女の気持ちを分かってあげられると感じていると思います」

――ライブでの歌唱シーンについてのご苦労などがあれば教えてください。
「歌うことは好きですが、自信があるわけではないので最初はすごく不安でした。ボイストレーニングの先生と音楽チームにたくさん教わって準備し、SUPER BEAVERさんのライブも見に行かせていただきました。そこで実際に渋谷龍太さんの言葉やパフォーマンスを見て、歌を『届ける』ことに重点を置かれていると感じたんです。僕はうまく歌うことに意識がいき過ぎていたけれど、自分は静として白井さんに、もっと言うなら視聴者の方々の中で同じような境遇にいる人に歌を届けなくてはいけないと気付きました。ライブ後、渋谷さんも『それがいいと思います。大事だと思います』とおっしゃってくれたので、レコーディングはパッションで臨みました。いろんなパターンを録音しましたが、監督や音楽チームのみんながいいと感じたのは、よりエモーショナルなテイクでした」

――これまで、劇中で印象的だったお菓子はありますか?
「やっぱり僕はオペラですね。最初に見た時、食べたことがあるケーキかもしれないと思ったのですが、口にしたら『あ、食べたことなかった!』と初めてのおいしさに驚きました。少し苦味があるあの感じが、静や第2週のエピソードにマッチしていると思います。甘いものはもともと好きですが、静は白井さんや佐渡谷さんと違って毎週ケーキを食べられるわけではないので、蓮佛さんと永作さんがすごくおいしかったと言っていたタルトタタンがとても気になっています!」
――最後に、この先の見どころを教えてください。
「第7週で白井さんを心配した静が家に行くところは、静のかわいさと優しさがすごく出ているシーンになっていると思います。ライブシーンは、撮影という感覚を忘れるくらい楽しかったです。自分の思いを届けたいという気持ちと、お客さん役で来てくれた何百人のエキストラの方のたくさんの熱気、そして白井さんに向けて歌うことで、『あ、この瞬間に歌って完成しているのかも』と感じました。ライブ会場で歌いながら、聞いている白井さんの顔も見て、込み上げてくるものがありました。言葉の掛け合いではない、歌としてのライブシーンならではの共鳴の仕方、『僕たち似た者同士だね』という時間の流れがそこに込められていると思います。クランクイン前はすごく不安があったのですが、僕をサポートしてくれた音楽チームやスタッフの皆さまの『良かったよ!』という言葉に、今できる全てを届けきれたんだと思いました。ぜひ楽しみにご覧ください!」

【番組情報】
夜ドラ「バニラな毎日」
NHK総合
毎週月曜~木曜 午後10:45~11:00
文/Kizuka(NHK担当)
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