「離婚後夜」ついに最終盤へ。久保田紗友が香帆との意外な共通点、今作への思い明かす2024/12/07

佐野晶哉(Aぇ! group)主演、久保田紗友、長谷川慎(THE RAMPAGE)が共演する、ドラマL「離婚後夜」(ABCテレビ・テレビ朝日)も残り2話。恋に不器用ながらも、真っすぐでいちずな主人公・伊織(佐野)、妻・香帆(久保田)を失って初めて彼女の大切さに気付く真也(長谷川)、離婚し新たな人生を歩む決意をしながらも伊織と真也の間で揺れ動く香帆を描く純愛ストーリーだ。
今回は、注目の最終盤を前に、ヒロイン・香帆を好演している久保田のコメントが到着。相手を優先するあまり自分を愛せない香帆の内に秘めた思いは、本作のラストピースともいえる重要ポイントとなる。そんな香帆の内なる変化を繊細に演じてきた久保田が、香帆との意外な共通点を語った。

物静かで本音をなかなか表に出さない香帆というキャラクターを、「地味で弱そうでいて、だけど内に秘めた信念は強くて…。最初に台本を読ませていただいた時は、こういうヒロインの在り方って珍しいなって思っていました。原作では香帆が主人公ですが、明るさや前向きな一面も、根拠のない自信もないんですよね。だけど…香帆がポジティブさを持ち合わせていないっていう部分から、物語が始まるというところが私にとっては斬新で、魅力的だなって感じました」と語った。
地味な見た目で物静かな香帆。しかし、真也との離婚、そして伊織との出会いなど、その心象の変化とともに服装やメークも徐々に変わっていく繊細な役どころだ。そんな変化を、「何よりも、衣装や眼鏡、メークの力もですし、監督お三方の演出の力があってこそだと思っています。実際にお芝居をしてみた時に、台本では感じ取れなかった心が動く瞬間も多くありました。私は台本に描かれている言葉の先に、何が待っているのかを考えて演じさせていただいただけ…キャストやスタッフの皆さん、いろんな力が合わさって作品に結実したとあらためて感じています」と、その裏側を述べる。

伊織と香帆、真也と香帆の言葉を発していない時間には、思わず息が詰まるような感覚も。そんな登場人物の心象を投影したような映像にも目が留まる本作。「今回は、ほぼ映画しか撮影されたことのない監督お三方が、初の連続ドラマを手掛けられていて、私にとっては撮影スタイルも印象的でした。相手の目を意識的に見ながらセリフを発したり、逆に引き画だけで撮影したり…。あえて行間をカットせずに長回しで時間ごとその空間を映像に収めるような感覚もあって、視聴者目線だと“相手がどういう反応をしているのか見たいけど見られない”というような焦らされる感じや、物語のイメージが掻き立てられる感覚がこの作品にはあるのかなって思っています」 と。
同時に、回を追うごとに香帆の内面がグラデーションのように変化していくさまを「すごく気弱そうで地味だった香帆が、実は自分の信念を曲げずに、心の中に秘めているものがある強さを徐々に引き出されていくといいますか…香帆は真也と出会ってからの10年の間、ずっと抑え続けていた感情が積み上げられていたと思うんです」と分析。劇中では、執筆を始めながらも、小説に自分自身を投影してしまう香帆が文章を一気に消す描写など、いまあらためてドラマを見返してみると、香帆の過去と決別する“思い”や内に秘めた“強さ”をリアルに感じるシーンも多い。

香帆の印象を「香帆の持っているアンバランス感や違和感みたいなものは、私自身が引きつけられる要素になっていたりもするんです。どんな人にも多面性があるので、役を演じる時に“パズルのピースにはなりたくない”っていう思いは常に持っています。キャラクターを一般的な概念で作り上げるのではなくて、リアリティーのある部分を追求して演じました」と語る彼女自身のターニングポイントには、香帆との共通点があるという。
その共通点を「子どもの頃はすごくシャイで、でも表現をすることに対してひそかに憧れを持っていたんです。学芸会で劇をした時は、本当は自分で演じたいけど、恥ずかしくて前に出られないタイプで…全員の立ち位置やセリフを覚えて、セリフを忘れた子にそっと教えるような子でしたね(笑)。小学生になって“表現をしたい”という夢を初めて母親に打ち明けたことを機に、芸事につながるようなダンスを習わせてもらったんです。あの母に打ち明けた瞬間が、今振り返ると私の原点だったと思います」 と、自身の過去に重ねた。
その後、高校入学を機に生まれ育った北海道から上京。「上京も大きなターニングポイントでした。高校ではこれまでとは全く違った環境になって、いろんな場所から東京に集まってきた人たちもいて。自分がこれまで抱えてきた悩みなんてたいしたことないんだなって思えたり、私と同じ境遇の人もいるんだなっていうことが知れたり。上京したことで強くなれたと思えた部分もありましたが、“私なんか…”って思っちゃう“香帆モード”は自分の中にはずっとあったんです。つい最近になって、ポジティブに考えられるようになったなって思えるようになりました」という一面も明かした。

香帆モードを脱したという今、俳優という仕事の印象については「大変な職業に就いてしまったな、と思う瞬間もたくさんありますが(笑)、私自身が突き詰めることができることってお芝居しかないと思っているんです。オーディション会場へ行くと、同世代の役者さんたちがいて、そのお芝居を見ていると刺激を受けますし、自分も演じたいっていう思いをすごくかき立てられるんです。そのたびに私はお芝居が好きなんだなって実感しますし、演じることが自分自身の経験として蓄積されていく面白さも感じられるようになりました。演じている瞬間って、つらいことや苦しいことを忘れられるんです。私にとって演じることは、人生の支えになっているんだなって今、すごく感じています」と、今では自身と切っても切り離せない存在となったと思いを示した。
そんな俳優と自身とのオン・オフの切り替えにはある大切な存在が…。「北海道へ帰省するというのも切り替えになるのですが、4年前にワンちゃん(名:おかか/メス)を保護してからは、彼女が至福の時間を与えてくれています。ワンちゃんって、察してくれる力がすごいんです。気持ちが落ち込んでいる時に帰宅すると、おかかがすっとそばに来てくれて励ましてくれて…。これは他の何ものにも代えられない癒やしの力だなって」と優しくほほ笑んだ。

最後は、ひかれる部分と、自身と重なり合う部分も感じながら演じた香帆を通して「私自身、想像していた以上に見え方が広がった作品だと感じています。ラストまでのストーリーはもちろんですが、映像の質感、間の取り方…。視聴者の皆さんがイメージする以上に深く考えていただけるような作品になっていたらうれしいです」と、思いを寄せた。
【番組情報】
ドラマL「離婚後夜」
テレビ朝日(関東)
土曜 深夜2:30~3:00
ABCテレビ(関西)
日曜 深夜0:10~0:40
※ABCテレビでの放送後、TVer・FODで見逃し配信あり
岩手朝日テレビ 木曜 深夜0:50~1:20
九州朝日放送 金曜 深夜1:25~1:55
鹿児島放送 土曜 深夜1:00~1:30
文/S・A 撮影/今城秀和 スタイリスト/小川未久 ヘアメーク/ナライユミ 衣装協力/iRENE、LE CIEL BLEU、IF8
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