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羽生結弦選手がファンに感謝を伝えるイベント「Continues ~with Wings~」を開催! リポート&囲み取材を全文掲載2018/04/17

KISS&CRY

 平昌冬季オリンピックで金メダルを獲得し、フィギュアスケート男子66年ぶりの2大会連続金メダルの栄冠に輝いた羽生結弦選手が、ファンに感謝の気持ちを込めた凱旋報告イベント「Continues ~with Wings~」を4月13日~15日の3日間にわたって開催しました。その初日の様子をリポートします!

 羽生選手のヒストリーVTRを経て、リンクに羽生選手が登場すると、この日を待ちわびたファンから大歓声が起きます。今回の出演者は、羽生選手が影響を受けた、“つながり”をもとにオファーしたスケーターたち。羽生選手が彼らをリンクに招き入れると、スペシャルなショーの幕が上がりました。

 美しいスピンに影響を受けたジョニー・ウィアーさん、ジャンプのアドバイスをくれた兄貴分・無良崇人さん、ソチ冬季オリンピックのショートプログラム『パリの散歩道』や平昌冬季オリンピックのショートプログラム『バラード第1番』などの振り付けをしたジェフリー・バトルさん、そして、羽生選手が幼い頃から憧れる特別な存在、エフゲニー・プルシェンコさん……と、一流スケーターたちが華麗な演技で会場を魅了。羽生選手自身も「プル様の、私の神様の『ニジンスキー』が見られて感無量でした」と笑顔で喜びを語りました。

 また、羽生選手の素の表情が満載のトークコーナーでは、子どもたちからの質問にも回答。5歳の女の子から「宝物は何ですか?」と聞かれると、「宝物は…プーさんのティッシュケースです」と少し照れくさそうに答えていました。

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 そして終盤にはサプライズも! 2010-11年シーズンのプログラム『ツィゴイネルワイゼン』の衣装をまとった羽生選手がリンクに登場すると、会場に割れんばかりの拍手とうれしい悲鳴が響きます。

「オリンピックのエキシビションのあとからずっと滑っていません。結果として、オリンピックの前よりも足首はいい状態になり、ステップやスピンに関しては全く問題なく、痛みを感じることなくやることができます」と現在の状態を報告し、ファンの前で滑ることを決意。自身のルーツともいえるノービス時代のプログラム『ロシアより愛をこめて』、シニア1年目のフリー『ツィゴイネルワイゼン』、そして3シーズン滑った『バラード第1番』をメドレーで披露しました。「まさかこのプログラム(バラード第1番)をこの衣装でやるとは思ってなかった(笑)。約束するけど、絶対にこの衣装でこれから先『バラード1番』をやることはないと思うので、目に焼き付けてください!」と笑いを誘いつつ、ブランクを感じさせない美しく情熱的なスケーティングで会場を感動の渦に巻き込みました。

 また、ショーの終演後には、羽生選手の囲み取材も。そのやりとりのすべてをご紹介します!

── 初めての羽生選手プロデュースのショーです。終わられて、今どのような気持ちですか?

羽生 「トーク主体のところもありますけど、本当に(出演した)一人一人のスケーターの方々がとても偉大で、自分のプロデュースさせていただいたショーに来ていただいたことがまずうれしいです。僕が思い入れのあるプログラムを滑ってくださったりもしているので、あらためて見どころがたくさんあるショーだなと。ショーの一員としても、見る側としても、すごく魅力のあるものだと思いました」

── ショーのタイトルは羽生選手が考えたとのことですが、意味を教えていただけますか?

羽生 「サブタイトルに、羽生の“羽”という文字から付けさせていただいた『with Wings』を付けたことによって、自分にどういうことが引き継がれているのか、そして、自分のスケートと今日出演してくださった皆さんの演技を見ていただくことによって『こういう気持ちや演技が羽生選手と共通しているんだな』と少しでも感じていただけるようなショーにしたくて、こういうタイトルにさせていただきました。『Continues』は、それに“継承されるもの”という特に強い意味を込めました」

── 真剣勝負だった平昌冬季オリンピックと、こうやって皆さんの前で滑るショーでは違う部分があると思うのですが、あらためてどんな気持ちでしょうか?

羽生 「(ファンの)皆さんに『おめでとう』という言葉をいっぱいかけていただきましたし、自分自身も感謝しながら滑ることができました。オリンピックの後は、ショーの内容を詰める毎日で…。実際にプロデュースする側に立ってみて、どれだけこのショーにいろんな物語を込められるかとか、感謝や凱旋報告という気持ちを込められるかをすごく考えた1カ月でしたので、そういった意味でも、自分が考え企画したショーとして完成できて良かったなと。自分が伝えたかったものが少しでも(観客に)伝わっていればいいなと思います」

── 今日、実際に滑るということは、どのように決められたのですか?

羽生 「平昌冬季オリンピックの前に滑った時は、ステップの動作の中で(負傷した部分が)痛いと思うパートが何カ所かありました。でも安静期間を経て氷上に立った時に、そのステップを確認した時に痛くなかった、そしてフライングスピンなども含めたスピンを始めてみて、すべてに痛みが感じられなかったので…。また、このショーの中で僕が幼い頃に滑っていた演技をすることによって、『この時にこういう選手に憧れていたんだな』とか『こういったものが受け継がれていたんだな』というのを見てもらいたいなという思いから、滑ろうと決めました」

── 滑ったプログラムの選曲の理由と、実際に滑ってみて成長したなと感じた部分、そして来季のプログラム選びにつながる部分がありましたら教えてください。

羽生 「自分がこれまで教わってきた先生たちへの感謝の気持ちを込めて、古いプログラムを披露させていただきましたが、あまりにも“今風”にしないように気をつけました。もちろんステップワークやクロスの仕方、表現方法は昔とは変わっていて、技術的に成長したといえるとは思いますが、あまりにそこを見せつけたくはないなと。だから古い映像を何回も見て、それに近づけるように努力しました。昔の自分をイメージしながら踊ることは、自分の表現の幅をさらに広げることだと、今回やらせていただいてあらためて感じたので、自分の表現したいものや世界観は、これからの自分にも大きな影響を与えてくれると思っています」

── ショーの中でもお話しされていましたが、現在の足の状態はいかがですか?

羽生 「平昌冬季オリンピック期間中を含めたら4週間弱安静にしていて、結果、オリンピック前よりも状態は良くなっています。ステップやスピンに関しては、痛みも含めて支障が出ないような状態になっているので、今、リハビリとして氷上でステップやスピン、体力トレーニングなどをしています」

── リハビリはいつ頃から始めましたか?

羽生 「3週間安静にした後なので…。計算してみてください、すみません(笑)」

──(笑)。そうすると、3月の終わりぐらいでしょうか?

羽生 「そうですね。3月の終わりあたりです」

── ご自身の中で、ジャンプに関してはいつから再開できそうだと考えていますか? 来季に向けての練習など、どのように考えているか教えてください。

羽生 「オリンピックが終わった後は、(自分の中から)“達成感”や“幸せ”という単語がより多く出ていて『(今後は)どうするか分からない』と言っていましたが、今は割と意欲的に試合に出たいなと思っています。大きく右足を使うループ、ルッツ、フリップなどのジャンプに関しては、今は跳ぶ動作すらしていません。完全にやらないと決めています」

── 右足をキックで使うジャンプはまだ跳べないということですが、サルコウやトウループ、ご自身が得意なアクセルはいかがでしょうか?

羽生 「着氷に関しては、スピンなどもやっていますし、今のところ問題は出ていないので少しずつ始めています。ただ、大きなジャンプはまだ跳べていないですし、本当に少しずつですけれどもリハビリの範囲として、ある程度着氷や4回転ジャンプに耐えられる筋力を付けなくてはいけないので、そういった意味で少しずつ練習をしています」

── 試合への出場はグランプリシリーズからと考えてよろしいでしょうか?

羽生 「今のところはそう思っています。ただ先ほども言ったように、ループ、フリップ、ルッツに関しては全くやっていない状態なので、それを跳んだ時にどういう感覚なのか、痛みが出るのかが分からないので、それも含めて再考しなくてはいけないのですが……。今の自分の気持ちとしては、なるべくたくさん試合に出て自分の演技をしていきたいなと思っています。それは、たぶん、今回プロデュースしたショーに出ていただいたスケーターの方々がすごく偉大だなと思ったし、だからこそ、未熟な自分はもっと頑張らなくてはいけないなと感じたからでもあります」

── ショーをプロデュースしてみて考えるところもあったかと思います。来季はどんなプログラムのイメージがありますか?

羽生 「次のプログラムは、まだ曲も何も決まっていないのですが、“試合に出る”と自分の中でしっかりと決めているので、なるべく早く始動しないといけないなと、今、思っています。ただ、試合をやるにあたってのモチベーションが、前はどうやって勝てるプログラムを作れるかを含めて考えていましたが、これからは、割と自分の気持ちに正直に、“自分がやりたいな”と思う曲や見せたいプログラムを考えながら選曲して、振り付けもしていきたいです」

── 最後に、応援してくれているファンにどんなことを伝えたいですか?

羽生 「やっぱり、僕が一番伝えられるものは“スケート”だと思っているんです。だから、少しでも早くケガから復帰して、元気に滑っている姿をこうやって皆さんに見ていただきホッとしてもらうことがまず一番かなと。来週の(仙台での)パレードでも、ケガというマイナスなイメージを少しでもプラスの方に持っていけるようにしたいです」

「ファンの方へ元気な姿を見せて、感謝の気持ちを伝えたい」と笑顔で語った羽生選手。来季への前向きな意欲に、さらなる期待が高まります!

「Continues ~with Wings~」 4月13日(金)公演①オープニング~羽生結弦ヒストリーVTR
②羽生結弦あいさつ
③All Skaters/「Heroes」
④ジョニー・ウィア―/「Ave Maria」
⑤無良崇人/「オペラ座の怪人」
⑥ジェフリー・バトル/「For Forever」
⑦日替わりトークコーナー
⑧佐野稔/「ブダペストの心」
 佐野稔さんテクニック講座wih羽生結弦
⑨川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ/「Manfred」
⑩シェイリン・ボーン/「BOMBOM」
⑪エフゲニー・プルシェンコ/「ニジンスキーに捧ぐ」
⑫子供たちからの質問タイム
⑬・平昌オリンピック演技解説(ショートプログラム編)
 ・Twitterからの質問コーナー
⑭メッセージVTR
⑮無良崇人/「美女と野獣」
⑯川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ/「バブリーダンス」
⑰ジェフリー・バトル/「Better To Be Loved」
⑱ジョニー・ウィア―/「Beyonce Gala」
⑲エフゲニー・プルシェンコ/「Tango Amore」
⑳羽生結弦/「ロシアより愛をこめて」「ツィゴイネルワイゼン」「バラード第1番」
㉑フィナーレ(All Skaters)/「Time to Say Goodbye」
㉒グランドフィナーレ(All Skaters)/「Creatures of the Night」
㉓羽生結弦あいさつ

【番組情報】

【Continues ~with Wings~ 羽生結弦 凱旋、そして感謝の公演」<3日間の模様を一挙放送>】

テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ 
5月10日(木)・11日(金)・13(日) 
午後6:30~9:00 
※放送日時変更の場合あり

「KISS&CRY」とは?

「KISS&CRY」シリーズは、日本のフィギュアスケーターのみなさんをフィーチャーし、その「戦う」姿、「演じる」姿を合計50ページ超のグラビアでお届けしています。つま先から指先・その表情まで、彼らの魅力を存分に伝えます。また、関連番組TVオンエアスケジュールも掲載。TVの前で、そして現地で応援するフィギュアスケートファン必携のビジュアルブックです。
Twitterアカウント:@TeamKISSandCry



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