塩野瑛久が語るMMORPG「スローン・アンド・リバティ」での魔法使い役とゲームへの思い2024/10/17
先日、Amazon Gamesを通して日本で配信を開始したばかりのMMORPG「スローン・アンド・リバティ」。本ゲームは広大な世界を舞台に、ギルドを中心とした白熱の戦いが繰り広げられ、十数人から数千人ものプレーヤー、そして多彩なモンスターたちとスリルあふれる戦闘に挑むという基本無料プレーのもの。
日本のほかにも、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドに配信され、サービス配信初週にはグローバルで300万を超える人が、2400万時間以上プレーを楽しんだという発表がありました。さらに、ゲームのライブストリーミングプラットフォームでおなじみのTwitchでも、「スローン・アンド・リバティ」ユーザーによる生配信の視聴時間が1100万時間を超えるなど、今世界のゲームファンの間では一番ホットなゲームの一つとして注目されています。
そんな「スローン・アンド・リバティ」ですが、日本版の声優キャストに、なんと大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合ほか)と「無能の鷹」(テレビ朝日系)に出演中の俳優・塩野瑛久さんのお名前が! 塩野さんはゲームの中心人物である青年の魔法使い・ルテイン役で登場されます。
今回、PC&コンソールゲームでの声優にチャレンジするのは初めてという塩野さんに、声を収録した際の裏話や役作りなどを伺いました!
――「ルテインの声を担当してほしい」とオファーがあった時、どんなお気持ちでしたか。
「声優の仕事にとても興味があったので、前のめりで『ぜひやらせてください!』と返事をさせていただきました。今までの声優経験は、僕が出演していた『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年/テレビ朝日系)のゲーム版『獣電戦隊キョウリュウジャー ゲームでガブリンチョ!!』で自らの役の声を担当したぐらいで。今回、完全新作ゲームに登場する若き魔法使いのルテインの声を演じるということで、キャラ設定が一切ないところから声を作り上げました」
――映像のない収録現場での役作りは大変だったと思いますが…。
「収録するにあたり『スローン・アンド・リバティ』の世界観と、ルテインのキャラクタービジュアルを見て、声をイメージしていくという作業から始めました。セリフを読んで自分なりにそのシーンを想像したり、監督と『こういった感じでやってみよう』と、すり合わせをしながら進めていきました。そして、各セリフを言う時間(尺)も決まっているのですが、自分のセリフを時間内に合わせる作業は少し難しかったです」
――日頃、役作りで心掛けていることはありますか。
「僕は、思ったことも経験したこともない感情を表現するとうそくさくなってしまうのではないかと思っているので、自分が元々持っている感情や経験したものを膨らませて近づけていくことを心掛けています。声優に関しては、まだまだ分からないことだらけですが、総じて演じることでというと、その物語を一つ一つのセリフで紡ぎ、(ゲームを)プレーされる方や視聴者に届けることが必要だと思うので、そこは大事にしていきたいです」
――ドラマや舞台での演技と、声優としての演技に違いはありましたか。
「ドラマや舞台は、セリフはもちろん、表情も全身で表現したりしますが、声優の方は、ご自身の声だけでキャラクターの感情を表現されるので、すごいなと思いました。例えば表現方法の一つとして『セリフをしっかり発声せずに言う』ということもあるそうですし、声色が明るくても実は心の内は傷ついているといった場面を表現しなければいけなかったりするので、声だけで表現する難しさもすごく感じました。収録の時、頭の中でイメージして、いざマイクの前に立ってセリフを言うのですが、役にフィットさせるまでは心に余裕がなくて…。そこは自分がまだまだ足りていないところですが、この仕事を通じてやりがいのある貴重な経験ができました」
――ルテインのセリフで印象に残っているところや「ここはぜひ注目を!」というところを教えてください。
「今回、2回にわたって全部で約366種類のセリフやフレーズを収録しました。収録の2回目に新しく追加されたセリフの中に『魔術師』や『魔術図式』など、すごくかんでしまいそうなセリフがふんだんにあって…。思わず『これ、試されているのかな』と感じてしまいました(笑)。とにかくすごく練習しましたし、印象深かったです。プレーしていただいた際には、ぜひそこに注目して聞いてほしいです」
――「スローン・オブ・リバティ」は、プレーする時にさまざまな武器(アイテム)が出てきます。塩野さんが一つ選ぶとしたらどの武器でしょうか?
「事前にゲームの世界観やキャラクター、武器を拝見しまして、僕は断然『大剣』です! いろんな属性のキャラクターがいる中で、昔から大剣使いが好きなんですよ。重い剣をブンブン振り回すキャラクターがすごく好きで、例えば『大乱闘スマッシュブラザーズ』だとアイクをずっと使っています。動きは遅いがあたると強烈という、豪快かつ爽快感溢れるキャラクターに魅力を感じます」
――塩野さん、プライベートでもゲームされるんですね!
「たまに無性にやりたくなる時があって、そういう時や何かに没頭したい時にやります。ハマる時はすごくハマりますし、しかもジャンルレス。いろんなゲームに挑戦したいタイプです。特に、ストーリーを楽しむものが好きなので、ストーリーモードだけをプレーすることも多いです。ストーリーを進めていくとキャラクターに感情移入して、自分がそのキャラクターになったように感じますし、それがゲームの魅力だと思うんです。アニメのようにいろんな視点で物語が紡がれていくのもすごく好きなんですけれども、ゲームだと自分の手で敵を倒していくので、プレー中は本当にそのキャラクターになったつもりでストーリーの厚い展開にのめり込める瞬間がありますね」
――塩野さんのゲーム体験が今の俳優の仕事につながっているような気がします。
「ゲームは昔から好きでした。ゲームをやっていて、そのストーリーを攻略してステージをクリアする体験をしていくと、感受性や物語を読み解く能力など、そういうものが育つ気がするんです。僕はそもそも『自分がプレーするキャラクターになりきる』のが好きで、物語の中で敵を倒して喜んだり、やられて嘆いたりして、作品に没入するのが昔から好きだったのかもしれません。『だから仕事にすごくやりがいを感じているのかな』と、今の質問を伺って、ハッとしました」
――今回は魔法使いの声を演じられたのですが、将来的に声優で挑戦したい役柄はありますか?
「僕は低い声の方が得意なので、ゆくゆくは渋いおじさんのキャラクターはやってみたいですね(笑)。欲を言うならば、大塚明夫さんや藤原啓治さんのようになりたいですね。お二人の声が大好きなので」
――渋いおじさん! 楽しみにしています。では最後に「スローン・アンド・リバティ」をプレーされる方にメッセージをお願いします。
「『スローン・アンド・リバティ』はドラマやアニメなどの作品と連動していない、完全新作のゲームで、僕にとっては声優単独初主演の作品でした。僕は魔法使いの青年・ルテインを演じましたが、『ルテインがプレーヤーの皆さんに愛されるキャラクターになりますように』と思いながら収録を頑張りました。このインタビューを読まれて少しでも『スローン・アンド・リバティをインストールしてみようかな』と思っていただけたらうれしいです」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
塩野瑛久(しおの あきひさ)
2012年にデビュー。13年に「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)に立風館ソウジ/キョウリュウグリーン役でレギュラーを務める。19年には舞台「里見八犬伝」、映画「HiGH&LOW THE WORST」などに出演し、ドラマ「Re:フォロワー」(テレビ朝日ほか)では主演を務めるなど、端正な顔立ちで、ミステリアスな空気感を放つ個性的俳優としてさまざまな役に挑戦し活躍の幅を広げている。現在、NHK大河ドラマ「光る君へ」では一条天皇役を好演し、「無能の鷹」(金曜午後11:15/テレビ朝日系)では主要キャストの1人、鶸田道人役を演じる。ほかにも「ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」(日曜午後9:00/WOWOW)や「天狗の台所 Season2」(10月22日スタート・火曜午後9:00/BS-TBS)、映画「チャチャ」、「八犬伝」などに出演し、幅広く活躍中。
文/TVガイドWeb編集部
関連リンク
この記事をシェアする