Feature 特集

仲村トオルが「検証捜査」で“魅力がない刑事”を演じる!? 「思いのほかブランクが空いた内片組の主演は、戻ってきた感がうれしくて」2017/07/04

仲村トオルが「検証捜査」で“魅力がない刑事”を演じる!? 「思いのほかブランクが空いた内片組の主演は、戻ってきた感がうれしくて」

 テレビ東京系で、7月5日放送のドラマ特別企画 堂場瞬一サスペンス「検証捜査」。神奈川県警戸塚署管内で起こった冤罪(えんざい)事件を捜査すべく、他府県から事件とは無関係の刑事たちを集め「特命班」とし、警察の威信を懸けて原因の究明に乗り出す姿を描く本格的警察ドラマです。

 その主演を務めるのが、「あぶない刑事」(日本テレビ系)や「チーム・バチスタの栄光」(フジテレビ系)の人気シリーズをはじめとする話題作に数多く出演し、常に一線で活躍されている仲村トオルさん。特命班のメンバーの一人で、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったにもかかわらず、ある事件のために伊豆大島署へ左遷され“釣り三昧”の日々を送っていた神谷悟郎を演じます。今回は仲村さんに、役柄や共演者の方、また刑事という職業についてなど、さまざまな話をお伺いしました!

── 仲村さんは、過去にも「アナザーフェイス」や「棘の街」(ともにテレビ朝日系)など、内片輝監督が演出された作品に出演されていてますが、改めてタッグを組んでみての感想を教えていただけますか?

「ご一緒させていただいた過去の作品は、2時間ドラマが6本でどれもすごく良い印象を持っているものばかりでした。なので、ちょっとしたうぬぼれかもしれないですけど、このまま内片監督とコンスタントに一緒に作品をつくっていけるんじゃないかなと思っていたのが、思いの外(主演で現場にいるという意味では)ブランクが空いたので、『戻ってきた感じ』がしてうれしかったです。現場も手応えがあって、前に進んでいるように感じられるとても良い現場だったと思います」

仲村トオルが「検証捜査」で“魅力がない刑事”を演じる!? 「思いのほかブランクが空いた内片組の主演は、戻ってきた感がうれしくて」

── 原作者である堂場瞬一さんの作品に対して、どのような印象をお持ちですか?

「堂場さんの作品は、ディテールの描写がすごいという印象があります。僕はよく食べ物で例えるんですけど、シナリオがレシピのようなものだとしたら、堂場さんの作品にはそれを食べる時の状況が細かく書き込まれているように感じますね。僕は最初『棘の街』という作品に出演した時には、そこに全然気付いていなかったんですけど。ドラマでは、最初失望だったものが希望になっていったり、対立していたものが信頼し合うようになるという人と人との関係が変化していく部分がメインディッシュだとは思うんですけど、その“人と人との関係が変化していく周りの状況”であるとか、内片監督が用意してくれた“検証捜査班が集まる空間”というのが、物語を十二分に楽しむために細かく書かれているという印象があります」

── 神谷という役柄について、興味深かった点や演じがいがあったところを教えてください。

「今まで内片監督とやらせていただいたドラマの刑事の中で、最も秀でたところのない人、特に優れたところのない人というのが、とても興味深かったですね。すごい推理力があるとか、チームをまとめる統率力があるとか、鋭い勘の持ち主とか、そういう人ではなくどちらかというと、すぐにカッとなって手が出てしまったり、人をばかにしたような話し方をしてしまうような。変な言い方ですけど、あまり人として魅力的じゃないのが魅力的ですね(笑)。今まで演じたことがないタイプの刑事です。そういう人たちが集まった検証捜査班が、初めはバラバラで対立していたものが、少しずつまとまって、理解し合っていって良いチームになっていくというのがおもしろそうだなと思っていました。実際に現場で演じてみて、その面白さを確信しましたね」

仲村トオルが「検証捜査」で“魅力がない刑事”を演じる!? 「思いのほかブランクが空いた内片組の主演は、戻ってきた感がうれしくて」

── 一番共演シーンが多かった栗山千明さんの印象はいかがでしたか?

「前に連ドラでご一緒させていただいた時は、栗山さんがいないところで“なんちゃってクールビューティー”って呼んでいたんですけど(笑)。とてもおちゃめで面白い女性です。ただ僕は、実はそっちを演じているのかなと思う時があって。今回の『検証捜査』の役柄はすごく重い過去を持っている役だったので、暗い方向に行き過ぎる自分を食い止めるために、カメラが回っていない時にはちょっとおどけている演技をしているんじゃないかなと思ったりしました。現場は楽しそうでしたね。モニターでラストに近い雨の中のシーンを見た時には『本当に良い顔をしているな』って感じました。ドラマ全体を通してきっと素晴らしい仕事をしてくれているんじゃないかなと思います」

── もし仲村さんご自身が刑事になったら、どのような刑事になると思いますか?

「まずは、なりたくないですけどね(笑)。人の不幸ばかり見ないといけないですもんね。悪を懲らしめる正義の組織の一員でありながら、たぶん真っすぐに進んだりすることがほとんどできないんじゃないかなと思うと、そこに就職したくないなと(笑)。でも、いつも家の一番近所にある交番の前を通る時には必ず会釈をするようにしています! 自分の子供たちにも『うちに泥棒が入らないのは、このあたりで殺人事件が起こらないのはあのお巡りさんたちのおかげだよ!』と言っていますね」

仲村トオルが「検証捜査」で“魅力がない刑事”を演じる!? 「思いのほかブランクが空いた内片組の主演は、戻ってきた感がうれしくて」

 最後には、プライベートでの警察とのエピソードも披露してくれた仲村さん。一つ一つの質問に対し、じっくり考えながら丁寧に答えてくださる姿がとても印象的でした。細かい部分まで見どころ満載の「検証捜査」。人間らしい神谷の人柄にも注目しながら、特命班の執念の検証と、その先にある驚がくの真実をぜひご覧ください。

【プロフィール】

仲村トオル(なかむら とおる)  
1965年9月5日生まれ。東京都出身。 ドラマ「チーム・バチスタシリーズ」(フジテレビ系)、 「家売るオンナ」(日本テレビ系)などの話題作に出演し、多方面で活躍している。映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」が公開中。8月より舞台「プレイヤー」に出演する。

【番組情報】

ドラマ特別企画 堂場瞬一サスペンス「検証捜査」 
テレビ東京系 
7月5日 午後9:00~11:08

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当) 
撮影/蓮尾美智子



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.