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松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー2023/09/24

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

 NHK総合にて10月16日放送開始予定の夜ドラ「ミワさんなりすます」は、映画の知識だけが取りえの女性が、まさかの出来事をきっかけに“推し”の大俳優のもとで家政婦として働くことになる衝撃の“成り済まし”ストーリー。

 映画が大好きなフリーター・久保田ミワ(松本穂香)は、敬愛する俳優・八海崇(堤真一)が家政婦を募集していることを知り、八海邸に偵察へ。まさかの偶然で、八海のマネジャーに新人家政婦と間違えられたミワは、人違いと言い出せず、“スーパー家政婦”に成り済まして八海邸で働くことに。「すぐにバレるに決まってる」とビクビクしながらも、“神”とあがめる八海と言葉を交わせる職場で夢のような“圧倒的ロマンス”に身を焦がすミワ。垣間見える八海の素顔の尊さに、ますます夢中になっていく。そんな中、ミワが成り済ました当の本人・美羽さくらが姿を現し…。

 今回はそんなミワを演じる松本さんにインタビュー。役作りや作品の推しポイント、堤さんと共演された感想などを伺いました!


――出演が決まった際に、漫画独特の雰囲気をドラマでどう表現していくかを楽しみたいとおっしゃっていましたよね! いかがでしたか?

「作中に心の声が多くて、それをモノローグで撮ったんです。心の中でいろいろ思うことはあるけど、表情にはあまり出さないという心と表情の対比が面白くて、ちょっとシュールな感じになっているといいなと思います」

――ミワを演じるにあたって原作を意識された点はありますか?

「ビジュアル面はすごく意識していて、髪の毛をカットして寄せました。奇麗に切りそろえてもらっているので気に入っています。また、漫画に表情が詳しく書かれているので参考にしています。原作の中のミワは、あまり抵抗せず流されるままに生きているのですが、ドラマの後半部分はオリジナルになっていて、だんだんといろいろなキャラクターが予想もしない動きをしていくんです。周りに翻弄(ほんろう)されていくミワの様子や目まぐるしい展開が面白くなっています」

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

――ミワをどんな人だと捉えていますか?

「ちょっとふわふわとしていて、アルバイト先の人に仕事を押し付けられても嫌な顔をせずに受け入れるようなピュアな人だと思います。普段はあまり熱量がない人間なのですが、映画が大好きで、人生=映画というくらいのめり込んでいて、映画に関してだけは感情が大きく動いて急に早口になったりするので、そのギャップがミワの魅力だと思います」

――ミワが八海邸から自分のアパートに帰った後に大きな声を出してしまい、壁越しに隣人に怒られるシーンが急に現実に戻るようでとても面白かったのですが、お気に入りのシーンなどはありますか?

「確かに、アパートのシーンはガラッと世界観が変わるので面白いです。本物の美羽さんとのシーンが結構出てくるんですけど、そこは演じていてすごく楽しいですね。不思議なシーンになっていて、本当だったら一緒になるはずのない2人が、推しを前にして高校生みたいにはしゃいでいる姿がかわいらしく映っていると思います。演じていてもすごく不思議な面白さがあるので、出来上がった作品を見るのも楽しみです」

――女子会みたいで楽しそうですね!

「八海さんのアイスのCMを見て、さくらさんと『マーベラス!』と叫ぶシーンがあるんですけど、堤さんの声を聞きながら、さくらさん役の女優さんと何回も練習してこだわったのが思い出に残っています。ミワの部屋は八海さんグッズであふれているのですが、そのフィギュアが本当に堤さんにそっくりで感動しました」

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

――堤さんと共演されていかがでしたか?

「堤さんは、昔からドラマなどで拝見して、ミワから見た八海さんが雲の上の存在であるのと同じように、私にとっても『大スターだ』と思っていたんです。実際お会いして話してみると、同じ関西出身ということもあって、地元トークをしたり、ご家族とのエピソードをいろいろ話してくださったりと、親しみやすい方です」

――格好いい一面などは見られましたか?

「やっぱり声がすてきです。一緒にお芝居していて、響いてくるような声が渋くて、格好いいなと思いながら撮影しています」

――「お笑いインスパイアドラマ ラフな生活のすすめ」(NHK総合)でも田辺誠一さんに恋する役でご出演されていましたね。イケおじの魅力について教えていただけますか?

「私と同じくらいの年の女性は共感してくれると思うんですけど、同世代にはない安心感と、年齢を重ねたからこそ出る落ち着きがやっぱり魅力じゃないかなと思います」

――松本さんから見て、八海の魅力はどんなところだと思いますか?

「原作を読んでいても、堤さんを目の前にしていても、圧倒的なオーラと、何をしても納得してしまうような説得力を感じます。ミワは心の中では神と呼んでいるのですが、そう思わせてしまうぐらいの存在感が一番の魅力だと思います」

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

――ミワと八海の2人きりのシーンは、推し活をしている人にとって夢のようですよね! イチオシのシーンはどこですか?

「八海さんと女優さんとの会話で、『ファンを狂わせたい』と言っているのをミワが現場で聞いているシーンは、漫画で見てもドキッとしたし、生の堤さんのすてきな声で聞くと、よりドキドキするセリフだなと思いました。きっと見ている方にも刺さるセリフだと思うので、楽しみにしていてほしいです」

――ご自身は推し活をされたことはありますか?

「『チェリまほ』(テレビ東京系ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)にハマっていた時に、ラジオで町田啓太さんと共演させていただいて。ものすごく推していたので、町田さんにお会いした時は声も5トーンぐらい上がって、顔もまともに見ることができない状態で、自分が自分じゃないみたいな感覚を味わいました。ミワは八海さんと過ごす時間が長いので、多分この感覚がずっと続いてる感じで、でも平静を装わなきゃいけないし…というあんばいが難しいですが、町田さんとお会いした時の記憶を頼りに演じています」

――その時のラジオのオンエアは聴きましたか?

「聴きました! もう一度町田さんの声が聴きたくて…。作品のセリフを言ってもらったりしたのを家で聴いたら、興奮している自分が気持ち悪かったです(笑)。収録中もずっと町田さんのファンの方に謝っていました」

――松本さんが、ミワのように勇気をもらった、背中を押してもらったエンタメ作品はありますか?

「見るたびに活力をもらえると感じるのは、ミュージカル映画の『ヘアスプレー』ですね。DVDも持っていますし、ちょっと元気が欲しい時、頑張りたい時、リフレッシュしたい時とかに見返しています。やはり映画の力はすごいなと思います」

――最近のイチオシ作品はありますか?

「Netflixの作品なんですが、『ハートストッパー』というイギリスのドラマです! LGBTQの作品で、最近すごくハマっています」

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

――もしミワのように家政婦になるとしたら何が得意ですか?

「八海邸のキッチンはすごく広くて、食材もきっと自由に買えると思うので、あの環境で料理できたら楽しいだろうなと思います。あとは、元気なあいさつです。普段の松本だったら人見知りが出てしまってそんなに愛想よくあいさつできないと思うんですけど(笑)、主(あるじ)がいて家政婦になり切ったら元気にあいさつできると思います」

――料理がお好きなんですね! どんなものを作られるんですか?

「唐揚げだったりとか揚げ物…。あとは、シンプルに野菜炒めとかです」

――料理する上で好きな工程はありますか?

「何かを揚げるのが好きです!」

――だんだんときつね色に変わっていくのが奇麗ですよね、ありがとうございます! 作品についての質問に戻りますが、今回はサスペンスフル・コメディーということで、二つの対立する要素が交わった作品です。その面白さはどんな部分にあると感じますか?

「ミワはドラマの中でもずっと周囲の人たちに流されていて、テンションの上下が激しいんです。八海さんと2人でご飯に行って上がったと思えば、成り済ましていることに罪悪感を覚えて葛藤して落ちて…みたいな。八海さんにハグされて失神してしまうような楽しいコメディーみたいなシーンと、泣いたり落ち込んだりするようなシリアスなシーンが交互に来る感じです。上がったり下がったりが激しいところが面白くなっていると思います」

――八海以外にもすごく魅力的なキャラクターがいっぱい出てきますが、特に気に入っている人はいますか?

「八海さんのマネジャーの藤浦華純さんです! 漫画以上に登場シーンが多いんですけど、その女優さんのお芝居のパワーがすごく面白くて、個人的に大好きな役ですね。一緒にお芝居させてもらいながら、見ている方もみんな藤浦さんのことが大好きになるだろうなと感じています」

――芝居をする時は“共感できるキャラクター”の方が演じやすいですか?

「自分とかけ離れた役もいろいろ演じさせてもらいましたけど、役個人というよりは、最初に作品全体のトーンが自分の中でつかめれば、そんなに難しくないです。どうしても自分とは全然違う人間なので、『どうしてこんな行動するんだろう』と理解し切れないこともあるのですが、役を通していろいろな人がいるなと、自分の中の世界を広げていかなきゃいけないなと再認識させられます。共感できない役の方が、面白みを感じます」

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

――視聴者の方には、どんなふうに楽しんでほしいですか?

「皆さんもミワに共感できる部分が多少あるのではないかなと思います。皆さんにも推している方がいたら、見ている方に『もし自分だったら…』みたいな妄想をしてもらっても楽しいと思いますし、八海さんもすごくすてきなので、『推しと2人きりってこんな感じになるのかな』と考えながら、ミワと一緒にドキドキしてもらえれば。ミワを応援してもらえたらもちろんうれしいですし、一緒にドキドキしてもらえたら楽しめると思います」

――最後に、作品の注目ポイントを教えていただきたいです。

「ミワは、ずっと“成り済ましていること”を告白するべきか悩み続けていて、視聴者の方からしたら、『言うの? 言わないの!?』みたいな状態が続くので、もしかしたらイライラさせてしまう可能性もあるかもしれないですが、一緒にドキドキハラハラして見てもらえたらいいなと思います。あとは、登場人物一人一人が本当に魅力的なので、その個性にも注目してほしいです。演者の皆さんも、その個性をみんな好きになっちゃうぐらい、よりいとおしく演じてらっしゃるので、本当にすごいなと思いながら私も撮影に挑んでいます」

――ありがとうございました!

松本穂香が家政婦に成り済まして、堤真一演じる“推し”の家で働く!?――ドラマ「ミワさんなりすます」インタビュー

【番組情報】

夜ドラ「ミワさんなりすます」
10月16日スタート予定
NHK総合
月~木曜 午後10:45~11:00

取材・文/Kizuka(NHK担当) 撮影/蓮尾美智子 衣装協力/Hériter(エリテ) Phoebe(フィービィー) gemme(ジェム) スタイリスト/道端亜未(Ami▲Michihata) ヘアメーク/尾曲いずみ(Izumi Omagari)



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