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【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」2023/06/23

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

 主演・福山雅治さん演じる全盲の人たらしなFBI捜査官・皆実広見と、大泉洋さん扮(ふん)する犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事・護道心太朗がバディを組んで難事件に挑んでいく日曜劇場「ラストマンー全盲の捜査官ー」(TBS系)。

 ここでは、いよいよ最終回を迎える本作で編成プロデュースを務める東仲恵吾さんにインタビュー。見どころやキャストの魅力はもちろん、本作に込めたメッセージについても語っていただきました。

――初めに、本作制作のきっかけを教えてください。

「主人公を全盲の捜査官にするという設定は元々考えていて、全盲という障害がハンディキャップではなく、個性であることを物語の全体のテーマとして描く作品を作りたいと思っていました。皆実は視力を失っていますが、他の部分で補うことでわれわれと何も変わらずに過ごしています。そういった部分を描くには、事件を捜査する役柄がいいのではと思いました」

――本作に込めたメッセージをあらためて教えてください。

「多様性がうたわれる社会の中で、今後は障害を持つ人もそうじゃない人も含めて、いろいろな個性を持った人たちが寛容に生活していけるような世の中になっていくだろうなと思いますし、そうなってほしいという願いも込めています。主人公が周りの人に助けられながら過ごしている姿を通して、助け合いながら生きていく社会の理想像を描きたいなと。皆実たちが立ち向かう事件に関しても、脚本の黒岩勉さんとも相談しながら、本作だからこそ描ける時代性を感じさせるテーマを選ぶようにしています」

――「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」や「マイファミリー」(ともにTBS系)など、話題作をたくさん手掛ける黒岩さんですが、一緒に作品を作る上ですごいと感じたところを教えてください。

「黒岩さんは、物語を今の時代にやるべき作品にする信念が強いと思います。メッセージ性のある作品は小難しくなりがちですが、いかにエンターテインメントに昇華して多くの人に見てもらえるようにするかを常に絞り出して考えてくださいます。本作でも、エンターテインメント性なしで描いたらかなりつらく悲しい事件を描いているつもりで、特に第4話以降は社会のいい面も悪い面もむき出しにしたような事件を扱っています。そういったものをエンターテインメントという枠の中で上手に届けてくださるので説教くさくない物語になりましたし、ドラマだからこそ伝えられるメッセージになっていると思います」

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

――皆実と心太朗のバディ感も本作の肝となっていますが、福山さんと大泉さんが演じるからこそ魅力的になった部分や、期待を超えてきたことがあればお聞かせください。

「お二人は期待を超えてくるどころか、どんどん役を膨らませて立体的にしてくださったと思います。黒岩さんと脚本を作っていく中でも、お二人が演じてくださるのであれば、ある程度やりとりの形があれば役を作り上げてくれるだろうという思いもあり、クランクイン前に作成した台本にはあまりコメディー要素を入れていませんでした。しかし、中盤以降は現場でお二人が演じている姿やキャラクターを逐一黒岩さんにフィードバックして、台本上の皆実と心太朗を福山さんと大泉さんが演じる2人にアジャストするようになりました。お二人とも作品の抜け要素を巧みにピックアップしてくださって、私たちが思っている以上のバディ感を構築してくださったと思います」

――アドリブがあるシーンは、福山さんと大泉さんの2人で話し合って作られているのでしょうか?

「アドリブというと面白い部分だけを想像してしまいがちですが、対立している関係の2人がどの段階から仲良くなっていくのか、その時はどういう関係性なのかなど、微妙なニュアンスや動きの加減も含めて、かなり早い段階からお二人で話し合ってくださっていました。実は、本作では撮影に入る前に時間をいただいてリハーサルを行ったのですが、その段階から距離感について綿密に話し合ってくださったおかげで、第1話からあのバディ感が生まれています」

――第6話のラストで福山さんがいい声で将棋の手を言うシーンも面白く、SNSでも話題になっていましたね。あれもアドリブだったのでしょうか?

「アドリブでした。毎回お二人のやりとりはクスッと笑えますし、僕には想像がつかないようなことやってくださいます。本編とは違うテイストになって使えていないところもあるのですが、あの後もずっとやりとりを続けているので本当にもったいないです。カットがかかるまでやり続ける2人のアドリブ合戦はずっと見ていられます(笑)」

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

――和気あいあいとした撮影現場なんですね。

「そうですね。扱っている事件がシリアスなので現場も暗くなりがちかと思いきや、福山さんがゲストの方も含めて気兼ねなくお話されていることに助けられています。大泉さんもMCのように現場を回していらっしゃって、スタッフも巻き込んで一緒に楽しくなっちゃうようなアットホームな現場ですね」

――制作開始当初のコメントでは、大泉さんの起用に関して「クールなところが魅力で心太朗に抜てきした」とおっしゃっていましたが、実際に演じた大泉さんにはどんな感想を抱かれましたか?

「あらためて魅力的な俳優さんですし、やはり大泉さんには色気があると思いました。でも、最初にオファーした際に『心太朗は格好いい役柄です』とお伝えしたら、『なんで僕が!?』と言われました(笑)。『男として格好いいと思いながらいつも拝見しているので、そういう大泉さんを見たいんです!』とお伝えしたところ、大泉さんも希望をくんでくださって、バラエティーより低い声のトーンで行うなどして調整をしてくださっているので、狙い通り格好いいキャラクターに仕上がったと思います。視聴者の皆さんがどう感じているかもぜひ教えてもらえたらうれしいです」

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

――最終回では41年前の事件解決が大きな山場になっていくかと思います。事件を含めた2人の関係設定は、初めから考えられていたものなのでしょうか?

「企画当初からずっと考えていたことですね。事件の直接的な加害者と被害者の遺族という2人のバディが、どういうふうに過去を清算していくのかをテーマに物語を作りたいと思っていました」

――そんな事件の関係者の中で、キーパーソンを1人あげるとしたらどなたになりますか?

「気になる人がたくさん浮上していると思いますが、やはり津田健次郎さんが演じる鎌田國士ですね。主に回想シーンで登場しセリフもほぼない役柄ですが、事件のすべての真実を知っている人物。最終回で彼が真相を語るかどうかもぜひ楽しみにしていただきたいです。彼が知っている真実はつらくもあり幸せでもあるはず。喜怒哀楽が詰まった真相の元凶を作った人という意味も込めてキーパーソンにあげたいなと思います」

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

――第9話では永瀬廉さん演じる護道泉も大きな役割を担い、家族と警察としての理想と板挟みになっている様子が描かれました。彼の見どころや最終回に向けてのヒントを教えてください。

「第9話で刺された泉がその先どうなっていくかは最終回の見どころの一つです。泉はすごくピュアなキャラクターで、真実や正義を追い求める中で悲しい出来事に遭ってしまいましたが、彼の行為なくして物語は解き明かされないので、すごく重要な役回りになっていると思います。さまざまな真実を知った末に彼自身が導き出す正義とは何か。それははたまた変わるのか、もしくはピュアなままでいられるのかということも含めて注目していただきたいです。ピュアさというところでいえば、彼が思い続けている吾妻ゆうき(今田美桜)とどうなっていくのかも少しばかり描かれている可能性がありますので、ぜひご期待いただければと思います」

――では、最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

「最終回では事件解決に向けてかなり大きく動きますし、とても面白い物語になっていると思います。制作チームとしても自信を持ってお届けできる作品になっていますので、ぜひともご覧ください!」

【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」
【「ラストマンー全盲の捜査官ー」インタビュー】「ドラマだからこそ伝えられるようなメッセージになっていると思います」

【プロフィール】

東仲恵吾(ひがしなか けいご)
東京都出身。2007年、TBS入社。主なプロデュース作品として「99.9―刑事専門弁護士―」「グランメゾン東京」「おカネの切れ目が恋のはじまり」「日本沈没−希望のひと−」「オールドルーキー」などがある。

【番組情報】

「ラストマン-全盲の捜査官-」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54 ※6月25日は午後9:00~10:19

TBS担当A・M



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