ONEW、ファンの声を力に変えて「ONEW THE LIVE : Q」で挑んだ新たな姿2026/10/02 18:00

SHINeeのリーダー・ONEWが、9月22、23日の2日間、東京体育館メインアリーナで「2026 ONEW CONCERT [ONEW THE LIVE : Q] IN JAPAN」を開催。23日に行われた2日目の公演を見て、改めて思った。やっぱりONEWの歌声は特別だ。
歌だけではない、今のONEWを見せるステージ
けれど、この日のライブを見終えた時に残ったのは、それだけではなかった。ダンスもする。炎の演出の中で力強く歌う。客席に問いかけ、笑い合い、時には少し照れながらファンのリクエストを受け止める。歌声を軸にしながらも、新しい姿をもっと見せたいという思いが、約2時間半のライブの随所に表れていた。
ライブは、ロックアレンジの「TOUGH LOVE」で幕を開けた。ステージ上部の階段に腰掛けたONEWは、ネイビーを基調にゴールドの装飾を施した、王子様を思わせるロングジャケット姿。クールな表情で歌い始めると、途中からダンサーが加わり、炎も噴き上がる。

続く「Flex on me」ではジャケットを脱いで軽快なダンスを披露。ダンサーとのユニークな振り付けや紙吹雪の演出も楽しく、日本語曲「Lily」では再びロングジャケットをまとい、伸びのあるボーカルとダンサブルなパフォーマンスを見せた。ONEWといえば、まず思い浮かぶのはやはり“歌”。そんなイメージをいい意味で裏切るように、冒頭から動きのあるステージを展開していく。
最初のMCでは、前日の初日公演を振り返りながら、「初日はすごく緊張したまま過ぎてしまったんですが、二日目は緊張しながらも、もっと皆さんの姿を見ることができるのではないかなと思っています」と笑顔を見せた。
公演タイトルの「Q」は“QUESTION”の頭文字。「絶え間なく浮かんでくる問いかけと、その答えを探す旅を皆さんと共にしたい」という思いから付けられたという。「一つの質問が解決したら終わるのではなく、また新しい質問につながっていくように思います」。そう話すONEWの言葉は、この日のステージそのものにも重なっていた。

そんな少し哲学的な話をしたかと思えば、すぐに空気を和ませるのもONEWらしい。前日の公演で衣装が好評だったと聞き、「なんでですか?」と客席へ質問。「王子様!」という声に「おじいさん?」と聞き返し、「“さん”じゃなくて“様”になりましたね」と喜んでみせ、会場を笑わせた。
「Walk With You」では階段に腰掛けて穏やかに歌い始め、センターステージへ。幾筋もの光を浴びながら手を振る姿に、客席から温かなまなざしが注がれた。「On the way」ではダンサーとともにステージを作り上げ、「イ・ジンギ!」という掛け声も心地よく響いた。
「Spring Rain」「明日への手紙」へ――澄んだ歌声が満たす時間

そして、この日特に印象に残ったのが「Spring Rain」から「明日への手紙」へと続く時間だった。水滴をモチーフにしたVCRを経て、半袖シャツに細いネクタイ、サスペンダー姿で登場。「Spring Rain」では切なげなギターの音色と繊細なボーカルが重なり、楽曲の世界へと引き込んでいく。
そのまま手嶌葵の名曲「明日への手紙」を披露。「元気でいますか?」と歌い出した瞬間、会場には澄んだ空気が満ちていく。一つ一つの言葉を丁寧に紡ぐ歌声に、客席はじっと聴き入り、歌い終えると大きな拍手が送られた。ONEWは、その拍手を聞きながら「皆さんの拍手の音が雨みたいですね。本当にきれいです。癒やされました」とぽつり。「Spring Rain」は今回リリースした曲の中で一番好きな曲だといい、「誠心誠意、思いを込めて皆さんに届けたいと思いました」と明かした。
さらに、水滴が落ちるVCRから「Spring Rain」へと続いた“雨”には、ファーストソロアルバム「VOICE」の「Blue」につながる意味も込められていたという。過去の作品に込めたイメージが、今のステージの中で息づいていた。

ここでONEWは、客席へ新たな質問を投げかける。「皆さんはこれから僕のどんな姿が見たいですか?」。飛んできたのは「セクシー!」という声。「困りますね(笑)」。思わずため息をつき、「僕は自然にセクシーが出るタイプじゃなくて」と話すONEW。それでも「皆さんが欲しいならちょっとだけ努力します」「皆さんの考えがそうであれば、それが答えかもしれないですよね」と応じる。
このやりとりが、印象に残った。自分では似合わないと思うことでも、ファンが見たいと言ってくれるなら「少し考えてみる」。そんな柔軟さも、ONEWが新しいことに向き合う姿勢の一つなのかもしれない。
全身で魅せる、攻めのパフォーマンス
「これまでチャレンジしてきたこと、トライしてきたことは僕にとってとても意味があった」。そう語って始まったのが、「DICE」「Conversation」「beat drum」と続くダンスブロックだ。「Conversation」ではセンターステージを大きく使い、ファンの掛け声も一段と大きくなる。「beat drum」ではコール&レスポンスで会場を巻き込み、紙テープも舞った。歌だけでも十分に聴かせられる人が、あえて踊り、演出にもこだわる。ライブだからこそ楽しめる表現を届けようとする姿勢が、随所に表れていた。
さらに「Focus」「Caffeine」「Lie」「X, Oh Why?」を続けて披露。「Caffeine」では何本もの光を浴びながら力強い声を響かせ、「Lie」ではまるで宙に浮かんでいるかのような幻想的な演出も。そして「X, Oh Why?」ではダンサーとともに全身を使って激しく踊り、炎が噴き上がる中で最後まで駆け抜けた。

この4曲を一つの流れとして届けたONEWは、「新しく感じられましたか?」と問いかける。会場いっぱいの声が返ってくると、ほっとしたような表情を見せた。
そして、序盤にやり忘れていたという、ファンとの「ただいま!」「おかえり!」のやりとり。「毎回こうしてライブで皆さんと『ただいま』『おかえり』をするのが僕の幸せ」と話す。この日、ONEWは何度も客席に問いかけた。自分はうまくできているのか。ファンはどんな気持ちでステージを見ているのか。次はどんなことをしてみようか。でも終盤、ONEWがたどり着いたのは、一つの明確な答えではなかった。何かに決めるのではなく、その時々のありのままの姿を見せていきたい。そして、それをファンと一緒に経験していきたい。

そんな思いを伝えて歌った「O(Circle)」では、雄大な楽曲の世界を歌とダンスで表現。本編ラストは、9月16日にリリースされたJapan 4th Singleの表題曲「KAKERA -運命のピース-」。客席ではONEWに合わせ、たくさんの腕が左右に揺れた。
ファンとの時間が、次の一歩の力に

本編終了後は「イ・ジンギ、サランヘ!」の声が会場に響き、スクリーンに映し出された歌詞に合わせて、ファンが声をそろえて「Cause I believe in your love」を歌う。その歌声に迎えられるように、ONEWが再びステージへ。
アンコールの「花のように」「Boy」ではトロッコに乗ってアリーナを一周。桜の花を届けながら、「皆さんの目がキラキラです」とうれしそうに客席を見渡した。その桜を、ONEWは「今の僕たちを表現している」と語った。短い時間の中で美しく咲く花のように、ファンと過ごすステージの時間も大切にしたい。その記憶が、自分の原動力になっているという。ファンと過ごした時間を力に変えながら、また次へ進んでいく。そんなONEWの姿が、この日のステージにはあった。

「Winner」を披露した後には、9月末から3か月連続で楽曲をリリースすることも改めて告知。「ANIMALS」で再びダンスナンバーを届け、これで終演かと思いきや、「うそです」と笑顔を見せる。
最後にもう一度鳴り始めたのは、「TOUGH LOVE」だった。オープニングではロックアレンジでクールに幕を開けた一曲を、今度はダンサーたちと笑顔いっぱいでパフォーマンス。ハート形の紙吹雪が舞い、「また会いましょう」と何度も手を振り、最後には投げキスも。同じ「TOUGH LOVE」でありながら、オープニングとはまるで違う表情を見せた。2時間半をともに過ごしたからこその温かさが、最後のステージにはにじんでいた。
「TOUGH LOVE」で始まり、「TOUGH LOVE」で終わった「ONEW THE LIVE : Q」。歌の力はもちろん、ダンスも、演出も、飾らない言葉も、全部ひっくるめて今のONEWなのだと思う。そして何より印象に残ったのは、ファンの存在を力に変えながら、まだ新しいことをやってみようとしている姿だった。
“Q”の答えは、きっと一つでなくていい。次に会う時、また少し違うONEWを見せてくれそうだ。そんな余韻が残るライブだった。


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