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地元・島根で凱旋公演も 糸川耀士郎、1人音楽劇「夜啼鳥」開幕直前インタビュー2026/07/27 19:00

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地元・島根で凱旋公演も 糸川耀士郎、1人音楽劇「夜啼鳥」開幕直前インタビュー

 2.5次元舞台やグランドミュージカル、ストレートプレイなどさまざまなステージで活躍する俳優・糸川耀士郎。昨年、俳優10周年記念として企画・上演された「糸川耀士郎1人音楽劇『夜啼鳥』(よみ:よなきどり)」が、この夏パワーアップして帰ってくる。

 今作は古代ローマ時代に暴君と呼ばれた皇帝ネロの物語。彼を孤独な芸術家と捉え、芸術にとりつかれた数奇な運命を、ゴシック調の世界観と耽美な楽曲の数々とともにつづる。さまざまな長ゼリフの応酬、ネロ以外の役の幅広い演じ分け、多彩な劇中歌の歌唱と、全て糸川一人で表現し切り、昨年大好評を博した。注目の再演に、彼は今どのように向き合っているのか。

――再演が決まった時のお気持ちと、意気込みを聞かせてください。

「こんなにも早く再演できることに僕自身もびっくりしました。自分にとって大切な作品なので本当にうれしかったですね。初演は“俳優10周年記念”として制作されて“10年でこういう俳優になりました、自分ってこういう人間です”というのをお見せする場であり、これからの俳優としての方向性や、このくらい真剣に芝居と向き合っています、というのを提示する意味合いもありました。ですが、今回は、その枠を一つ飛び越えて、作品そのものを届けることをテーマにしていて。東京だけでなく地方にも行って、演劇を見たことがない方々にも劇場に来てもらえたら、という目的もあるんです。僕のことを全く知らない方々へのアプローチもあり、もちろん初演を見てくださった方にも、同じ作品ですがリニューアルしている部分があるので楽しんでいただきたいです。同じ作品だけれども僕自身のスタンスが変わっている、というのが大きいですね」

――初演は初の一人舞台で相当なセリフ量と歌唱をこなし、かなりのプレッシャーだったと思うのですが、やり遂げた時の感想を改めて教えてください。

「前回はこの戯曲にずっと頭を悩まされていました。朝から晩までずっと作品のことを考えて。楽しくもあり試練でもあって千秋楽を迎えた時の開放感は、なんだかふわふわした夢心地みたいな感覚でしたね。ゲネプロまで本当に逃げ出したくなるぐらい苦しくて、一度も自分に満足できなくて、中屋敷(法仁)さんの演出に応えられないほどいっぱいいっぱいで、完成させられていない自分にすごく憤りを感じていました。だけど初日に入って、それがうそのように解き放たれて……。舞台ってやっぱりお客さまと作り上げるものだというのが改めて分かりました」

地元・島根で凱旋公演も 糸川耀士郎、1人音楽劇「夜啼鳥」開幕直前インタビュー

――稽古期間に感じていたプレッシャーが初日に一変したと。

「本番はなんかゾーンに入ったような状態になって。“あ、ここってこういう反応になるんだな”とか舞台の上で冷静な自分がいたんです。ある時、お客さまが咳を我慢する瞬間というのを舞台上から感じられたことがあって。僕が一人でセリフも何もなく舞台上を歩く緊迫したシーンだったんですけど、お客さまが“今自分が物音を立ててしまうと劇場の空気に影響するかもしれない”って気をつかってくださっている、その緊張みたいなものが感じられて。それを感じた瞬間、僕は痺れてしまったんです。みんなが劇場の空気を作ろうとしてくれている……それを敏感に感じ取ることができたのは初めてだったんじゃないかな。改めて舞台ってお客さまと一緒に作るもので、お客さまへのリスペクトを改めて抱きましたし、お客さまからもそういった演劇を楽しむ温度感を直に感じられて。たとえばピリッとしているシーンも空気を一緒に感じて一緒に作ってくださる。その空気感はこれからもすごく大切にしたいですし、舞台の醍醐味だなと思いましたね」

――そういった貴重な経験を経て、再演はどのように臨もうと考えていますか?

「もっともっとシビアにお客さまの空気を感じ取って、退屈させない時間を作らないといけないなと。あと、歌に関しては初演をきっかけにもっと追求していきたいと思うようになって。ありがたいことにこの1年で多くのミュージカル作品に出演させていただいて、その度にすてきな歌唱指導の先生たちにお会いして、いろいろとインプットさせていただきました。歌と向き合う機会をたくさんいただいたので、そこは注目していただけたらうれしいです」

――お芝居についてはいかがでしょう?

「初演の映像を見てテンポを掌握できていなかったな、とか、もっとここは畳みかければ面白いなとか、お客さまをいい意味で振り回せるな、など改めて気付くところがあって。あと、説明ゼリフは一語一句伝えないといけないからセーフティーなお芝居をしているな、とか。でもあの時は怖かったんですよ。セリフについていけない自分が舞台に出てしまうんじゃないかって。だからセーフティーな芝居のバイアスがかかっていた部分があった。ですが今回はもう突き抜けようと思っています。あの時は歌のためにちょっとお芝居をセーブせざるを得ない自分の役者としての体力や自信のなさがあったのですが、この1年歌に向き合ったことで発声の勉強もいろいろしましたし、自分の中に積み重ねたものがあるので“芝居をセーブしない、もっと芝居をガンガンやるぞ”といった自信がついて。再演の稽古が始まってからも初演の時のような恐怖もなく、アクセル全開で行くという気持ちが強いですね」

地元・島根で凱旋公演も 糸川耀士郎、1人音楽劇「夜啼鳥」開幕直前インタビュー

――地元・島根への凱旋(がいせん)公演もありますね。

「初めて地元でお芝居をする作品が僕の一人芝居であることにすごく運命的なものを感じて、幸せなことだなと。地元でお世話になった方や家族、親戚、友達が見に来ると言っているのですが、“東京でこういうことをしているんです”というのをお見せできるのはすごくうれしいのですけど、同時に伝わるかなっていう不安もあって。今回この作品を初めて見る方には、少し難しい作品かもしれないなと。そもそもこの作品をやりたいと思ったのは、僕がドラマチックで劇的な物語が好きだから。そういう人生を歩んできた人物を演じたいというのがあって、いろいろ題材を探していく中でネロを最終的に中屋敷さんとマネジャーさんと一緒に選んだんです。あの激動のローマ時代に皇帝となったネロが歌に目覚めて歌で世界を変えようとする。だけどなぜ暴君として後世に名が知れわたるのか……物語の面白さがあるし音楽劇である必然性もある。それを一人の役者が演じることで面白みが掛け算されて、本当に完成度の高い戯曲になっています。物語として美しい作品なので、地元の人たちに作品の素晴らしさを伝えられたらいいなと思っています」

――舞台に全力で挑むための体作りやコンディションを保つために普段から心がけていることは?

「僕はもう本当に気持ち悪いって言われるぐらいいろいろやっているんですよ(笑)。食事管理、運動……食べるものは全てアプリで管理して、毎日数字で見るんです。カロリーはこう、タンパク質、脂質はこうとか栄養素全て数字で見て全部データを取っているんです。朝ご飯を食べる前にコーヒーを飲んで脂肪燃焼作用を促してから朝は散歩をするとか」

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――舞台と同様にストイックなんですね。

「僕も以前はこういうことをしている人ってストイックだなと思っていたんですけど、いざ自分がやり始めたらなんかやらない方が気持ち悪くなっちゃって(笑)。僕は結構不摂生すると顔に出やすいタイプで、顔に出ちゃった時、一気にメンテナンスするくらいなら常に生活の中にケアを取り入れて、何のトラブルもない状態をキープしたいなって。そっちの方がメンタル面で衛生的です」

――特に最近のおすすめケアは?

「腸活です。1日食物繊維を30gとると決めていて。最近とても調子が良いですね。セロトニンっていう幸せホルモンも腸で作られるらしくて。あとはビタミンCを欠かさずに取るようにしていますね」

――最後に改めて作品のPRをお願いします。

「僕にとって『夜啼鳥』は本当になくてはならない作品であり、全てを懸けています。僕しか演じられない、この作品が僕であり、僕がこの作品である、という作品にしたいですし、そんな作品に出会えたことを幸せに思います。“これが演劇なんだ”っていうものを全国に届けたいですし、その先に海外でも上演できたらという夢もあります。ぜひ『夜啼鳥』の再演を応援していただけたらうれしいです」

地元・島根で凱旋公演も 糸川耀士郎、1人音楽劇「夜啼鳥」開幕直前インタビュー

【プロフィール】
糸川耀士郎(いとかわ ようじろう)

1993年5月28日生まれ。島根県出身。主な出演作は、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、ミュージカル「最後の事件」、ミュージカル「奇跡を呼ぶ男」など多数。12月に開催されるミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭2026~に出演。今年4月に発足した劇団UNFORM+旗揚げに参加しその旗揚げ公演は2027年2~3月に上演予定。

【作品情報】
糸川耀士郎 1人音楽劇「夜啼鳥」

開催日&会場
2026年7月30日~8月1日 東京・CBGKシブゲキ!!
2026年8月7日 石川・石川県教育会館 3Fホール
2026年8月10日~11日 島根・ビッグハート出雲 白のホール
2026年8月15日~16日 大阪・世界館
2026年8月19日 福岡・レソラホール
2026年8月27日~8月30日 東京・新宿村LIVE

企画:糸川耀士郎
脚本・演出:中屋敷法仁
音楽監督:YOSHIZUMI

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【締め切り】2026年9月4日(金)正午

取材・文/TVガイドStage Stars編集部

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