「ファーストクライ」比嘉愛未&松島聡が紡ぐ医療ドラマの新境地「絶対に一人にさせません」2026/07/08 06:15

比嘉愛未が主演を務めるドラマ「ファーストクライ 母子救命救急班」(水曜午後10:00)が、日本テレビ系で7月8日より放送スタートする。
本作は赤ちゃんの産声(ファーストクライ)を聞くために奮闘する“母子救命救急班”の活躍を描いたメディカル・エンターテインメント。比嘉は聖フィオナ病院の“母子救命救急班”を率いる産婦人科医・光井明希役を、不妊治療を学ぶために聖フィオナ病院へやってきた専攻医の永坂海斗を松島聡が演じる。
本作で初共演を果たす2人に、出演オファーを受けた際の率直な思いや作品にかける意気込み、産婦人科医という役にどう向き合っているのか話を聞いた。
――今回の出演が決まった時の率直な感想をお聞かせください。
比嘉 「主演というある種、ご褒美のようなお話をいただき、20年近くお芝居をしている中で、こうして求めていただけることは毎回本当にありがたいことだと思っています。これまで医療従事者の役柄は何度も演じさせていただいてきましたが、今回の産婦人科医という役は初めてですごくうれしいです。同時に重大な任務が来たなと、身が引き締まる思いです」
松島 「医療ドラマが初めてでうれしさがある一方、命に関わる作品だからこそ責任感もあります。命の誕生を手助けする立場として、どれだけ臨機応変に対応できるか。そういった部分を、永坂は光井先生の背中を見ながら学び、成長していきます。全話を通して永坂の成長はもちろん、関わる人たちとどう向き合っていくのか、『人は一人では生きていけない』ということを台本からも強く感じたので、みんなで助け合うチームとしての力をこの作品でしっかり伝えていきたいです」

――産婦人科医という職業についてどう考えていらっしゃいますか?
比嘉 「私自身が生まれる時、早産になりそうで大変な思いをしたと母から聞きました。この作品や役作りにあたっていろいろ調べていくうちに、たくさんの方が関わってくださったおかげで今の自分の命や人生があるんだなと、改めて強く感じました。なので、本作でその恩返しをしたいと思っています。どんな人でも、決して自力で生まれてきたわけではなく、必ず誰かが関わっている。その最前線にいるのが産婦人科医の皆さんであり、医療チームの方々だと思うんです。その方たちのカッコいい姿を、お芝居を通して体現することが、今回の使命だと感じています」
松島 「先日、産婦人科医で同世代の方とお話させていただいた際に『寄り添い方をリアルに表現できれば、作品としてきっと伝わる』とおっしゃっていました。医師として、妊婦の方や医療従事者の皆さん、そしてご家族との向き合い方、寄り添い方を、永坂という役を通して丁寧に表現できたらと思っています。でも、本当に分からないことばかりで……。最初の撮影では医療器具を持つシーンがあったのですが、実際の現場を見たことがなくても、それを手にするだけで強い緊張感がありました」
――そんな大切な役割を担う人々を本作で演じるに当たり、光井・永坂をどういう人物だと捉えていますか?
比嘉 「光井は、妊婦さんと赤ちゃんを救うこと、そして産声を聞くことが生きがいで、そのことだけを考えているような人物です。一見、つかみどころがないようにも見えるのですが、実は心の奥に大きな傷を抱えている。だからこそ、人の苦しさや助けを求める声にとても敏感で、しっかり向き合うことができる人だと思っています。また、『絶対に一人にさせません』というセリフを口癖のように言うのですが、本当にその言葉通りに生きている、真っすぐな人物です」
松島 「永坂は、光井先生とは対照的に一歩引いた立場で、あまりガツガツ踏み込んでいくタイプではありません。ただ、そうした光井先生の姿を見ながら、“普通ではないことを当たり前のようにやっていく”という姿勢に影響を受け、少しずつ成長していきます。また、永坂はもともと純粋で真っすぐな性格ですが、優柔不断な一面もある。目標があれば頑張れるけれど、“自分の目標は何か”に迷い続けているキャラクターです。そんな永坂がさまざまな人と出会う中で心情が変化していく、そのグラデーションを上手に表現していきたいです」

――役作りをするにあたり、意識していることはありますか?
比嘉 「光井は、いわば“起爆剤”のような存在で、セレブ病院でもいろいろな科がある中で、あえてその環境に切り込んでいく人物です。きっと医師の皆さんにも“ここには踏み込まない”という領域があると思うのですが、そうした固まりつつある部分をいい意味でかき回し、化学反応を起こしていく。いわば“革命”のようなエネルギーを放つ存在として、作品に新しい風を吹き込めたらいいなと思っています。その説得力を持たせるためにも、自分自身が普段から人と向き合う中で、愛情のエネルギーをしっかり蓄えておきたいですね。体力的にも精神的にもタフな現場になると思いますが、とにかく全力で頑張りたいです」
松島 「永坂の実家が産婦人科だったこともあり、日常的にその現場を見てきたつもりではいましたが、実際に医師として向き合うと、医療の理想と現実のギャップに苦しむことになります。台本からもそうしたリアリティーを感じましたし、永坂としてはピュアでありながら、トラウマや罪悪感を抱えている中で成長していく。そうした若い専攻医の葛藤を演じていきたいです」
――お二人は初共演となりますが、お互いの印象についても教えてください。
比嘉 「テレビやメディアで拝見していたのはもちろんですが、私は松島さんのグループのオーディション番組を夢中になって観ていました。その中で、松島さんはまだ形になりきっていない人たちに対しても、一人一人真っすぐで誠実に向き合い、言葉もとても慈愛に満ちていたのが印象的でした。作られたものではなく、心の内側からにじみ出る優しさで周囲を癒やしている方だと感じました。初めてお会いした際、永坂の設定が長野県出身ということで現地を訪れ、わざわざ善光寺まで行ってお守りを買ってきてくださったんです。その心遣いにとても感動しましたし、この作品にかける思いが伝わってきました。とても縁起が良さそうなので、台本置きの上にそのお守りを置いています」
松島 「善光寺にずっと行きたくて、やっと行けたんですよ! そういうきっかけをもらえたご縁もあり、この環境に感謝したいです。そして、比嘉さんは皆さんご覧の通り、本当にピュアな方です。メンバーの菊池(風磨)からは事前に、すごく明るくて、現場の空気を変えてくださる方だと伺っていました。実際にいらっしゃると現場全体がすごくナチュラルになるんです。さらに、さまざまな現場を経験されていて、主役にもなれるし、脇役にもなれる。その両方に立てる役者さんってすごく憧れます。それを今回、間近で感じられるのはとてもうれしいです」
――お互いにリスペクトし合っているんですね。先輩後輩役としてはどうコミュニケーションを取っていきたいですか。
比嘉 「撮影で一緒のシーンが多いので、実際の私たちも自然と永坂と光井の関係性になっていくと信じています。今日は朝から取材でいろいろなお話をしてきましたが、その中でも『大丈夫だな』と思える安心感や信頼感が既に生まれていて、心強いです」
松島 「ドラマの現場はタレントさんだけではなく、スタッフの皆さんも含めて本当に大変じゃないですか。3か月という期間、精神的にも体力的にも負担が大きいことは、自分も少なからず分かります。特に今回はセンシティブな題材でもあるので、伝え方を間違えてはいけない。その責任をしっかり持った上で、比嘉さんとコミュニケーションを取りながら演じていきたいです」
――コミュニケーションの重要性という話が出ましたが、現場の子どもたちとはどう向き合っていきたいですか?
比嘉 「ポスター撮影で赤ちゃんを抱っこさせていただいたのですが、その体温やしぐさに細胞レベルで癒やされるような、言葉にできない感情になりました。毎話、たくさんの子どもたちに会えるのも今からとても楽しみです。まだ何にも染まっていない無垢(むく)な存在だからこそ、私たち大人が清らかな気持ちで、真摯(しんし)に向き合っていきたいと思います」
松島 「無償の愛というか、本当に見ているだけで癒やしを与えてくれる存在ですよね。同時に、その子を抱っこしているお母さんがどれだけ苦労しているのか、外からは分からない部分もあると感じました。この作品でも描かれているように、出産がゴールではなく、そこに至るまでにいろいろな出来事があります。その『子どもを産む』ということへの覚悟や大変さについてもこの作品からとても勉強になっています」

――では最後に見どころを教えてください!
比嘉 「光井が、わが道を行くのに対して、それを永坂が軌道修正してくれる。そこがすごく楽しみです。関係性としてはまさに真逆だと思います。分かりやすく言うと“太陽と月”のような関係ですね。こちらが強く光れば光るほど、永坂のいろいろな輝きも引き出される存在であってほしいなと思っています。その中で成長した永坂を見るのが、私自身とても楽しみです」
松島 「光井先生は食事が好きなキャラクターで、食堂や居酒屋でのシーンも多く登場します。そういった食事の場面が、実は永坂との関係性のキーにもなってくるんです。光井先生と永坂が並ぶことで、見ている方が少しホッとするような、そんな空気感を作れたらいいなと思っています」
【プロフィール】
比嘉愛未(ひが まなみ)
1986年6月14日生まれ。沖縄県出身。2007年に連続テレビ小説「どんど晴れ」(NHK)でヒロインを演じる。他、ドラマ「フォレスト」(朝日放送テレビ/25年)、「放送局占拠」(日本テレビ系/25年)、「タツキ先生は甘すぎる!」(26年)などに出演。
松島聡(まつしま そう)
1997年11月27日生まれ。静岡県出身。timeleszのメンバー。近年の出演作はドラマ「パパと親父のウチご飯」(テレビ朝日系/25年)などに出演。
【番組情報】
ドラマ「ファーストクライ 母子救命救急班」
日本テレビ系
7月8日スタート
毎週水曜 後10:00~10:54
取材・文/N.E
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