「無用庵隠居修行10」SPゲストで里見浩太朗が降臨! 水谷豊との初共演に「やっと会えた!」2026/07/07 05:00

里見浩太朗がBS朝日で9月22日に放送される水谷豊主演の痛快エンターテインメント時代劇「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行10」(午後7:00)にスペシャルゲストとして出演することが決定した。
同シリーズは、直木賞受賞作家・海老沢泰久さんの短編時代小説「無用庵隠居修行」(文春文庫刊)が原作。「だましゑ歌麿」(テレビ朝日系)シリーズの主演を務める水谷と吉川一義監督のタッグでおくる、笑いとサスペンス、そして感動がつまった時代劇となっている。
水谷扮(ふん)する“隠居殿”日向半兵衛がお節介用人の勝谷彦之助(岸部一徳)や、妻・奈津(檀れい)らと繰り広げる日常をコミカルに描きつつ、江戸に巣食う巨悪を斬新な方法で痛快に退治していく。半兵衛の姿や毎話おなじみの“変装姿”が見どころの人気シリーズだ。
シリーズ10作目で半兵衛は、かつて共に陽明館で学んだ塾生仲間・田島安五郎(梨本謙次郎)と再会する。久しぶりに会った田島は妻に先立たれ、職も失っていた。田島を立ち直らせようとする半兵衛は、田島に法外な家賃の値上げを迫り、長屋から追い出そうとする連中と遭遇。勝谷の話から、立ち退きに地面取りが関わっていると分かる。果たして、半兵衛は旧友の窮地を救うことができるのか。
節目を迎えた今回は、スペシャルゲストとして数々の作品を彩ってきた“ミスター時代劇”の里見が登場。本作で里見は陽明館塾頭で半兵衛の恩師・伊藤一斎を演じる。意外にも水谷とは今回が初共演。出演裏話から水谷・吉川監督との交流、“時代劇”に対する今の率直な思いを語ってもらった。

――今回、「無用庵隠居修行10」への出演が決まった時の感想を教えてください。
「出演は(吉川)監督からお話を伺いました。監督と僕はお互いに東映でやってきて、年齢も一つ違い。ある時、監督から『浩ちゃん、こんな作品なんだけど出てくれるか?』と言われたんです。それで台本をもらったのですが、読んでみると僕の出てくるシーンが全て回想(笑)。『(自分の出演シーンは)回想だけなの?』と聞いたら、監督は『いや、回想だけに出てくれることを願って俺は書いたんだ』って言うんですよ」
――吉川監督は里見さんにあえて回想シーンだけに出演してほしいと思っていたと。
「『もうちょっと何か足してくれる?』って監督に言ったら、『浩ちゃんの言いたいことは大体分かるよ。もう何十年も一緒に仕事をしてきた仲だから』と言って、脚本を直してくれた。その後、出来上がった台本を見たら本当に良くて。“人間が良心を持って生きていくなら、こんなことを考えるだろうな”というような素晴らしい言葉が並べられていた。本当に感動しましたね」
――長くなったセリフを覚えるのは大変ではなかったですか?
「台本をもらって2日間でセリフを覚えました。台本を渡された時、監督が『このセリフは長いけどワンカットでいくぞ』と言ってきて。セリフが4ページ弱もあるんですよ。そろそろ90歳なので覚えられるか不安だったのですが……(といいながら、なんと劇中の長ゼリフを披露!)」
――すごいですね!
「本番ではNGを1回しか出しませんでした。大変だったけれど、演じた後はとてもすがすがしかった。だから、監督に『台本を書いてくれてありがとう』って直接言いました。そうしたら、監督がそばに来て一言、『まあまあだったよ』って(笑)。でもうれしかったです。まあまあということは“悪くない”ってことですから」
――渾身(こんしん)の長セリフを撮影し終えていかがですか?
「“人を思う心が生きていく上で大切だ”と監督はセリフで説いているのですが、撮影後の今もそれが心に残っていて。弱さは人間にとってすごく大事。でもそれが悪にはとても負けやすい。だから大切なんです。矛盾しているように感じますが、そのメッセージを伝えていきたい。このドラマを見れば、視聴者の方々も心を打ってくださるのではないかと思います」
――里見さんが本作で演じる伊藤一斎についても教えてください。
「台本に(役についての説明が)何も書いていなくて。思わず監督に文句を言ったくらい(笑)。でもそれは、台本を一通り読んだ時点での話。台本を2、3回読んでいくうちに、1人の老人が今を生きている人たちに何を話せばいいのか、訴えればいいのかということがぐわーっと盛り上がってくる。これが僕の演じる老人の“味”だと思います」

――吉川監督との長年の信頼関係の深さがうかがえます。一方、主演・水谷さんとは今回が初共演でした。
「昔、ゴルフ場のロビーで水谷さんに会って“『相棒』(テレビ朝日系)、視聴率が良くてよかったね”“ありがとうございます。また一緒にゴルフをやりましょうね”と言葉を交わしたのが最後。そこからもう20年以上たっていると思う。俳優をしていると、撮影やテレビ局、お笑い番組などどこかで会えるものなのですが、水谷さんとは全然会えなくて。僕も“いつ会えるのかな”と思っていました。なので今回の共演は“やっと”という感じです」
――念願かなっての再会ということですね。何か言葉は交わされましたか?
「京都の有名なお寺・くろ谷 金戒光明寺で再会しました。水谷さんも僕と同じ気持ちだったみたいで、会った瞬間に『いや~、里見さん。20年ぶり』『本当だね』って。大親友が何十年ぶりにやっと顔を合わせられたというような出会いだった。抱きついてお互いに再会を喜びました。その印象が今も残っていて、いつまでも消えません」
――里見さんから見た水谷さんの印象を教えてください。
「“あったかい人”ですね。だから、とても気持ちがいいんです。セリフを言い合って演技でぶつかり合った時も、撮影が終わり一緒に焼肉やウナギを食べに行った時も、とにかく気持ちがいい。久しぶりに会った兄弟が交流するような感じ。2人でプライベートの時間も過ごせたのはうれしかったです。撮影が終わってからまだ会えていないので、早く会いたい。今日の取材も水谷さんと一緒だと思ったのに……。なんで僕一人なの(笑)」
――一緒に演技をしてみて、水谷さんの俳優としての魅力をどこに感じましたか?
「俳優は性格などによって演じ方が違います。基本的に僕と水谷さんは役に向かって流れる気持ちが似ているんじゃないかな。多分、水谷さんも僕に対して同じように感じているはず。出しゃばることも人に意見することも嫌い。だけど一生懸命やりたい。そういう性格や演じ方の似ている俳優と、作品を通して一緒に仕事をできたことが幸せです。70年近い役者人生の中でこんなうれしい思い出が残った作品はないです」

――里見さんと言えば“時代劇”。昔と比べ、時代劇が減りつつある現代を里見さんはどのように見つめていらっしゃいますか。
「寂しいですね。いろいろな方々に『なんで(現代は)時代劇をやらないんだ』って聞かれるたびに説明するんですよ。お金がかかるんです。現代劇は家から出たままの状態でも撮影できますが、時代劇はかつらをかぶり、着物や足袋を身に着け、わらじを履く。上から下まで全部費用をかけないと成立しない。だから時代劇にコストがかかるのはよく分かる。でも、それを時代劇として僕たちは全部作り続けてきただけに、時代劇が撮れないという現実には、『誰かなんとかしてくれ!』って叫びたい思いです。どこかで時代が変わってくれないかな。『どうやったらいいんですか?』と、皆さんに聞きたい。『なんとかしてください』というのが私たちのような時代劇に携わってきた人間の本心です」
――「無用庵隠居修行10」が時代劇発展のための起爆剤になるといいですよね。最後に視聴者へ向けてメッセージをお願いします。
「時代劇も一つのドラマ。『水戸黄門』で言えば、必ずいじめられる人がいて、それを必ず助ける人がいて。そういう人間関係があるからこそ、時代劇は成り立っている。つまり、時代劇に必ずなくてはならないものは“悪”と“善”なんです。この作品も水谷さん演じる半兵衛が悪と善をどう解釈するか、どう処理するかに本作の面白さがある。そして、われわれのように脇に出てくる人が傍観したり、助けたり、助言したり。そこの調和がうまくいけば成功だと僕は思っていて。この作品はそれができているので大丈夫です!」
【プロフィール】
里見浩太朗(さとみ こうたろう)
1936年11月28日生まれ。静岡県富士宮市出身。1956年に「東映第三期ニューフェイス」として芸能界入り。翌年、映画「天狗街道」(東映)でデビュー。以降、時代劇を中心にさまざまな作品で活躍。主な出演作に時代劇「長七郎江戸日記」「忠臣蔵」「風林火山」(全て日本テレビ系)、「水戸黄門」(TBS系)などがある。
【番組情報】
「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行10」
BS朝日
9月22日
午後7:00~8:54
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