中川大輔、久保田早紀の名曲「異邦人」の“考察”に初挑戦「僕にとっては宝物になりました」2026/06/12 18:00

昭和・平成の名曲の「歌詞」を“令和の感覚”で徹底考察。そこから生まれた物語をプロの映像監督たちが新たなミュージックビデオ(MV)に仕立て上げる、音楽バラエティー「名曲考察教室」(NHK総合)。司会は設楽統(バナナマン)さんが務め、名曲の歌詞を自由な発想で味わい尽くす。
6月18日の放送回では、久保田早紀さんが1979年にリリースした名曲「異邦人」を、ゲストの中川大輔さん、紅しょうがさんが独自に考察。異国情緒漂うオリエンタルなサウンドと、どこか切ない歌詞が魅力の本作を、一同はどう読み解くのか?
今回は、収録を終えた中川さんに、「異邦人」に感じた魅力や考察の裏側、完成したMVを見て感じたことや音楽への思いなどをインタビュー。あわせて自身がアイデアを思い付く瞬間、思い出に残っている“異国の地”でのエピソードなども語ってくれた。
――ご自身の考察から生まれた物語をプレゼンする中川さんの姿が新鮮で、新たな一面が垣間見えた気がしました。収録はいかがでしたか?
「プレゼンには慣れていないこともあり、すごく緊張しました。しかも、テストがほぼなく、本番勝負のような感じだったので、ドキドキしながら臨んで。でも、自分が考察した内容についてのお話だったので、どんどん言葉が出てきて、楽しく終えることができました」
――司会の設楽さんとは、収録中も収録後も和気あいあいと会話されていましたが、実は今回が初共演と聞きました。
「はい。設楽さんとは今回初めてお会いさせていただいたのですが、本当にお話ししやすい方で。僕のプレゼンについて、感想をいろいろ伝えてくださりながら、僕の話すペースは決して乱さず……お話ししながら感動していました」

――今回、中川さんは同番組への出演を機に初めて「異邦人」を聴かれたということでしたが、この楽曲にどのような印象を抱きましたか?
「まずイントロが衝撃的だったのと、普段聴いている楽曲の構成とは全く違うなと。どこがサビでどこがAメロなのか、一度聴いただけではうまくつかめなかったのですが、それこそが魅力だなと思いました。しかも、聴くにつれて、どんどん違う景色が浮かんできて。懐の深さのようなものも感じられて、この曲と出合えて良かったです」
――中川さんが考察した物語が、最終的にはMVとなって紹介されました。スタジオではご自身で考案したキャラクター・カミュとヤマトのイラストも披露されていましたが、映像化したものをご覧になった感想は?
「MV版の2人も、すごくかわいかったです。カミュは何千年後かの宇宙で暮らす地球人という設定なのですが、MVでは目が印象的に描かれていて、物語に説得力が増したと思いました。ストーリー自体は僕がお伝えしたとおりの内容ではあるのですが、いい意味で全然想像していなかった映像になっていて、本当にありがたいなと。ずっと手元に置いておきたいくらい、僕にとっては宝物になりました」

――中川さんは「異邦人」の“邦”の字から、今回の考察のアイデアが思い浮かんだということ。その一文字から、どう膨らませていったのでしょうか。
「これは僕の勉強不足もあるのですが、“邦”と見ると、ガンダムの地球連“邦”軍しか思い浮かばなくて(笑)。ガンダムが好きなのですが、この作品の設定って、すごくロマンチックに感じるんです。宇宙に住む地球人がいたり、本物の重力を感じてみたいと願うキャラクターがいたり。そのスケールの大きさやロマンチックさ、そういう雰囲気がMVにも出たらいいな、と思いながら挑んでいました」
――同じ楽曲でも、紅しょうがさんと中川さんでは、全く違う色の物語になっていたのも面白かったです。
「紅しょうがさんの考察は、お話を聞いている段階で、“きっとこういう感じなのかな?”とMVの大筋のイメージが浮かんできたんです。でも、いざMVを見たら、さらにもう一歩その世界観が深まっていて。見終わった後も、スタジオの皆さんそれぞれに感想が違っていて、考察の連鎖が続いていくのが面白いなと。僕自身、もう一度見返して、深く考察してみたいなと思いました」

――中川さんご自身、「考察が好き」と話されていましたが、俳優としては“考察される側”になることもあると思います。最近でいうと、日曜劇場「リブート」(TBS系/2026年)での寺本恵土役は、まさにそうだったのではないでしょうか。
「寺本が黒幕の一人であることは、放送後まで絶対に言ってはいけないというプレッシャーがずっとありました(笑)。初回放送日まで(早瀬陸役の)松山ケンイチさんが出ることを言ってはいけなかったこともそうですが、僕が裏切り者だということを最後の最後まで知られないようにしなくてはいけない……視聴者の方々が最高に楽しんだまま、その時を迎えられるようにと思いながら臨んでいました」
――中川さんは、視聴者の方々の考察をエゴサーチしたりするタイプですか?
「時にハッシュタグをたどって、皆さんの考察を拝見していました。“こういう考え方もあるんだ”と驚いたり、深過ぎて今回は描かれなかっただけで、“実はこういうこともあったんじゃないか”と考えてみたり……。正解不正解は関係なく、純粋に皆さんの考察を読むことは面白かったです」

――これまでは考察面のお話を伺いましたが、創作側の視点についてもお聞きします。「異邦人」は、中央線に乗っていた久保田さんが、車窓を見ていて思い付いた楽曲とのこと。美術大学出身で、絵を描くのが得意な中川さんですが、何か描く時はどう生み出すことが多いですか?
「久保田さんのお話は本当に衝撃でした。僕も中央線にはよく乗っていた時期があるのですが、自動車学校があるな、吉祥寺を過ぎると静かだな、ぐらいのことしか感じていなかったので……(笑)。僕が絵を描く時は、作品や曲からアイデアが浮かぶことが多いかもしれないです。漫画を描いていた頃も、自分が好きな西部劇や建築にまつわる作品を描いたりして。あと、中央線からシルクロードまでの飛躍はないのですが、自分が見た景色からアイデアをもらうこともあります」
――音楽は中川さんの日常において、どのような存在ですか?
「実は、日常の中で音楽を聞くタイミングがあまりなくて。その中でも音楽を聞きたいなと思うのは、美しい景色と出合った時など、ドラマチックな状況下に置かれた時。例えば、飛行機に乗って旅立つ時にはMr.Childrenさんの『旅立ちの唄』、気持ちよく起きられた朝には星野源さんの『SUN』など。僕の中で、それぞれシチュエーションに合う楽曲があるんです」
――これまでの中川さんの人生の中で、大切にしてきた楽曲があれば、何か1曲教えてください。
「最近だと、EMINEMの『Lose Yourself』です。結構昔の曲でラップなのですが、“この瞬間に全てをかけろ、この瞬間しかないぞ”ということを歌っている楽曲で。ダイエットをしている時、ジムで走っている時など、“今やらないと、次のチャンスはないぞ!”みたいなことを歌ってくれるので(笑)、EMINEMに鼓舞してもらっています」

――少し意外な回答でした(笑)。「異邦人」には「シルクロードのテーマ」というサブタイトルもあります。これまで中川さんが訪れた“異国の地”で、記憶に残っている場所をどこか挙げていただくと?
「昨年イタリアに旅行に行ったのですが、ミラノからベネチアまで、レンタカーを借りて車で移動したんです。そこから1年くらいたった今、道中にあった、名前も分からないような小さな町の景色をすごく覚えていて。今回『異邦人』を聞いた時にも、その景色が頭に思い浮かんだんです。目的の場所ではないけれど、道中で立ち寄った何もない町が、色濃く記憶に残っています」
――最後に、番組の見どころや視聴者の方に注目してほしいポイントを教えてください。
「考察をプレゼンした側の人間としては、僕が心の奥底まで開いていることが見どころだと思っています(笑)。番組で自分の作品を見てもらうというのは、ある種、自分自身をさらけ出している感覚で結構怖くて……。紅しょうがさんも含めて、“この人、本当はこんなことを考えているんだ!”ということが見えてくると思うので、その部分も楽しんでいただけたらうれしいです」

【プロフィール】
中川大輔(なかがわ だいすけ)
1998年1月5日生まれ。東京都出身。メンズノンノ専属モデル。近年の出演作は、日曜劇場「リブート」(TBS系)、ドラマ「旅と僕と猫」(テレ東系/いずれも2026年)、ドラマ「ifの世界で恋がはじまる」(MBS)、「海老だって鯛が釣りたい」(日本テレビ系)、「東京サラダボウル」(NHK総合ほか/いずれも25年)など。
【番組情報】
「名曲考察教室」
NHK総合
6月18日 午後7:30~7:57
※NHK ONEで同時・見逃し配信予定
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取材・文/片岡聡恵 撮影/蓮尾美智子
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