福士蒼汰主演「東京P.D. 警視庁広報2係」season2、プロデューサーが語る“リアルさ”と“誠実さ”2026/04/27 07:00

地上波での放送終了後、間髪を入れずFODでseason2の配信がスタートした福士蒼汰主演の「東京P.D. 警視庁広報2係」。season2は、政治家暗殺事件とバラバラ遺体発見という二つのショッキングな事件が同時発生するという衝撃の展開で幕を開けた。

警視庁広報2係を舞台に、ジャーナリスティックな切り口で描く社会派警察ドラマとして評判を呼んだ同作。社会部の警視庁担当記者を担当した経験を持ち原案も務めた安永英樹氏と中村亮太氏、両プロデューサーにseason2の見どころを聞いた。
――season2の配信が始まっています。season1の手応えはいかがでしたか?
安永 「おかげさまで好評の声を多くいただきました。テレビ人生でこんなに褒められたことはなかったですね。基本的にはダメ出しとか(笑)ばかりだったのですが、今回はほとんど悪口を言われない。主演の福士蒼汰さんもご自身でそれを体感しているようで、私が言うのもなんですけど、『いい作品で出会えてよかった』と言ってくださって」
――作品を評するのに「硬派」とか「骨太」なドラマという言葉がよく聞かれました。それは狙い通りというところでしょうか?
安永 「それは企画当初からの狙いでした。最初からガッツリ行こうと思っていました。あと福士さんとお会いした時に、『もっと(硬派なスタイルで)攻めていいんじゃないですか』って言ってくれたので、じゃあやっちゃおうかと」

――企画を通すのも大変だったとうかがいました。
安永 「企画が通ったのは2024年の春くらいなのですが、それから組織が変わったりいろいろあって。その間もずいぶん議論がありました。警察ドラマなのに動きがなさすぎるとか、広報課が舞台ってなんだよとか、エンタメとして成立するのかとか。そりゃそうですよね。地味ですし、シリアスですし、決してスカッとする終わり方もしないし。だから自分でも不安はありました」
――でもそれだけ不安材料がありながらも実現したということは、皆さん面白そうな題材だとは感じていたということですよね。中村さんはこの企画を最初に聞いたとき、どうお感じになりましたか?
中村 「単純に面白そうだなと思いました。なかなかないんですよ。複数の企画会議に出て、いろいろな人の企画を見ますけど、本当に面白そうだなって心から思えることってあまりない。だからよく覚えていますね」
安永 「それと当時の編成のドラマのチーフが『これ安永さんにしか作れませんよ』って言ってくれたんです。それは自信になりましたね。このテーマをクリエーションに落とし込めるのは自分しかいないだろうと思っていましたから」

――そうすると企画が通って制作期間は2年くらいですか?
安永 「そうですね。24年の5、6月から僕が脚本家さんと話を始めて、中村さんが……」
中村 「7月くらいからですね」
安永 「そこから、安永・中村・脚本家で進めて、9月くらいから監修の方にも入ってもらって、そこからさらに脚本作りを1年くらい……」
――今、脚本作りの話がありましたが、この作品はいわゆる「ライターズルーム方式」の近年の成功例でもあると思います。これは最初からこの形でとお考えでしたか?
安永 「1人の脚本家に任せないということは決めていました。原案を私が兼ねているということで、いわばショーランナーになりアイデアもどんどん出していく。そして脚本家の方々にそれを具現化して、クオリティーを高めていってもらう。さらに中村プロデューサーには、制作のリアルな部分とか方向性を指摘してもらって、ディスカッションしながら1年かけて作っていきました」

――season1が地上波で、season2は配信になるということで、あえて差をつけようと意識したことは何かありましたか?
安永 「脚本の段階ではなかったです。俳優さんたちの芝居もほとんど差はないですね。地上波の時のテンションでそのまま作っています。ただ演出とか編集だと少しあるかもしれない」
中村 「地上波だとやはり制約があるんですね。表現とか、用語とか」
安永 「配信だと演出の表現も多少幅が広がるし、深まります」
――本作では、安永さんご自身の記者経験を生かしたリアルさとともに、実名報道など扱われるセンシティブなテーマも話題になりました。
安永 「例えば実名報道に関しても、描きたいものが何か、とても大事に組み立てています。本当はほかにも扱いたいテーマはあったんですが、やはり地上波の制約といいますか、やりたくてもできなかったことはあって。その意味での心残りはあります。この段階でも内情を描きすぎだとか怒られていますので(笑)。大事なのは、一つ一つの事案に誠実に向き合っていくことだと思います。中村さんとも、とにかく誠意をもって作るんだと話しています」

――そしてseason2では、“新生自尊の会”をめぐる事件がメインに展開していきます。
「皆さん思い浮かべる事件があるかもしれませんが、実際にはさまざまな要素を入れ込んでいます。思想と政治テロの問題に対して、警察側の取り調べに狙いがあった時、広報は一体どうするのか。今回はその政治と警察権力、思想団体、それを報道するメディア、そしてそのはざまにいる広報というものを描いています。この図式はおそらく普遍的なもので、昔からずっと変わっていない。それを6話通してしっかり描きます。最終の第6話ではseason1から通してすべての伏線が回収されますので、楽しみにしてください」
――楽しみです。でもこのドラマを見ていると、捜査一課長ってレクばっかりやってますよね。事件がたくさんあれば仕方ないんでしょうけど。
安永 「今回描いていないですが、あれのほかに夜回りというものがあります」
――大変ですね……。でも私たちからすれば、まさに今日のインタビューが一課長レクみたいなもので。広報の方々にもいつもお世話になっていますし、局によって対応も違いますし。(同席していた広報・望月氏に対して)どうですか、やっぱり「広報には広報のやり方がある」なんていうセリフが刺さることはありますか?
望月 「すごく刺さりましたし、警視庁の広報とテレビ局の広報は仕事も立場も違いますけど、本質的な部分は変わらないと思っているので、この作品を担当できてとてもありがたいなと思います。自分の広報としてのこれからというか、仕事に対する向き合い方も見つめ直しました」
――今後ともよろしくお願いいたします。でもこのドラマを見てから、ニュースを見ていても「あ、規制線が移動してる」とか「これ、広報が働きかけてるのかな」とか想像しちゃいますもんね。
安永 「ニュースの見方が変わったという話はよく聞きますね」
――安永さんの中で、このシリーズの中で描きたいテーマはまだありますか?
安永 「はい、今回できなかったテーマはまだまだありますので」
――そうすると今回の成功でシリーズ化も期待できそうですね。
安永 「はい。皆さんからそういった声をいただけたらうれしいですね」
「東京P.D. 警視庁広報2係」season2はFODで毎週火曜に最新話を配信中。またseason1の全話も配信しているので、まだ見ていない人はこれからでもぜひ体験してほしい。
【コンテンツ情報】
「東京P.D. 警視庁広報2係」
FOD
season1 見逃し配信中
season2 4月7日から独占配信中(以降、火曜午後9:00に最新話を配信)
※season1第1~3話は無料。

取材・文/武内朗
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