伊藤健太郎、人生初一人5役の重圧!?「TYPEなに?」監督&脚本家と語る制作秘話2026/03/13 06:00

伊藤健太郎が一人5役に挑む、ABCテレビの診断系SFコメディードラマ「TYPE なに? 性格診断で人生決めちゃいます」(深夜0:24、関西ローカル)が、3月20日に放送する。
本作の舞台は、人間の性格を36タイプに分類した“TYPE診断”が支配する社会。伊藤演じる就活生・結城翔が、“性格診断による就職活動”に勤しむ中で、AIがTYPE診断をもとに生成した4タイプの未来の自分に遭遇することになる。
このたび、主演の伊藤、ドラマ初脚本を手がけた、どくさいスイッチ企画氏、そしてワンシチュエーションの真っ白な空間で世界観を見事に映像化したふくだももこ監督によるスペシャル座談会が実現した。
本作の制作経緯について、どくさいスイッチ企画氏は「ふくだ監督とプロデューサーさんとで出し合ったアイデアをベースに、まずお話を作りました。ドラマ脚本は初めてで、最初は映像化できるかどうかを考えずに書いてしまったのですが、ふくだ監督と何度もやりとりをして、映像化のテストもしていただきました」と説明。これに対し、ふくだ監督は「やりとりをしていく中で、常に面白いと思っていました。新しいトピックだし、性格の違う自分を一人5役で演じるし、何もかもがすごく斬新で。面白い作品になるとずっと感じていました」と手応えを語った。
そんなやりとりの中で生まれた脚本を読んだ伊藤は、「すべての役を自分で演じるのか! って、セリフ量に震えました(笑)」といい、「家から撮影現場に向かうまで、初めて台本が手放せなかったし、台本がボロボロになりました。基本的にセリフを覚えることは苦手ではないのですが、あんなにも撮影でNGを出したのは初めてだと思うほどで……」と、これまでにない経験だったことを明かした。

また、シンガーソングライター・野田愛実による「RETAKE」が本作の主題歌に決定した。野田は本作の魅力について、「人はさまざまな顔を持っていて、“本当の自分”が何なのかは、自分でも分からないものです。“自分は何者で、その適性は何か?”と、ごちゃつく頭の中をTYPE別に分類し、“可視化”したうえで、のぞき込める方法がAIだとしたら、とても興味深いです」と語る。
さらに「揺れ動きながらも“RETAKE”して、今の自分、そして未来の自分を選び取っていく……。主人公がどんな答えを出し、どんな『自分』を見つけていくのか、私も楽しみです」とコメント。最後に「皆さんが自分を信じて、何度でも人生を彩っていけるように。この主題歌が寄り添う存在になれたらうれしいです」と思いを寄せた。
前代未聞のワンシチュエーション劇、本作は放送終了後、TVerにて無料見逃し配信が行われる。
https://www.youtube.com/watch?v=jmggkqzU_Tw
伊藤健太郎×どくさいスイッチ企画×ふくだももこ
スペシャル座談会

――今作の脚本はどのように紡ぎあげられたのでしょうか。
どくさい 「ふくだ監督とプロデューサーさんとで出し合ったアイデアをベースにまずお話を作りました。ドラマ脚本は初めてで、最初は映像化できるかどうかを考えずに書いちゃったのですが、ふくだ監督と何度もやりとりをして、映像化のテストもしていただきました」
ふくだ 「私たちがお伝えしたアイデアをすごく面白がってくださって、すごい速度で何パターンも書いてくださるんです。その上でやはり、どくさいさんが描いた世界観を大切にしたいと常に考えていました。ただ、やりとりをしていく中で、常に面白いと思っていて。新しいトピックだし、性格の違う自分を一人5役で演じるし、何もかもがすごく斬新で。面白い作品になるというのはずっと感じていました」
どくさい 「良かったです。でも、書いている段階ではキャスティングが決まっていなくて、伊藤健太郎さんに決まったと聞いた時は“こりゃ大ごとになった”って」
伊藤 「そんなそんな!」
どくさい 「いつもは自分が演じるコントや落語の台本しか書いたことがなかったので、伊藤さんのイメージへとセリフを調整していきました」
ふくだ 「そうでしたね。企画段階から真っ白な空間で、しかも一人5役で撮影する方針でしたから、まったくキャスティングが想像できなかったんですが、伊藤さんに決まった時、『めっちゃいい!』って盛り上がったんですよ。足りなかったピースが完全にそろった確信がありました。伊藤さんは最初に台本を読んだ時の印象ってどうでしたか?」
伊藤 「最初に読んだ時は……震えましたね」
ふくだ 「どういう意味で?」

伊藤 「すべての役を自分で演じるのか! って、セリフ量に震えました(笑)。それに5役といっても同じ顔なので、オーバーに演じなきゃいけないときもあるだろうなと思いつつ、同じ人物でもあるので、そのバランスはすごく考えました。今作では、初めて家から撮影現場に向かうまで台本が手放せなかったし、台本がボロボロになりました。基本的にセリフを覚えることって苦手じゃないんです。でも、あんなにも撮影でNGを出したのは初めてなほどで……。特に最終日はすごく詰まっちゃうことがあって」
ふくだ「そうなんだ……!」
伊藤 「目をつむると頭の中に5人の結城が出てくるんですよ。それこそ落語のように5人が口々にしゃべって(笑)」
ふくだ 「うわあ……セリフの覚え方ってどうしていたんですか?」
伊藤 「最初はセリフの覚え方が分からなかったんですよ。これまでとは台本の読み方が圧倒的に違っていて、1人のキャラに集中して覚えるわけにはいかないので、全部を一気に覚えてから一人で掛け合いをする感じでした。まさに落語をやっているような感覚でしたね。落語家さんってすごい! って思いました」
どくさい 「演じ分ける時って、セリフを覚えてからキャラクターを作っていくのですか?」
伊藤 「そうですね。覚えてからニュアンスとか声とかをイメージして、リハーサルで監督とお話をして。キャラを詰めていくのは、衣装を着てメークをしてカメラの前に立った時に生まれる感覚が大きいかもしれないです。ただ、今回はワンシーン撮った後に、別の性格として同じシーンを撮影するというのを5回繰り返すんです。なるべくそのシーンに慣れ過ぎないように意識しましたが……5日では撮影は終わらないと思っていました(笑)」
ふくだ 「スタッフさんも含めてみんな5日で終わるって信じていなかったですね(笑)」
どくさい 「大変な台本を書いてしまって、申し訳なさが沸き上がってきました……」
伊藤 「そんなことないですよ! むしろ、撮影が終わったら、すごい達成感だろうなって思っていたんです。もう自分の中ではすごいチャレンジングな作品で勉強にも自信にもなりましたし、痺れましたね」

──今作では、ボディダブル(顔が映らないシーンを演じる代役を用いた撮影方法)を取り入れています。
伊藤 「代役の方々が5人いらっしゃって、そのキャラとして、しっかりとお芝居をしてくださいました」
ふくだ 「この5人の存在がとても大きかったですね」
伊藤 「本当に! 僕が演じた芝居を、皆さんメモまで取ってテストで忠実に再現しようとしてくださるんです。それで、再現してくださったお芝居を俯瞰(ふかん)で見ることで“もっとこうしてみよう!”って思えることが多くて……本当に刺激になりましたね」
ふくだ 「代役さんが忠実に伊藤さんのお芝居をトレースしているのに、絶対に同じようにはやらなかったですよね?」
伊藤 「うれしい反面、“もっともっとこうするよ!”みたいな気持ちになっちゃって(笑)。でも、そこが一番勉強になったんです。自分が演じた直後に、自分の芝居を別の役者さんが演じてくださる機会なんてなかなかないですし、自分にとって新しい発見がたくさんありました。」
ふくだ 「特にカリスマタイプで、伊藤くんがテストでいきなり大見得(え)を切る芝居をした時は、ボディダブルの役者さんたちが“なになに? どんな動き?”ってざわついていたんです(笑)。でも、それくらい一所懸命に演じてくださって」
伊藤 「本当に、5人がいなかったらこのドラマは完成していなかったと思います」
どくさい 「撮影現場に伺った時、代理店の人だと思われていて誰からも声を掛けられない時間があったんです……」
伊藤 「脚本家さんだとは、まったく思わなかったんです……失礼しました」
どくさい 「いえいえ。この服装(スーツ)でしたから……(笑)。実際に撮影を見学させていただいて、伊藤さんが演じているのを拝見すると“結城ってこんな人だったのか!”という発見もありましたし、自分で描いたキャラクターが伊藤さんやボディダブルの皆さんのお芝居で、より魅力的に増強されているのが伝わってきて、本当にうれしかったです」

──撮影現場は全面真っ白なスタジオでした。
どくさい 「企画段階から白い空間をどう映像化していくかをずっと話していましたが、本当に真っ白なスタジオで撮影していて……」
ふくだ 「脚本づくりは本当に楽しかったんですが、撮影が始まると“こんなにも大変なんだ!”ってビックリしました(笑)。どうやったって背景は真っ白ですし」
伊藤 「(演じる側としては)カメラに向かってお芝居するシーンはまだ良かったんですが、4人に囲まれた結城がみんなを見渡した時、不意に役が抜けて、われに返りそうになる瞬間があって。その意味では、小物があるセットだったら、かえって難しかったかもしれないです。真っ白なスタジオだったからこそ、ドラマの世界観に没入できたのかなと、終わってみると感じますね」
ふくだ 「確かに、お花や本があったら気になっちゃったかも。監督としては、こんなにも一人の芝居を見続けて向き合える経験ってすごく楽しかったです。背景が常に真っ白だからこそ、カメラマンの柴尾(和飛)くんがいろんな角度や寄り引きで結城を撮ってくれて、照明の志村(幸也)くんも飽きさせないような不思議な空間を作って……。改めて技術部のすごさを感じた撮影でした」

伊藤 「大切にしているセリフって結構あるんですが、個人的には『人生すべてタイプ診断を基に、ですか』というセリフ。ドラマの根幹になる言葉の一つだと思っていて、見た方がこのセリフをどう受け止めてくださるのかは、自分の中でも気になるし、大事にしたい部分として印象に残っています」
どくさい 「そう言っていただけてすごくうれしいです。お笑い芸人の僕に脚本を依頼いただいたということは“笑える面白さ”を期待されているのかなと思って書き始めたのですが、最終的には物語で何を伝えたいかというテーマ性を心がけていたので、今こうして伊藤さんと共有できてよかったです」
ふくだ 「私はラストシーンの結城の表情です。どくさいさんの脚本ですし、ゾワッとするような不思議な見終わり感にしたくて、伊藤さんに“ある表情”をお願いしました。そうしたら一発で決めてくださって。“あぁ、伊藤さんで本当に良かった”と思えた瞬間でしたし、脚本で想像していたことを役者さんが想像を超えて体現してくれる。その瞬間を目の当たりにできて、本当に幸せでした」
あらすじ

大学4年生で就活中の結城翔(伊藤)は、器用で周囲の空気を読むのが得意な“協調タイプ”。TYPE診断を疑うことなく就活を続けてきたが、なかなか内定を取ることができなかった。
そんな中、マルチメタ社の採用試験へと臨み“最初で最後の面接”へと進むことに。そこは床も壁も真っ白な空間。選考過程で協調タイプと診断された結城の目の前に現れたのは、自分と同じ顔をした4人の結城だった。
その4人は、潜在的に傾向のある四つの性格タイプを最新テクノロジーによって“10年後の結城”として立体映像化した姿で、スーツを着た「協調タイプ」、作業服を着た「堅実タイプ」、ラフな服装の「カリスマタイプ」、白衣をまとった「研究タイプ」。顔だけは同じだが、一見するとまったくの別人だ。
彼らは、選択した性格タイプの違いによって、まるで別人のように成長した自分自身の姿。しかし、彼らとの対話の中で、結城は自分の中に4タイプの傾向が確かにあることを自覚していく。
選考が進むごとに自分に合わない“TYPE”を一人一人消していき、最後に自ら選んだTYPEで入社することになる結城は、10年後の自分自身との対話を通してどのTYPE(=未来)を選択するのだろうか。

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