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芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」2026/03/10 07:00

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芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 NHK総合で3月26日・27日に2夜連続で放送予定の特集ドラマ「片想(おも)い」(午後10:00)。脚本家・岡田惠和さんによるオリジナル作品で、盛岡の豆腐店を舞台に、幼なじみへの片想いを胸に秘めながら日々を生きるヒロイン・菅原優衣の物語が描かれる。

 本作で主人公・優衣を演じるのは、芦田愛菜。「片想い」という一見すると切なさを想起させるタイトルの奥にあるのは、想い続けることそのものを肯定する、穏やかで優しい時間だった。芦田はこの作品とどう向き合い、優衣という人物をどのように立ち上げていったのか。脚本、共演者、ロケ地での体験を通して見えてきた“想うこと”への実感を語ってくれた。

「その世界にずっと浸っていたい」と思えた脚本との出合い

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 脚本を読んだ時の第一印象について、芦田はこう振り返る。

「私が演じる優衣ちゃんが本当にかわいくて、いとおしくて。岡田さんの描かれる世界がとても温かくて、優しいドラマになるんだろうなと感じました。その世界にずっと浸っていたいと思えるような作品で、早く演じたいという気持ちで、ずっとうずうずしていました」

 本作は、制作統括の黒沢淳さんが岡田さんと「ドラマ史上、最もピュアな純愛をやろう」と話し合ったことをきっかけに生まれた企画だという。勝算がないと分かっているからこそ、遠慮なく、ずっと想い続けることができる。そんな片想いの在り方こそが至高の純愛ではないか。そんな想いから、この物語は立ち上がった。

 撮影現場についても、芦田は「本当に笑顔にあふれた、楽しい現場でした」と語る。

「皆さんすごく優しくて、毎日幸せだなと思いながら撮影していました。早く見ていただきたいという気持ちが、自然と湧いてくるような現場でした」

岡山天音との共演が引き出した“芝居の感覚”

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 片想いの相手・健二を演じるのは岡山天音。幼なじみ役ということもあり、撮影前から距離感をつかむためにコミュニケーションを取りたいと考えていたという芦田だが、「どう話しかけたらいいのか分からなくて少し迷っていた」と明かす。しかし岡山の方から話しかけてくれたことで安心できたそうだ。

 共演を通じて感じた岡山の魅力について、芦田は言葉に力を込める。

「撮影が始まって2日目くらいに、回想シーンのお好み焼き屋さんでの長いシーンがあったんです。この距離感をうまく表現できるかなと不安だったんですが、岡山さんがド直球でボールを投げてくださるような感覚がありました。家でも現場でも考えても出てこないような、自分のセリフの言い回しやお芝居が自然と出てきて。お芝居のパワーをずっといただいているような気がして、お芝居するのが楽しいと思わせてくださいました」

 岡山との芝居は「ストンと腑(ふ)に落ちていく感じがあって、すごく気持ちよかった」とも表現。相手から投げ返される感情を受け取り、そのまま返す。その応酬の中で、優衣という人物がより立体的に浮かび上がっていった。

盛岡という土地と、豆腐店の時間が与えてくれたもの

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 本作の舞台となる岩手県盛岡でのロケーション撮影も、芦田にとって大きな意味を持つ時間だった。

「盛岡は本当に緑が豊かで、穏やかな空気が流れている場所でした。優衣という役には、恋を実らせたいとか、タイムリミットへの焦りみたいな気持ちはあまりなくて、すごく穏やかな時間の中にいる子なんだろうなと感じていたので、その空気感が役とすごく重なりました」

 特に印象に残っているのが、豆腐店での撮影だ。

「豆腐作りってシンプルに見えるんですけど、実はたくさんの手間がかかっていて、人の手で丁寧に、愛情を込めて作られているものなんだと実感しました。そういう穏やかさや丁寧さが好きな優衣は、やっぱり優しくて穏やかな子なんだろうなと感じました」

 撮影で楽しかったシーンとして挙げたのは、豆腐作りのあと、円卓を囲んで朝ご飯を食べる場面。

「皆さんでおしゃべりしながら撮影を進められて、ずっとその場にいたいなと思うくらい、家族のような温かさがありました」

 一方で大変だったのは、真夏の豆腐店での撮影。大豆を蒸す蒸気が立ちこめる中、かなりの暑さだったことも、今では忘れられない思い出だという。

岡田惠和脚本の魅力。ト書きが導いた優衣の輪郭

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 岡田惠和作品への出演経験もある芦田だが、今作の脚本にも強く心をひかれたという。

「脚本を読んだ時から、とても温かくて、優しくて、平和な世界だなと感じました。岡田さんの脚本には、セリフではないト書きがたくさんあって、今回は優衣が思っていることが顔に出てしまう役だったので、そのト書きから岡田さんの優衣への思いをすごく感じました」

 最初に脚本を読んだ時に抱いた「優衣ってなんてかわいい子なんだろう」「すごく魅力的なキャラクターだな」という感覚を、そのまま視聴者に届けたい。その思いを軸に、役と向き合っていった。

 制作統括の黒沢さんも、ト書きの魅力について触れ、健二が二階の屋根を渡ってくる描写や、健二の絵を慌てて隠す優衣のしぐさ、おみくじを印刷して“大吉”を健二に渡すエピソードなど、何げない描写の積み重ねが人物像を豊かにしていると感じたという。

 また、演出を手がけた津田温子さんは、「片想い」というタイトルから想像する以上に、恋愛を超えた広がりを持つ脚本だったと受け止めていた。

 「最初はラブストーリーだと思っていましたが、岡田さんの脚本を読んで、『片想い』という気持ちは恋だけでなく、すべてのことに当てはまるのだと感じました。その優しさが、物語全体に流れていると思います」

 さらに、セリフに書かれていない部分にまで思いが込められている点にも触れ、「言葉ではない部分を、体やたたずまいでどう表現するかをイメージして書かれている脚本で、それを成立させられるのは芦田さんだからこそだと思いながら撮影していました」と振り返った。

 そうした脚本世界を踏まえた上で、制作統括の黒沢さんは、優衣というキャラクターの魅力と芦田のキャスティングについて言葉に力を込める。「健二が帰ってくる時は甘えた表情を見せるのに、本人を前にすると急に素っ気なくなったり、ふとした瞬間にまた違う表情をのぞかせたりする。その振り幅が絶対に芦田さんにしかできないと思っていました」と芦田への信頼をにじませた。

純度の高い優衣を演じるために大切にしたこと

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 優衣というキャラクターを演じるにあたり、芦田が大切にしていたのは、物語の中で流れていく「時間」と、一つ一つの「瞬間」に真っすぐ向き合うことだった。

「先ほどお話ししたことと少し重なるかもしれませんが、この作品の中で流れている時間はとても穏やかで、優衣はその瞬間その瞬間をすごく大切にしている子なんだろうなと思っていました。結果を出さなきゃとか、先を見なきゃという意識ももちろん大事なんですけど、そうではなくて、その瞬間に投げかけられた言葉を丁寧に、真っすぐ受け止めて、真っすぐ返していく。その姿勢が、優衣のピュアさとして表現できたらいいなと思っていました」

 役の裏側を計算したり、先の感情を組み立てたりするよりも、その場に差し出された出来事に素直に反応する。その在り方が、優衣という人物の輪郭を形づくっていった。

「裏の気持ちを考えたりすることはほとんどなくて、瞬間瞬間を楽しみながら生きているような、そんな幸せなオーラを出せたらいいなと思っていたので、すべての出来事に対して純粋に、一つ一つきちんと向き合うという感覚でお芝居をしていました」

 一方で、あまりにも真っすぐで純度の高い人物像だからこそ、演じることへの不安もなかったわけではない。

「演出の津田さんがおっしゃっていたように、岡田さんのト書きがとても魅力的だからこそ、それをどう演じればいいのかという不安はありました」

 ただ、その不安は次第に、演じる喜びへと変わっていったという。

「でも、あれだけ真っすぐに気持ちを表現すること自体はすごく楽しかったですし、優衣を演じている時間は、私自身もすごく幸せな気持ちになっていました。ト書きがしっかりしていた分、役作りも自然と優衣に入っていけた感覚があって、難しいというよりは、本当に楽しくて幸せな役だったなと思います」

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

 優衣の魅力の一つでもあるツンデレな一面については、楽しさと同時に難しさもあったと正直に明かす。

「演じていて楽しい部分ではあったんですが、やっぱり難しさもありました。感情の落差がすごく大きいので、どういう気持ちでいて、どこで落ち込んで、そこからどうやってまた明るくなるのか。その流れを考えながら表現するのは簡単ではなかったです」

 それでも、その振り幅こそが優衣という人物の本質であり、演じがいのある部分だった。

「それが優衣という人物の大きな魅力でもありますし、総合的には大変さよりも、楽しかったという気持ちの方が大きかったですね」

 「片想(おも)い」は、恋愛に限らず、人や仕事、夢や人生に向けたあらゆる“想い”を優しく肯定する。誰かを、何かを好きでい続けること。その気持ちが、今を生きる理由になる。芦田が体現した菅原優衣の姿は、見る者の心に、温かな余韻を残してくれるはずだ。

【プロフィール】
2004年6月23日生まれ。兵庫県出身。ドラマ「Mother」(日本テレビ系/10年)で圧倒的演技が評価され、注目を集める。その後も「マルモのおきて」(フジテレビ系/11年)など多数の話題作に出演。近年は「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系/23年)で117回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞、映画「はたらく細胞」(24年)では第48回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞している。

【番組情報】

芦田愛菜、ドラマ「片想(おも)い」でツンデレ主人公役! 岡山天音に「パワーいただいた」

特集ドラマ「片想(おも)い」
NHK総合
3月26日・27日<2夜連続>
午後10:00~10:45 
※NHK ONEで同時・見逃し配信予定

取材・文/斉藤和美

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