竹内涼真と町田啓太の熱いハグ！「10DANCE」で見せた“覚悟と愛”2025/12/20 12:00

　ラテンダンスの日本チャンピオンと、ボールルームダンスの日本チャンピオン。ダンスのスタイルも性格も正反対の2人が、“ダンス界のトライアスロン”とも言われる究極の競技“10ダンス”に挑む姿を描く「10DANCE」が、12月18日からNetflixで世界独占配信中だ。

　井上佐藤氏による大ヒットコミックの実写化に挑んだのは、映画「るろうに剣心」シリーズ、「宝島」の大友啓史監督。ラテンダンス日本チャンピオン・鈴木信也を竹内涼真、ボールルームダンス日本チャンピオン・杉木信也を町田啓太、鈴木のパートナーの田嶋アキを土居志央梨、杉木のパートナーの矢上房子を石井杏奈が演じている。

　物語は、杉木が鈴木を“10ダンス”に誘うところから始まる。“10ダンス”とは、ラテン5種、ボールルームダンス5種の全10種のダンスを1日で踊り、競い合う競技だ。肉体的にも精神的にも極限まで追い込む必要のある競技に挑むために、互いの得意分野を教え合おうという杉木の提案に、闘志をかき立てられる鈴木。快楽主義者の鈴木と、完璧主義の杉木はぶつかり合うが……。過酷なレッスンを通して、互いの技術をリスペクトし始め、精神的にも距離を縮めていく2人。やがて鈴木は、杉木にひかれていることに気付く。

　社交ダンス初挑戦の竹内＆町田が自らの限界に挑み、男同士の甘美な愛と苦しみを演じきった本作。12月17日に行われた配信記念イベントでは、作品に関わった全員が全身全霊を懸けて完成させた作品の見どころを、竹内、町田、大友監督が語った。

　配信を迎えて「いよいよ来たなという気持ち」と興奮した様子の竹内は、オファーを受けた際の心境を「31歳の1年をこの作品に捧げてみたいという気持ちもあったけれど、絶対に厳しい戦いになるし、自分のすべてを懸けて挑まないと成功しないというのも感じていて……。でもやっぱり、自分の可能性を信じたくなって『やります』と言っちゃった（笑）。町田くんと大友さんとだったら奇跡が起こるんじゃないかという気持ちと、本当にやれるかなという地獄みたいな気持ちを行ったり来たりしていた」と振り返った。

　「撮影が終わった時より、今のほうがグッと来ている」と感動をかみ締めた町田は、「プロダンサーの道を諦めた人間ですから、その時に消化できなかった思いが消化できるのかなという思いもあったし、自分みたいにくすぶったものを抱えている人に前を向いてもらえたらという気持ちもあった」と本音を告白。しかし、過去のダンス経験は「全然意味ない」と感じたそうで、「興奮と絶望がずっと入り混じっていました」と苦笑した。

　キャスティングの理由を問われ、大友監督は「僕はこれまでも俳優が奇跡を起こす瞬間を見てきたし、無我夢中でやった時に“何か”が起きると信じている。今回も2人がインスピレーションを与えてくれて、練習の段階からカメラを回してしまうくらい興奮していた。役者の仕事は『世界で戦うプロのダンサーになる』ことではなく『いかに本物に見せるか』ということだし、大切なのはダンスからあふれ出る愛や葛藤といった感情を見せること。そこに関しては早い段階から勝算があった」と2人の俳優としての力を称えた。

　ダンスの練習については、「自分だけでなく人を信じるのは怖いことだけど、“信じる”を超えた瞬間に予期せぬサプライズが起きた」と竹内が笑顔を見せると、町田も「大友さんが10種類のダンスを全部やろうと言い出した時は凍りつきました。でも大友さんが僕らを信じてくれているんだから、自分たちが信じなければ物語が動かないと思った」と覚悟を語った。

　竹内によると、次第に手を触れただけで相手の体調やテンションが伝わるようになっていったそうで、町田も「ダンス未経験の竹内くんの初めてのダンスシーンを見て、本当に感動して。『本当』だから生まれるものがたくさんあった」と回想。

　作品を通じて描かれる“愛”について質問が飛ぶと、竹内は「お互いに100％以上の熱量でぶつかり合って、受け入れて、許す。相手をリスペクトするのがダンスだと感じたし、劇中で踊っていて、これが愛だと感じる瞬間があった」と口にし、町田は「“愛”を可視化できるのがダンスの素晴らしさ。僕の愛とすべてを注いで作ったので、それを感じてもらえたら最高」とコメントした。

　ダンスの華麗さだけでなく、2人の指先の繊細な表情から内面が伝わってくる部分を見どころに挙げた大友監督は、「衣装、音楽などにも徹底的にこだわりましたし、イギリスのブラックプールのど真ん中で俳優が踊った時に観客から本物の歓声が上がって……うそのない作品ができました」と自信を見せた。