ゆずが震災の経験を“うた”で伝承。東日本大震災から15年、そのドキュメントを放送2025/12/05 15:15
NHK総合では、12月12日の「東北ココから」（金曜午後7：30、東北ローカル＝仙台放送局制作）で「東日本大震災から15年 ゆずとつくる 未来へつなぐうた」を放送。東日本大震災から15年の経過を目前に、ゆず（北川悠仁、岩沢厚治）が震災の経験を未来へつなぐ“うた”を作るため、東北を渡り歩く番組だ。
東日本大震災をはじめ、熊本や能登半島など大きな災害が起きるたび、現地を訪れて歌でエールを送ってきたゆず。今秋、NHKは2人に、発生から15年がたつ震災の経験を未来へつなぐ曲の制作を依頼。この番組では、ゆずが曲作りのヒントを求めて訪問した宮城・石巻市、福島・双葉町、浪江での、震災を伝え続けてきた人たちとの対話を通じて、2人が東日本大震災と改めて向き合った二日間の記録を伝える。
石巻市で足を運んだのは、震災伝承施設になっている門脇小学校や80人を超える犠牲者が出た大川小学校。展示内容を企画した学芸員や娘を亡くした語り部の男性と顔を合わせ、“震災を未来に伝えるとはどういうことなのか”について語り合った。
そして、双葉では、2人は3年前に避難指示が解除された地域で住民たちが開催していた芋煮会に飛び入り参加。さらに、10年前に復興イベントのステージで共演した浪江出身の女性との再会を果たし、ふるさとに対する深い思いに耳を傾けた。
北川は「今回の旅を通して、人の本質や根源的な感情に出合えました」と振り返り、「きっと“ひとの歌”であり、“まちの歌”であり、“ふるさとの歌”であり、すごく身近な歌になるんじゃないかという気がしています」と東北の人々の心に寄り添った楽曲の制作に着想を得られたと告白。
一方、岩沢は「今回お話をうかがった方は、すごく悲しいことがあったけれど、この15年でそれぞれのやり方で前に進んでいました」と東北の地で出会った人たちに触れ、「震災直後、われわれが被災地から勇気をいただいたように、また今回もすごく勇気づけられました」と彼らの強さを実感したようだ。
本番組では、宮城出身の宮世琉弥がナレーションを担当。「僕も東日本大震災を経験している身として、ゆずのお二人が自分のことのように震災に向き合ってくれてうれしかったです！」とゆずの姿勢を喜ぶ宮世は、「震災を風化させないよう、自分も頑張りたいと改めて思いました」と励みになったことを明かしている。
なお、本番組はNHK ONEで見逃し配信が予定されている。
また、NHKでは今後、「東日本大震災15年」を番組やイベントで多角的に取り上げていく予定。阪神・淡路大震災から30年の月日が流れた2025年1月には、「災害の記憶継承30年限界説」という報道が注目されるなど、世代交代によって難しくなっていく記憶の継承。今回のゆずによる楽曲制作は、エンターテインメントの力で震災の経験を未来へつなぐことを目指している取り組みとなっている。
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