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「おトキちゃん(髙石あかり)は、まるで自分の子」旅館の女将役・池谷のぶえが語る「ばけばけ」2025/10/29 08:15

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「おトキちゃん(髙石あかり)は、まるで自分の子」旅館の女将役・池谷のぶえが語る「ばけばけ」

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜午前8:00ほか)で、花田ツルを演じている池谷のぶえ。主人公・松野トキ(髙石あかり)がシジミを売りに来る花田旅館の女将で、平太(生瀬勝久)と共に旅館を切り盛りしている。トキのことをとてもかわいがっており、カラッとしたたくましさが、トキの心の支えになっている人物だ。

 髙石が主演を務める「連続テレビ小説」第113作の同作は、ふじきみつ彦さんが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・セツをモデルに描く物語。明治という西洋化で急速に時代が移り変わるなかで、松江の没落士族の娘・トキと、縁あって松江で英語を教えることになった英語教師のレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が出会い、文化や言葉の壁を越えて愛を育む。「怪談」を愛し、何げない日常を歩んでいく夫婦の姿を通して、埋もれていった人々の声をすくい上げる愛の物語だ。

 トキを温かく見守る花田旅館の女将・ツルを演じる池谷に、ツルという役柄や共演者とのエピソードについて話を聞いた。

――ご出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

「脚本家のふじきさんとは昔からの知り合いで、面白い舞台作品をよく拝見していたので、『ばけばけ』を書かれるとニュースで知って、楽しい作品になりそうだなと思っていました。小泉八雲さんのことも、イキウメ(劇団)の舞台『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を観劇して気になっていたので、気になる二つが合体する面白そうな朝ドラだと思っていたところにお話をいただきうれしくて、作品に関われることに、とてもワクワクいたしました。これまでに出演した朝ドラ(『瞳』(2008年)『ひよっこ』(17年)『半分、青い。』(18年))は、どれも東京のNHK制作だったので大阪局にお世話になるのは初めてですが、なぜか『おかえりなさい』という雰囲気がある温かい現場です」

「おトキちゃん(髙石あかり)は、まるで自分の子」旅館の女将役・池谷のぶえが語る「ばけばけ」

――演じられる花田ツルさんはどんな人物でしょうか?

「ツルはおトキちゃんがシジミを売りに来る花田旅館の女将です。おトキちゃんに対しては、まるで自分の子どものような気持ちもあるんだろうなあという気がします。おトキちゃんにとって家族には言えないことを言えたり、頼めないことをお願いできるような、家族とは違う手助けを求められる存在でしょうね。私自身も祖母の家に行くと親に対するのとはまた違った甘え方ができたような気がするので、トキにとってのツルもそういう感じではないかと思います」

――共演者の皆さんとの撮影エピソードをお聞かせください。

「トキ役の髙石あかりさんとは初めましてです。凛としていながら、とても柔らかく自然体でその空間にいらっしゃいます。まだお若いのに素晴らしいですよね。平太役の生瀬さんとは何度もご一緒していて、リスペクトと信頼があるので、お芝居については何一つ相談していません(笑)。ツルと平太に楽しいことを求めていただいている空気感をたぶん生瀬さんも感じていらっしゃるはずなので、コミカルなことは積極的にやるようにしています。

ツルはヘブン先生とのシーンも割と多い役です。初めは『ちょっと困りますよ、異人さん』という感じですが、次第に積極的にまでは行かずとも、平太さんよりは受け入れるようになっていきます。もしかしたらおトキちゃんとヘブン先生の関係に何か予感めいたものを感じているのかもしれないですね。ヘブン役のトミーさんは『こういう感情だったらこうした方がいいんじゃないか?』などと、積極的にご相談されている印象です。『ここはヘブンが靴のまま上がった方が面白いんじゃないか』と提案されたり、ユーモアあるアイデアも持ってらっしゃるすてきな方です」

「おトキちゃん(髙石あかり)は、まるで自分の子」旅館の女将役・池谷のぶえが語る「ばけばけ」

――収録された中で印象的だったシーンは?

「とても印象的で大好きなのが、おトキちゃんとおフミ(池脇千鶴)さんがシジミを売りに来るシーンです。シジミはむき身と殻つきの2種があってお二人はお高い方のむき身を買ってほしいわけなんですけど、それを見せてくださる2人の姿がなんとも言えず、『むき身を買うよ~!』という気持ちになりました。ちっちゃいシジミをこんなにむくのは、そりゃ大変だ! と思うほど、すごい量のむき身だったんです(笑)。あのむき身のアップを撮ってほしいぐらいでした。きっと2人で怪談を話しながら、朝までむいていたんでしょうね。

それから、阿佐ヶ谷姉妹さんの蛇(へび)と蛙(かえる)のナレーションもとても好きです。松江で八雲さんが住んでいたお家を見に行ったら、書斎の前のお池でカエルがゲコゲコ鳴いていたので『だから蛙がナレーションなんだ!』と納得しました。お庭にはちゃんと蛇もいるらしいですよ。蛙と蛇が2人の暮らしをずっと見守っていたんだなと思いました」

――視聴者の方々へ作品の見どころとメッセージをお願いします。

「おトキちゃんとヘブン先生の人生が軸ですが、その周りで生きていた人たちの人生もほんわかと温かく描かれ、優しい作品になっています。『ばけばけ』というタイトルには怖いイメージもあるかもしれませんが、そんなことはありません。ふじきさんの脚本の、日常を本当にそのまま大切に大切に紡いでいる感じがとてもすてきなので、ドラマをご覧いただく時間も温かく、良いひとときになるんじゃないかと思っております。ぜひご覧ください」

「おトキちゃん(髙石あかり)は、まるで自分の子」旅館の女将役・池谷のぶえが語る「ばけばけ」

【番組情報】
連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15 ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45

文/TVガイドWeb編集部

※2025年10月29日11時40分加筆修正しました

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