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小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇2025/09/24

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 10月16日から世界独占配信されるNetflixシリーズ「匿名の恋人たち」。このたび、9月17日から開催されているアジア最大規模の映画祭・第30回釜山国際映画祭において、今年最も期待される話題のドラマを紹介する「オンスクリーン部門」に正式招待され、映画祭3日目となる19日、主演の小栗旬、ヒロインを務めたハン・ヒョジュ月川翔監督がワールドプレミアに登壇した。

 30~40代の大人の純愛を描くロマンティックコメディーとして始動した、Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」。“人に触れられない”“人の目を見られない”という、恋愛には絶望的に向かない男女の恋模様を、実力派の豪華キャストと世界で活躍する日韓のスタッフが集結し、不器用だけどいとおしい大人の恋をコミカルに映し出す。

 主演の小栗は、ある理由から人と握手さえ交わせなくなってしまった潔癖な製菓メーカー御曹司の主人公・藤原壮亮役で、13年ぶりの王道ロマコメ作品となる。韓国の実力派俳優であるヒョジュは、“視線恐怖症”を抱える天才ショコラティエのイ・ハナを演じる。さらに、壮亮の数少ない理解者である友人・寛には赤西仁、壮亮の友人で精神科医でもあるアイリーンには中村ゆりが扮(ふん)する。

 プレミア当日の朝にはメイン予告とキーアートも解禁となり、日本韓国をはじめグローバルでいよいよ来月に迫った配信スタートへの期待が高まる中、ついに本作の第1・2話が初お披露目。上映が終了すると同時に温かな拍手に包まれた会場に、小栗、ヒョジュ、月川監督がそろって登壇。最高のカップリングを見せた小栗とヒョジュが公の場で並ぶ姿は今回が初ということもあり、会場に詰め掛けた約300人の観客からは大きな歓声と拍手が巻き起こった。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 釜山国際映画祭へは初参加となった小栗が「こんにちは! この作品で釜山国際映画祭に参加することができてうれしいです! 皆さん、サランヘヨ!(愛しています)」と、時折隣にいるヒョジュに耳打ちで教わりながらも韓国語でしっかりとあいさつ。会場にも「初恋は小栗旬でした」と熱いメッセージを送るファンがいるなど、韓国でも熱狂的な人気を誇る小栗は、黄色い歓声が送られると思わず照れ笑いを浮かべる場面も。

 そして、国内外で圧倒的な知名度を誇り、韓国を代表する俳優の1人でもあるヒョジュは、白シャツにデニムというシンプルな出で立ちながらも、その圧倒的な美しさと存在感に客席からため息が漏れるほど。上映されたばかりの本編さながらに、大人の2人の、自然体ながらもどこかかわいらしい雰囲気に、会場は和やかな空気に包まれながらイベントはスタート。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 作品を見終えたばかりの興奮冷めやらぬ観客たちからの質疑応答を中心に繰り広げられた本イベント。令和の時代に“大人のロマンティックコメディー”を見事に体現した2人によって、主人公とヒロインの役づくりから語られた。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 ヒョジュ演じるハナは、幼い頃から“人の目を見ること”ができないという秘密を抱えているという難しい役どころ。「“視線恐怖症”というと重い悩みに捉えられてしまうかもしれませんが、実は誰もが少しずつ持っているものだと思います。私自身のケースでは、長年俳優活動をしていますが、役を演じている時よりもハン・ヒョジュとして人前に立つ時の方が緊張します。そのような時に逃げ出したい瞬間がたくさんあるのですが、その気持ちをハナが抱える悩みに投影することで、役をつくっていきました」と、自身の感情をうまくキャラクターに乗せることでヒロイン・ハナという役を演じていたことを明かした。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 対する小栗が演じる壮亮も、実は“人に触れられない”という秘密を抱えている。ヒョジュと同じく難しい役どころを演じた小栗だったが、「壮亮の中に引かれている線引きを明確にすることで、そのキャラクターを演じながら飲み込んでいった」と明かす。加えて「壮亮が温泉に入るシーンがありますが、壮亮は(他人が入った可能性がある)温泉に入れるのか、入れないのか。撮影現場でも真剣な議論を交わしました」と、細かいルールを決め検証していくことで、キャラクター像を明確にしていったとのこと。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 そんな2人が試行錯誤しながら挑んだ「匿名の恋人たち」は、制作陣も世界で活躍する日韓のトップクリエーター陣が集結して制作されたため、撮影現場でもさまざまな交流があったそうだ。

 ヒョジュは日本語でのセリフ回しに、多くの努力を費やしたとのこと。ハナは10年ほど日本に暮らしており、その中で壮亮に出会うという設定で、ハナを演じるヒョジュの台本には、作品の中でもほぼ日本語のセリフが当てられていたが、「母国語で話す時の2倍、3倍のエネルギーを使います」と大きなプレッシャーを感じながらの撮影だったと振り返る。もともと日本語になじみはあったものの、10年間日本に暮らしていた人が話す日本語がどのようなものか、監督や日本語指導の先生、そして小栗と日々相談しながら調整をしていったそうで、そのひたむきに努力し続ける姿に、小栗も「本当にすごく頑張ってくれたヒョジュの存在が大きかった」と絶賛。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 対する小栗が衝撃を受けたと述べたのは、2020年のアカデミー賞・作品賞を受賞した「パラサイト」の制作にも携わったイ・ハジュンの存在。ハジュンは“プロダクションデザイナー”として本作に参加しているのだが、小栗はハジュンから、「クランクインの前にものすごく分厚いコンセプトシートを見せてもらいました。そこに作品の世界観や自分の役についても彼のイメージが詳しく書かれており、そのおかげで作品への理解がとても深まりました。初めての体験でした」と、Netflix作品ならではの体験を回顧。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 役者陣のキャラクターへの深い理解と、日本と韓国のトップクリエーター陣のタッグによる相乗効果で完成した作品だが、会場で一早く作品を見た現地のファンからも「正直なところ日韓ドラマに対して少し不安な部分もあったのですが、そんなことを思っていたのが申し訳ないほど内容がとても面白かったです! そして小栗旬さんはやはりロマンティックコメディーがとてもお上手で、演技がすてきで魅力ある方だとあらためて思いました! 2時間が本当にあっという間に過ぎていきました!」「ハン・ヒョジュさんの演技が繊細で、お二人とも細かいディテールまで表現されていて胸が温かくなる話でした。当然続きを見ます! 友達にも勧めます!」「続きが本当に気になります! 配信がずっと先じゃないですか! 今の感情で早く見たいのに!!」と、現地ファンも悶絶の熱量高いコメントが届いた。

 ラストのフォトセッション時には、客席で2人を見守っていた共演者の米本学仁とみょんふぁ(上映された第2話に夫婦役で登場)が急きょ壇上に上がり一緒に撮影に参加する一幕も。直前まで鑑賞していた登場人物たちのサプライズ共演に会場内のテンションも上がり、和気あいあいとした雰囲気でイベントは締めくくられた。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 翌日には、屋外の会場で大勢のファンたちの前に小栗、ヒョジュ、月川監督がそろって登場するアウトドアグリーティングも開催され、さらに作品の魅力を深掘りした。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇
小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 小栗とは3本目のタッグとなる月川監督が、ハナ役にヒョジュを抜てきした際の運命的な出会いについても振り返り、「たまたま本作のプロデューサーとヒョジュさんがテレビ電話をしていた際に小栗さんと一緒に出くわして、電話を切った後に『電話の向こうにハナがいたよね』と話したことがきっかけだったんです」と満場一致の決定だったとキャスティング秘話も披露。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 最後に、月川監督から、配信スタートを心待ちにしているファンたちに向けて、「コミュニケーションを取るのが難しい登場人物たちが奇跡的に出会い、どんな人生を歩んでいくのかという、壮大なことは特には起こらないけれど、ぜいたくなチョコレートのように見ている方の人生にそっと寄り添うような、ささやかな時間を皆さまにお届けできたらと思い作りました。ぜひ楽しんでください」とメッセージが発信された。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

 2日間におよぶイベント中も、終始作中さながらの仲むつまじい様子を見せていた小栗とヒョジュ。小栗は韓国の現地ファンたちからのリクエストに応え、ほぼ初めてだという指♡ポーズをぎこちないながらも披露し、詰めかけた大勢のファンたちからの熱視線と黄色い歓声が鳴りやまない大盛り上がりのワールドプレミアとなった。

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇
小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇

【コンテンツ情報】
Netflixシリーズ「匿名の恋人たち
Netflix
10月16日から世界独占配信

小栗旬、13年ぶりのロマコメ「匿名の恋人たち」でハン・ヒョジュと釜山国際映画祭に登壇


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