地上波で再び届ける言葉の力──野田洋次郎が語る「舟を編む」撮影後の心境の変化2025/06/18 15:10

作家・三浦しをん氏による原作小説を基にしたNHKの連続ドラマ「舟を編む ~私、辞書つくります~」(火曜午後10:00)が、NHK総合の「ドラマ10」枠で6月17日にスタートした。
池田エライザが主演を務める本作は、ファッション誌編集部員から辞書編集部に異動となった新入り社員・岸辺みどり(池田)が、個性豊かな編集部員たちとともに、言葉に向き合いながら辞書「大渡海」を完成させるまでの歳月を描いた物語。原作では馬締光也(野田洋次郎)が主人公だったが、ドラマではみどりの視点で新たに描かれた。
昨年BSプレミアム・BS4Kで放送され、ギャラクシー賞第62回上期入賞、東京ドラマアウォード2024連続ドラマ部門優秀賞、第40回ATP賞奨励賞を受賞するなど高く評価された話題作が、視聴者からの熱い要望を受け、ついに地上波で放送される。
RADWIMPSのボーカルとして活躍し、作詞も担当している野田は、ぼさぼさ頭で服装にいっさい関心がなく、超がつくほどの生真面目人間で無類の本好きの辞書編集部主任・馬締光也を演じた。営業部から辞書編集部へ引抜かれて十数年、人生のすべてを辞書にささげ、周囲から変人扱いされている役どころだ。
野田は撮影を振り返って「このドラマに携わってから『言葉本来の意味』と、人々に使われる中で『変化して使われるようになった意味』の両方をなるべく知った上で言葉を使いたいと、より心がけるようになった気がします」と心境の変化を明かした。

本作の中で「うまくなくていいです。それでも言葉にしてください」という言葉が印象に残っているという野田は、“本作が地上波で再放送されることの意義”について「過度な表現、目を引く安直な表現がSNS含め、普段僕たちが生きる世界でどんどん幅をきかせているように感じます。強い言葉の陰に隠れ、本来僕たちの心が持つ小さな機微や陰影にどんどん気付かなくなっていってしまうとしたらそれは怖いことだなと感じます。『自分の言葉で話したい』『あなたのことを理解したい』そう思わせてくれるこの作品が今回放送されるのには、大きな意味があると信じています」と思いを吐露。
BS放送時からの短縮版ではあるが、再編集した今回の地上波版も見応えは十分。辞書という誰もが一度は手にしたことのある分厚い本。そこには、作り手たちの想像を超える情熱と時間が注がれている。「ヤバい」に無数の意味を持たせ、空気を読み、雰囲気で済ませることも多い現代だからこそ、辞書作りを通して“言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある”という希望を伝える作品になっている。
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