入野自由の決意が胸を打つライブツアー「TEN」千秋楽リポート!「これからもこの場所に、求められ続ける限りここに立つ」

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 2009年にアーティストデビューして10年。その記念すべき数字をタイトルに冠した入野自由のライブツアー「Kiramune Presents IRINO MIYU LIVE TOUR 2019 “TEN”」。全9公演のラストを飾ったのは、9月6日で開催された東京・新木場STUDIO COASTでのライブだ。

 客席の照明が落ちると、ミラーボールのきらめきが会場を満たし、これから始まる時間への期待を高めていく。やがてギターを手にした入野が現われ、歌い始めたのは、ミディアムテンポの「フレンズ」。青いライトに照らされたステージに見えるのは、入野のシルエットのみ。懐かしい夏の風景を思い起こすようなメロディーと歌詞で、一気に観客を引き込んでいく。

 続く「Crazy Love」では、公演日が金曜日だったことから、「ファイナルのフライデーナイト」と歌詞に小粋なアレンジをプラスし、会場を沸かせた。ギターをいったん置いた入野は、「ENTER THE NEW WORLD!」をテンション高く歌い上げる。ライブハウスゆえのステージと客席の近さ、間奏でのバンドメンバーのソロパート、入野のシャウトが熱狂を生んでいく。

「いよいよファイナルだ! 声出して行こうぜ! もっと! もっと!」と入野が煽り、アップテンポな「Peppy Hopper!!」、ひときわ激しく、コール&レスポンスが楽しい「HIGH FIVE」でボルテージは右肩上がり。アジサイ色のライトがステージを彩ったミディアムバラード「アジサイの花束」、入野のクリアな歌声が未知の世界へと誘う「見果てぬ世界、繋がる想い」など、バラエティ豊かな楽曲を一気に歌った。

 MCでは、ツアーグッズに凝らしたさまざまな仕掛けを解説。さらに、話題は入野の最新アルバム「Live Your Dream」に。アルバム収録曲は、いずれも16年に半年間休業し、海外留学した時の経験が基になっていると話した。入野が「東京ファイナルなので、オファーしてみたら、OKしてくれて…」と呼び込んだのは、「Crazy Love」などの作詞・作曲を手がけたSCOOBIE DOのマツキタイジロウ。 マツキはここまでのライブを「200点満点じゃないですか」「ギターソロもうまいですよね」と絶賛。入野がオランダでブルーノ・マーズのライブを見た体験から生まれ、マツキが作詞(入野との共同)、作曲を手がけた「Lazy morning」を2人で歌い上げた。

「もう1曲やっちゃおうかな」と歌ったのは、レコーディングでマツキがギターを担当した「Monet」。フランスでモネの家を訪れた帰り道、駅まで長距離を歩いた時にできたという曲だ。マツキのギターと入野の歌声だけで作り上げたこのステージは、クリエーターと入野の関係性をうかがわせる貴重なものとなった。

 大きな拍手に送られ、マツキがステージを去ると、「やるって言って、やらざるを得ない状況に自分を追い込んだら、意外とできるもの」と、入野は1人でピアノ弾き語りに挑戦。曲は、入野自身もカバーしている佐伯ユウスケの「朝焼け」。自ら「弾きたい!」と思ったという曲を、しっとりと歌い上げた。その後はバンドメンバーが戻り、休業中、入野が海外で語学学校に通っていた際の体験をもとに作詞したという「sayonara baby」などを披露。

 その後のMCでは、最近、バンドメンバーとの間ではやっているという「なぞなぞコーナー」へ突入するのも、自由な入野らしい。このライブツアーのために書き下ろしたという新曲は、「HIGH FIVE」の作詞・作曲を手がけたシミズコウヘイによるもの。変則的なビートを、ご機嫌に歌唱。コール&レスポンスが楽しい「I am I」で、会場は一体感を高めていく。「まだまだ踊ろうぜ!」と始まった「IF YOU WANNA」。「FrameとEdgeと、その向こう側」では、観客もコーラス参加。会場が一つとなり、拳を上げながら感動的に熱唱した。

 本編ラスト1曲を前にしてのMCでは、多彩な活動をしている入野が、「とくに歌に関しては、中途半端になっちゃってるんじゃないか」と迷った時期もあったことを吐露。その時にある先輩が「自由の歌、めっちゃいいな!」と言ってくれたことから、歌う決意を新たにできたエピソードが明かされた。その先輩とは、休業中に一緒にヨーロッパで演劇を見て回り、その際にもさまざまな言葉に感銘を受けたという。そう語ったうえで、冒頭をアカペラで歌い始めたのは、「誰からも愛されるあなたのように」。歌い続けるほどに、「これからもこの場所に、求められ続ける限りここに立つぞというすごく強い決意の歌になった」という楽曲。その万感の思いが観客を包み込んだ。

 アンコールでは、なんと会場に流れ始めた「本公演は終了しました…」のアナウンスをジャック! 「今日まであった嫌なこと、不安なこと、ここに全部捨てていけ!」と入野が叫ぶと、観客は力いっぱい歓声で応える。そして始まる、入野の楽曲でも指折りのお祭りソング「MASCLETA」。楽しさ、喜びを大爆発させる歌詞を、入野と観客で熱唱。「終わりたくない…いや、終わらせねーぞ!」と叫びを響かせ、「東京! 最高! また会おうぜ!」と締めくくった入野。熱狂とエネルギー、再会の約束をファンの胸に残し、10周年ツアーは有終の美を飾った。


取材・文/仲川僚子





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