家族を描いて28年。「渡鬼」新作に橋田壽賀子が「平成を書かせていただいたことに感謝」

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 TBS系で9月17日に放送される「橋田壽賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』3時間スペシャル2018」(午後8:00)の脚本家・橋田壽賀子氏と同局の石井ふく子プロデューサーが取材に応じ、橋田氏は「いつでも嫁姑(しゅうとめ)問題はありますが、ずっと在宅医療の問題を描きたかった。仕事をしなくなったら夫婦はどうなるのか。夫婦はどうあれば一番いいのかを考えてみたかった」と今作の趣旨と見どころを明かした。

 1990(平成2)年にスタートした同作は、小料理屋を営んでいた岡倉家の5人姉妹を中心に、それぞれの家族を描く国民的ホームドラマ。2011年まで21年にわたり全10シリーズが放送され、以降も毎年続編が制作されている。今回のスペシャルでは、次女の五月(泉ピン子)の夫・勇(角野卓造)が階段を踏み外して入院する事態となり、初めて2人きりで向き合う夫婦の姿や、息子の眞(えなりかずき)一家との同居問題、退院後の在宅医療などをめぐる家族間の考え方の相違を描く。

 93歳の橋田氏、91歳の石井氏は2人合わせて184歳。64年放送のドラマ「袋を渡せば」(TBS系)以来、半世紀以上にわたってタッグを組んできた名コンビだ。平成2年スタートの「渡鬼」は平成の30年間とほぼ重なっており、橋田氏は「同じ俳優さんが演じ、時代と共に成長してきたドラマ。私が書きたいと思う、その時代ごとの問題をドラマを通して訴えられたことは大変幸せなこと。平成を書かせていただいたことは本当に感謝しています」と振り返り、「昔と今では幸せの考え方が違っている。30年前はお姑さんが力を持っていましたけど、今は全然ありませんよね。こんなに高齢化するとも思っていませんでしたし、介護の問題も出てきました。親の面倒を見ようとするとお嫁さんは逃げちゃう。かわいそうな年寄りがいっぱいいるんです。その問題を考えたいと思いました」と今作でも世相を切り取ったことを語る。

 また、橋田氏は「これからも時代の変化を書いていきたいが、私は若者を書く気は全くないので、これでおしまいじゃないですか」とうそぶくと、石井氏は「それはないと思います。いつもこう言ってけんかしてるんです」とぴしゃり。橋田氏は「書けと言うから書くんです。90歳を過ぎて、お仕事するのはおかしいでしょう」とぼやきながらも、「書く前は本当に気が重いが、書いている時と書いた後は楽しいんです」とまだまだ創作意欲は衰えない様子。「在宅医療の問題は、もう一度しっかり描きたいと思う」と次回作の構想もさりげなくアピールしていた。

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