大河ドラマ「いだてん」のロケ現場が公開。中村勘九郎ら熊本弁に「楽しみながら苦戦しています」

博多ニュース

 2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は、4月4日から熊本県内での撮影が始まった。

 主人公・金栗四三を演じる中村勘九郎がクランクインしたのは4月7日。この日は、熊本県内にある古い木造校舎を舞台に、旧制玉名中学の中庭で兵式体操に励む金栗四三のシーンが収録され、その模様が取材陣に公開された。地元のエキストラを交じえての撮影では、勘九郎がほふく前進のフォームを入念に確認する姿や、エキストラの学生とコミュニケーションを取る様子がうかがえた。雨の影響もあり、運動場の地面はビチョビチョ。晴れ間を待って臨んだ本番は、真っ白な制服が泥まみれになるほど、熱く体操に打ち込むシーンとなった。

 ロケ終了後の会見には、勘九郎のほか、共演の綾瀬はるか、中村獅童、勝地涼が出席し、取材に応じた。

──実際に親族の方に会ってかけられた言葉や、生家での撮影で感じたことは?

勘九郎 「熊本県玉名市の生家に行かせていただいて、(金栗さんの娘の)3姉妹にお会いしました。僕は天然パーマで、その時オールバックにしていたんですけれども、金栗さんもちょっと癖毛なんですね。私が家の前の坂を登っていた時、娘さんが『あー、お父さんの帰ってきたごた(帰ってきたみたい)』って言ってくれたんですよ。そんな言葉を聞いて僕は泣き崩れそうになりました。ほかにも娘さんたちに、お父さんの思い出もいろいろ聞きたかったんですけれども…記憶にないみたいです(笑)。本当にマラソンのこと、走ることばかりを考えていて、家に帰ってこなかったようです。(金栗さんの妻の)スヤさんのお話では、後輩とか弟子たちが家に集まることがあると、スヤさんが料理やお酌で楽しませたりしたそうです。『その時お父さんは何をしていらっしゃったんですか?』と聞くと、『うーん座ってました…ニコニコして』って(笑)。そういう人らしいので、僕もニコニコして1年半できればと思います」

──勘九郎さんは、走るための準備などされましたか?

勘九郎 「マラソンランナーの役をやるので、走るトレーニングや食事制限をやりました。心肺機能を高めるために、エアロバイクは毎日こいでいます。金栗さんは、熊本の山奥で育ち、『いだてん通学』をしていて、畑仕事もしたりしていたので、残っている写真を見ると、すごくガタイがいいんです。なので、金栗さんの体に近づけるためにもウエートトレーニングをしています」

──大河ドラマで近代をやるのは33年ぶりとのことですが、時代背景や作品のテーマはどのように受け取られましたか?

勘九郎 「2020年の東京オリンピックに向けてじゃないですけれども、この前の平昌オリンピックもメダルラッシュだったじゃないですか。それで今回やらせていただく時代っていうのは、スポーツという言葉がまだ広く知れ渡っていなかった、なかったと言っても過言じゃないような時代で…すごく責任があるというか、こういう時代があって今のアスリートたちにつながっているんだっていうことをしっかり描けたらいいなと思います」

綾瀬 「オリンピックが昔どのようにして開催されていたのか、初めて日本人でオリンピックに出場した金栗さんが当時どんな状況でそこに立ち向かっていったかなどを、面白くユーモアに明るく知ることができますし、そういうことを知った上で、2020年のオリンピックを見るとまた全然違う目線や深さで見られるのかなと思います」

獅童 「今はメダルを何個取ったとか、そこがどうしても一番大きなニュースになってしまいます。けれども台本を読んでいて、当時どういう思いでオリンピックに参加したかとか、世界とつながったり平和につながったりだとか、オリンピックが本来持っている意味合いみたいなものについて、改めて勉強になりました」

勝地 「(演じるのは)実在する方ですし、その後、ご親族の方たちがご存命な時代なので、ちゃんとその人たちを演じなければならないっていうのは責任重大です。ほかの大河ももちろん実際にいらっしゃるんですけれども、時代が近いということは、ちゃんと今につながるような芝居をしなければならないと思います。ベルリンオリンピックが戦争で中止になったこともありましたが、(そこも乗り越え)2020年にはまた東京でオリンピックがやれるっていう。平和とかそういったメッセージも、このドラマで考えられるのかなと、台本を読んでいて感じました」

──熊本弁の印象やお気に入りのワードはありますか?

勘九郎 「熊本弁…難しいですね(笑)。今まではもちろんしゃべったことのない方言なので、楽しみながら苦戦してます。好きなワードは『ばっ』(うわ!というような意味)です。今は普段でも出ちゃってますね、驚いた時に『ばっ』って(笑)。台本にもいろいろ出てくるので、そこも楽しみにしてください」

綾瀬 「方言指導のテープを聞いていると、なんとも親しみやすく愛らしいというか、すごく好きですね。さっきあの勘九郎さんもおっしゃった『ばっ 』は、たくさん出てきてすごく楽しいです」

獅童 「難しいですよね、やっぱり方言は。いわゆる台本じゃない捨てぜりふ、とっさに出る言葉が標準語になっちゃうので、これから慣れていくしかないのかなと思います。でも、ドラマとかって方言ばかり強くすると、東京の人たちは何言ってるか分かんないってなっちゃいますし、難しいですよね」

勝地 「とっさに何か言いたいのに、これ標準語っぽくなっちゃうから…と遠慮するところがあって、早くそれが染み付いてきたらうれしいなと思います。ただ、(勝地演じる)美川秀信くんは、東京に行くタイミングで標準語に切り替えるので。電車の中で変わっていくっていう(笑)。そこも面白いんですけれども、東京に行ってもちょっと動揺したりする時に、そういう(熊本弁の)ニュアンスが出てくる部分を足していけたらなって。無理やり東京弁しゃべってるけど、じんわり熊本弁が香るようにできたらっていうのが理想です」

【制作統括・ 訓覇(くるべ)圭コメント】
「およそ1年半の撮影、いよいよスタートを切ることができました。金栗さんの古里ということで、熊本で撮影をしたいという念願がかないまして、今回のロケになっております。初日は金栗四三の幼少期の撮影から入りまして、勘九郎さんには10代から演じていただくんですが、そこまでの少年時代を演じる子を熊本で探しました。子役とか経験のある子ではなく、熊本に逸材がいないだろうかということで募集して、1500人くらいの応募がありました。その中で見事選ばれた2人にやっていただいております。熊本の素晴らしさが出ていますし、いろいろ熊本の方々に全面協力していただいていています。熊本らしさという点では、方言は大切にやっていこうかなと思っています。また、撮影だけではなくて、言葉だったり人柄だったりっていうところでも熊本を感じられることができるのではないかと思っております」

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