「坂道のアポロン」三木孝浩監督がロケ地・佐世保の試写会に登場。1カ月半の撮影で感じた“佐世保愛”を語る。1万字リポート!

博多ニュース

 2月28日、映画「坂道のアポロン」(3月10日公開)の舞台・長崎県佐世保市にある、シネマボックス太陽で三木孝浩監督が囲み取材に応じた。監督はこの日、劇中で中川大志演じる川渕千太郎のトレードマークでもある「赤白ボーダー」の洋服を着て登場した。

「映画『坂道のアポロン』を監督させていただきました三木と申します。本当にご縁があって、実は僕の作品の中では長崎県で撮影するのは3本目になります。最初は『アオハライド』という作品では長崎市内でロケさせていただいて『くちびるに歌を』という作品は五島列島で撮影して、で今度は『坂道のアポロン』を佐世保市で撮らせていただけるという。長崎県の中でも各地を巡らせていただいて、長崎県の中でもそれぞれに違った表情があって、本当に面白いところだなぁという風に思っております。今回『坂道のアポロン』を撮影させていただくにあたって、原作の作者である小玉ユキ先生が佐世保のご出身で、原作の中にも佐世保北高校(以下、北高)の風景だったり坂道だったり、美しく描かれていて。

 (小玉先生に)内容に関してはすごくお任せいただいたんですけれど、あの坂道はぜひ北高の坂道を使ってほしいとおっしゃっていただいて。じゃあ、その作者の小玉先生の思いをぜひ映画の中にも取り入れたいなという風に思いながら撮影しました。実際にキャストが着ている制服は今まさに北高の生徒が着ている制服をそのまま使わせていただいていて。あれもすごくちょっとレトロで可愛くて。生徒の皆さんには文化祭のシーンにエキストラとして参加していただいたりだとか。あと海のシーンでは、5月でまだちょっと肌寒くて、水温は冷たかったんですけれども、そこで海水浴のシーンをエキストラの佐世保市民の方々に大人数ご協力いただいて、素敵なシーンを撮ることができました。

 何より佐世保って、もちろん街並みもすてきなんですけれども、こうやってロケの舞台を受け入れてくれる。市民の皆さんも佐世保市の職員の方々にもすごくご協力いただいて、これほど地元の方々と密接にやり取りしながら映画を作ったのは今までで一番じゃないかなっていうくらいの作品になりました。なので、結構キャストも長期ロケでずっと佐世保市内のホテルで宿泊して合宿みたいな感じで撮影していたんですけれども、第二の故郷じゃないですけど、もう本当にここに住みたいくらいのことを言っていたりとかしていて(笑)。それだけ町に愛着ができたなというふうに思っております」

──長崎ロケは3作目とおっしゃっていました。国内で長崎3回は多いなと思ったのですがそれは偶然なのでしょうか?

「多いですよね(笑) そうですね、これまで11本映画監督をさせていただいたんですけれども、そのうち3本は長崎ということで。これまた僕からここで撮らせてくれっていうパターンじゃなくて、映画のプロデューサーさんの方からこういう原作があって、映画化したいんですっていう作品がたまたま原作の舞台が長崎っていうのが続いたんですよね。でもそれってすごくご縁があるなって思いますし、むしろ僕が長崎県に呼ばれているんじゃないかなって感じがしてですね、でも呼ばれなくても僕は長崎県が好きなので、それはすごくうれしいですね」

──今日は、市民の方に見ていただくということになると思いますけれども、どういうふうに見てほしいですか?

「何より僕はこの作品を撮って、ロケをした佐世保の皆さんに見ていただけるのをすごく楽しみにしていたんですね。それは小玉先生をはじめ、市の職員の方も佐世保に対する愛情がすごく深くて。そして、エキストラの方にもすごくたくさんご協力いただきましたし、何より地元の皆さんがこの映画を見て愛してもらえたらうれしいなって思いながら作っていたので。僕が映画を作る時に不思議だなって思うのは、ロケ地の皆さんにとって撮影した場所は普段見慣れた風景じゃないですか。日常にある、普段目にしている光景が物語の世界で映った瞬間に、自分の日常と映画の中の物語の日常が、地続きになるような感覚っていうのは特別な感覚だと思うんですよね。だから、物語を見て自分の町にもこんな魅力があって、もしかしたらこんな物語が生まれるかもしれないって(感じてほしい)。特に今回は1966(昭和41)年という時代設定で、いろんな写真を拝見させていただいたりとかして、その懐かしい風景を頑張って作りだしたので、ぜひその当時の風景を知る方々に、自分の青春を懐かしみながらご覧いただけたらうれしいなっていうふうに思います」

──佐世保市民との密接な関係エピソードは?

「最初にロケハンに来た時から、市の方々の圧がすごくて(笑) 『坂道のアポロン』を佐世保でやるんだったら何でもします! くらいの勢いで来られて。さまざまなロケ場所で観光課の方とかフィルムコミッションの方との付き合いはあるんですが、ここまで熱い方は今までいなかったな、っていうくらいの熱量があって。でも、本当に現場中も一緒になってここまで一スタッフというか、撮影部の一体感があるというか…それくらいご協力いただきましたし、クランクアップしたのはラストシーンの黒島(黒島天主堂)を撮った時が撮影のラストでもあったんですね。その時に、本当にキャストスタッフも市の職員の方々みんなが一緒になって感極まって泣いたっていう一体感を、最後クランクアップの時に得られたのは、僕の作品作りの中でも初めての経験だったので、それくらい思い出深いというか、一緒に佐世保の皆さんと作り上げたなっていうふうに思いますね」

──佐世保でのロケで一番思い入れのあるシーンや撮影地は?

「やっぱり文化祭の演奏シーンですかね。知念侑李くん演じる薫と中川大志くん演じる千太郎が気持ちをそこで通じ合わせるっていうクライマックスシーンなんですけど、やっぱり観客の皆さんも一緒になって熱気を作ってもらえたらなって思っていたんですけれども、本当にもうエキストラの生徒さんをはじめ佐世保の皆さんの表情がめちゃくちゃいいんですよ。ジャズのセッションを聞いているときの一緒になって楽しんでいる空気感の映像が撮れたなって。こんな風に高校生たちがジャズに乗ってくれているっていうのがうれしくて、実際撮影の時には割とキャストに集中していて気づかなかったんですけれども、それが編集している作業の時に、大画面のスクリーンで見るとひとりひとりの表情が見えて、それが本当にみんないい表情だったので、すごく印象に残っていますね」

──ジャズがたくさん出てきますが、ジャズが根付いた町での撮影はいかがでしたか?

「最初にロケハンしたときに、やっぱり町にすごくジャズが根付いているというか、一つの文化として、いろんなところにジャズバーがあったりとかするのも珍しいですし、だからこそこの物語が描けるんだなっていう感じはしましたね。僕はもともと音楽業界にいた人間ではあるんですけれども、ジャズっていうジャンルはあまり触れてこなかったので、今回そうやってこの作品に携わってジャズを知っていく中で、最初はジャズのイメージってちょっと敷居が高いのかなとか、ちょっと大人っぽくてお酒とタバコとジャズみたいな感じで入りづらいのかなって思ったら全然そんなことなくて。むしろこのジャズの自由度の高さというか間口の広さ、もちろん映画を見ていただいても分かると思うんですけれど、なんかもっと自由で楽しいジャンルで、その場の演奏する人の感情だったりとか雰囲気だったりとかテンションで自由にやっていい音楽なんだなっていうのを知って。これは特に音楽の初期衝動というか、楽しさが伝わるジャンルなんだなって思った時に、もっともっとこれが若い子たちにも楽しんでもらえたらうれしいなって思いました」

──原作の舞台や実際の制服を使うにあたってのこだわりは?

「実際、同じ制服を使わせてはいただいたんですけれども、ちょっと着こなしを変えたりとかして(昭和41年)当時の雰囲気を作ったりしていて。それから、学校の前の坂の上から見た風景とかは、やっぱりどうしても当時の1960年代にはないものが映っていたりだとかするので、それをいかにその時代に見せるかっていうのが結構課題でもあって。あとでCG処理した部分もありはするんですけれども、走っている車も九州各地から探したオート三輪のトラックを走らせたりとかして、なるべくその当時の雰囲気を作るようにはしましたね」

──1カ月半の撮影を通しての佐世保の思い出スポットは?

「90歳のおばあちゃんがやっていた居酒屋があって、本当にスタッフお気に入りで毎晩のように行っていて(笑)。 でも、おばあちゃんの体調もあったんでしょうけれども、ちょうど撮影の期間が終わるころに店を閉めるっていうのがたまたま決まっていたみたいで、撮影とともにそのお店が閉まっちゃって。それがすごく残念だったんですけれども、でも本当に人柄のいいおばあちゃんがいて、そこはすごくお気に入りでしたね」

──小田和正さんの主題歌についてはいかがでしょうか?

「『坂道のアポロン』っていう物語の舞台は佐世保を舞台に描かれていますけれども、でも最後に小田さんの曲を聴くことで、佐世保で青春を過ごした方だけじゃなく、今の若い子たちもそうですし、全国で昭和の時代に青春を過ごした方々にも青春を思い出させるような。どんな町にも坂道があって、それを上り下りして青春を過ごしたっていう記憶はたぶんみんなにあって。小田さんはたぶん、映画を見た誰もの青春の記憶を喚起する歌詞にしてくださったんじゃないかなっていうふうに思います。これをきっかけに、それぞれがご自身の青春と重ねていただけたら最高なんじゃないかなって思いますね。小玉先生自身も小田さんのファンでいらっしゃって、作品を書くときにも小田さんの曲を聴きながら書いていたっていうのもあって、そういうご縁もあって。ダメ元でオファーしたんですけれども快諾していただけて。本当にすてきな主題歌になったなと思いますね」

──素晴らしいキャスティングでしたが、心がけたことは?

「最初に企画を頂いた時に、実写化する上でも、ある程度はビジュアルも(原作を)再現したいなと思っていたんですけれども…特に千太郎っていうキャラクターが、ハーフみたいな長身のイケメンでワイルドさもあってドラムもたたける。『そんな人どこにいるのよ』って思いながら探していたんです。若い俳優さんたちをいろいろ見ていく中で、背のアンバランスさとかも見た時とかに、知念くんと中川くんは一つマッチングとして面白いなって思っていて。実際、知念くんは本当にちょっとだけピアノを触ったことがあるっていう程度で、中川くんもドラムもちょっと小学校の時にちょっと触りましたっていうくらいの2人だったんですね。撮影までにどれくらいうまくなるかっていうのは分からなかったんですけれども、キャスティング決まってから一生懸命練習してもらっていたら本当に2人とも頑張ってくれて。演奏シーンを見ていただければ分かると思うんですけれども、本当に一朝一夕で練習したとは思えない素晴らしいプレーを見せてくれているので。まずは、この2人をキャスティングできたっていうのはこの映画にとっての本当にミラクルだなって思いますね」

──1960年代の佐世保はどんな時代でどんな町だった思いますか?

「エネルギーにあふれた町ですね。音楽的文化もそうですし、まだ学生運動とかも盛んだった頃だろうし。映画で心掛けたのは、少し南国感というか日差しの強さとか。若さの中であふれるエネルギーが映画から出ていればいいなって思いましたし、それは町からもすごく感じるなと思ったところもあったので、そこは特に描きたいなと思っていましたね」

──東京にはなくて佐世保にはあるものはありましたか?

「言葉の持つ強さっていうのはすごくあるなと思いますね。やっぱり佐世保弁のどこかこう豪放磊落(らいらく)な感じとか大らかな感じとか。なんとなく言葉の中から感じますし、それから聞いた話で素敵だなと思ったのは、佐世保っていろいろな町の人が集まってできたコミュニティーの空気感があるっていう。皆で一緒に楽しもうという感じじゃないですけど、排他的じゃない感じというか、どんどん外から人を受け入れる懐の広さというか魅力があるような気がします」

──最後に一言お願いします。

「僕は特にこの作品は、佐世保というか長崎県の皆さんに見ていただきたいなと強く思って作った作品です。公開時期だけじゃなくて、これからずっとこの映画を地元の方に愛していただけるような作品になればいいなと思いながら作った作品ですし、この映画で描かれている当時の風景を見ながら青春を過ごしていた方々にも一緒になって、世代を問わず作品を見ながら一緒に、ここで育ったっていうことを誇らしく思っていただけたらなと。ぜひ皆さん劇場で、ご家族一緒に楽しんでいただけたらなと思っております」

写真左から佐世保市コンベンション協会・飯田満治理事長、朝長則男佐世保市長、三木孝浩監督

 囲み取材の後は、応募総数1450通の中から選ばれた200人の佐世保市民が三木監督による舞台あいさつと試写会に参加した。舞台あいさつには、三木監督のほか佐世保市・朝長則男佐世保市長、佐世保市コンベンション協会・飯田満治理事長も登壇。鼎談(ていだん)形式で行われた。

三木 「この度、坂道のアポロンを監督させていただきました三木孝浩です。本当に今日すごく楽しみにしてきました。短い時間ではありますが、楽しい時間にできたらなと思います。よろしくお願いします」

司会 「映画の見どころ、皆さんに一番伝えたいところはどんなところでしょうか」

三木 「なんでしょうね、僕は物語よりもまず、僕は本当にこの撮影を通じて佐世保の方々に本当にご協力いただいて。各地で撮っていますけど、これだけ市民の皆さんと一緒になって作ったっていう作品は初めてなんじゃないかなっていうくらいご協力いただいていて。僕としては完成したものを早く見てほしいという思いがあったので、今日この日を迎えられて大変うれしく思います。設定としては、1966(昭和41)年の佐世保を舞台に描かれていて、今はもう見られない風景とかもたくさんあるんですけれども、当時の写真とかを見ながら美術さんとも一緒になって作り上げた作品です。今日もご年配の方もいらっしゃっていますけど、昭和の空気感を知っている方が見て、懐かしいなと感じつつ、見慣れた風景がこんな物語の世界になるんだっていうふうに楽しんでいただけたらなと思っております」

司会 「数々の映画を手掛けてこられましたが、市民の密着度というとこれまでで三つの指に入るくらいでしょうか?」

三木 「もう本当に素晴らしかったですね。映画に出てくる文化祭のシーンとか演奏シーンを何百人も佐世保の学生さんが自分の制服を着て参加してくれたりとかして。それだけ一緒になってクライマックスの雰囲気を作り上げたっていうシーンなので、それも楽しみにしていただけたらなと思いますね」

三木 「市長はまさに当時(昭和41年頃)、佐世保で青春を過ごしていたというふうにお伺いしたんですけれども、どうでしたか? 映画の中の空気は」

朝長 「昭和41年にちょうど高校3年生で、まさしくその当時でした。本当に素晴らしい、本当に我々が高校生の時はこんな感じだったなって。それからアーケード(佐世保三カ町商店街)は佐世保でロケができませんでしたけれども、当時の雰囲気を醸し出されていましたし、九十九島の風景ですとか、黒島天主堂とか眼鏡岩とか、散りばめておられて素晴らしい作品だなと感じました」

三木 「ロケの時期も去年の5、6月辺りで新緑のすごくきれいな時期で、九十九島のグリーンもすてきに映っているのでぜひそのあたりも見ていただきたいですね」

司会 「市長の感想からいきますと、素晴らしい映画プラス年代的に懐かしい気持ちを味わえるということですね」

朝長 「そうですね、そしてやっぱり甘酸っぱい青春の初恋に似たものをまた感じましたね(笑)」

司会 「理事、ロケ地巡りもさっそく始まっていると聞きましたが、その辺りの影響はいかがですか」

飯田 「本当に監督ありがとうございました。九十九島や黒島など、佐世保のいいところをたくさん撮っていただきました。そしてもうすでに、協会には問い合わせも入っておりまして、大体映画の年代的には私たち世代どんぴしゃりのものにはなるんですけれども、出ている若い俳優さんの関係もありまして、若い世代の人たちからもどんどん問い合わせが入っております。一番遠くは、秋田の方からもお電話いただきました。すでに観光コンベンション協会ではロケ地マップを作っております」

三木 「いやもう本当に(ロケ地マップは)すごいクオリティーで。佐世保で撮影するとなって、ロケハンに来た時も、観光課の皆さんが熱くて(笑)、もうすごいんですよ、佐世保に対する愛情があふれすぎちゃっていて。展海峰からみえる九十九島とか、僕は奇麗だなって思ったんですけれども、“いや、もっと奇麗です! もっと晴れていればもっと奇麗です!”ってアピールされていたりだとか、学校にロケハンに行ったときにも、『クールソフト』っていう佐世保の飲み物をお薦めされて、また違う時にも別の方が同じものを薦めてくださって(笑)。こんなにも地元のソウルフードじゃないですけれどもソウルドリンクを推してくるっていうのもなんかもうすごく面白いなって思いながら。でも、本当に佐世保のいい風景、ロケ地をお教えいただいたのがさまざまなシーンで使われていますで、ぜひそこも見ていただけたらなと思いますね」

朝長 「一番印象に残っているロケ地はどこがよかったですか、それとですね、もう一つ聞きたいのが、素晴らしいキャストだなという風に感じたんですけれども、監督が選ばれたのかなと思いまして、その辺りの裏話もぜひお聞きししたいです」

三木 「最初の質問から言うともちろん観光名所とされている眼鏡岩だったり黒島だったり、九十九島だったりもすごく素敵だったんですけれども、最初のほうのシーンで出てくる峰坂の長い坂道は、ロケハンでちょっと見たときに“ぜひここで撮りたい!”って思ったくらい、僕の中ではこうドラマティックな場所だなと思いました。でも、実はあの坂の上から見える風景って、今はマンションとか建っていて当時の風景ではないんですけれども、あれをCG合成でちょっと海が見えるようにだとか。実際行くとちょっと違うなっていうのもあるかもしれませんが、当時の雰囲気を出せるような感じで作っていますのでそこも見ていただきたいなと思います。あと、キャスティングについては、漫画原作なのでビジュアルがある作品ですし、特に千太郎っていうキャラクターが難しいなって思っていたんですけれども、薫と千太郎の凸凹感とか、個性の違う2人が音楽を通じてぶつかり合いながら友情を深めていくっていう話なので、やっぱりそこの2人のビジュアルだったり、個性の感じが大事だなっていうふうに思っていたんです。いろいろ若いキャスティングを考えていく中で、すごくピタッとハマったのがこの2人だったんですね。そして、その時は全然意識していなかったんですけれども、よくよく聞いたら2人はもともと(ドラマでの)共演経験があって仲が良くてっていう。なんか、そういうちょっと運命的なところも感じるなと思いましたし、大人チームでいうと中村梅雀さんとディーン・フジオカさんとか本当にお二人とも音楽が大好きで。特にディーンさんはもともとプライベートでジャズバーとか行って“実は『バット・ノット・フォー・ミー』っていう歌をジャズバーで歌っていたんだ”っていうお話されていて。だから今回、最初にお渡しした台本には歌うシーンはなかったんですけど、漫画で歌うシーンとかもあって、ぜひ歌わせてくれないかという逆オファーを頂いたりとか。ディーンさんがすてきな歌声を披露しているシーンがあるのでそこも見てほしいなって思います。それから、音楽って聴く方も楽しいんですけれども、やっている方のワクワクする感じ(もある)。特にジャズってもう佐世保の文化になっていますけど、僕は最初、大人なもので敷居が高くてツウしか楽しめないんじゃないかなって思っていたんです。けれども、全然そんなことないんですね。やっぱり本当にこう自由に楽しめるっていう、プレーヤーがその時の気分とかその時の感情を音楽に乗せて演奏するっていうのが楽しいジャンルなんだなって思わせてくれましたし、それを、映画を通じて、ジャズにあまりまだ親しみのない皆さんにも楽しんでいただけるんじゃないかなっていうふうには思いましたね」

司会 「あの時代にそれぞれの役が生きてらっしゃるというのが伝わってくる映画なんですね」

三木 「それから、佐世保弁には厳しい皆さんだと思いますが、佐世保弁もチェックしていただけたらなと。主役の知念くんは、横須賀から転校してきた設定なので標準語なんですけれど、中川くんと小松さんが、今はないかもしれないんですけれども当時の佐世保弁の濃い部分っていうのをいっぱいしゃべってくれていますので。特に小松菜奈ちゃんがしゃべる佐世保弁は本当にかわいいので、そこもぜひチェックしていただきたいですね」

飯田 「長い期間佐世保にいたとは思いますけれども、佐世保の人はどういうふうに感じましたか」

三木 「佐世保って福岡とか大分とかもいろんな町から集まってできたコミュニティーで、外の人間に対しての受け入れる懐の深さというか、一緒に楽しむという空気感があるなと感じました。だから、東京からスタッフを連れてロケに来ましたけれどもすごく温かく迎え入れてくださいましたし、本当に撮影にもたくさんご協力いただいて。それこそ2カ月近く本当に住むというか合宿みたいな感じでしたけれども、役者の子たちもここにずっといたいと言っているくらいの場所になりましたね」

司会 「食べ物とかも肌に合うと住みたいという気持ちになるかもしれないと思うんですけれども、佐世保グルメはいかがでしたか」

三木 「おいしいものがたくさんあって、名物である佐世保バーガーはもちろんなんですけれども、何気に僕らはおいしい焼き肉屋さんがいっぱいあって、キャストのみんなと焼き肉屋巡りとかもしていました。中川くんと知念くんなんかは5日連続で焼き肉屋さん行ったりとかしていて、どこが一番おいしいみたいなことを話したりしましたね(笑)」

 舞台あいさつ後は、佐世保市から監督へ記念品として花束と三河内焼のマグカップ、九十九島のロゴが入ったTシャツ、映画のロゴが入った「九十九島せんぺい」が贈呈された。

三木 「僕からも皆さんにプレゼントというか、キャストからメッセージを預かって来ているので紹介してもいいですか。どうしてもスケジュールの都合で連れてこられなかったんですけれども、皆本当に来たがっていて、ぜひメッセージを伝えたいなと思ってもらってきました」

知念 「1カ月半の撮影で佐世保が自分たちのホームになりました。そんな素敵な町で撮影できて幸せです。この映画を佐世保の皆さんに楽しんでもらえたらうれしいです」

中川 「佐世保は本当に居心地がよくて、みんなでご飯に行ったり地元の友達ができたり、撮影が終わった後もプライベートで遊びに行ったりするくらい大好きな場所になりました。撮影が休みの日に監督と(小松)菜奈ちゃんと一緒に釣りに行ったのもとても楽しかったです。この映画を佐世保の皆さんに見てもらえてうれしいです」

小松 「撮影は1カ月半、いろんな思いと思い出がたくさんあり、佐世保の皆さんのご協力のおかげで一つの大切な作品ができ、公開までたどり着きます。本当にありがとうございます。自分たちにとっても、ここで生まれ育ったんじゃないかっていうくらい愛おしい佐世保。大好きです。一人一人の心に届きますように、そう願っています。佐世保が心から恋しいです」

三木 「こうやって本当に佐世保の皆さんと一緒に作った映画を、まず皆さんに見てほしいという思いがスタッフ、キャストともにありましたので、ゆっくり楽しんでいただけたらと思いますし、ここへ来られなかった方にも3月10日から公開されますのでぜひ見ていただきたいなと思いますね」

 そして、最後は当日参加した市民との記念撮影し、監督からもう一言。

三木 「ありがとうございました。もし楽しんでいただけましたら、ぜひご家族の皆さんにも紹介していただけたらうれしいです。今日は本当にありがとうございました」

【公開情報】
「坂道のアポロン」
3月10日(土)全国ロードショー

出演:知念侑李、中川大志、小松菜奈、真野恵里菜、山下容莉枝、松村北斗(SixTONES/ジャニーズJr.)、野間口徹、中村梅雀、ディーン・フジオカ
監督:三木孝浩
脚本:高橋泉
原作:小玉ユキ『坂道のアポロン』(小学館『月刊flowers』FCα刊)
製作幹事:アスミック・エース、東宝
配給:東宝=アスミック・エース
制作プロダクション:アスミック・エース、C&Iエンタテインメント
<公式サイト>http://www.apollon-movie.com/
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