柳亭市馬、三遊亭小遊三らが東京落語会で700回記念公演。「重みを感じたらできない」と独特の緊張感を明かす

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 NHK Eテレ「日本の話芸」(日曜午後2:00)で放送されている「東京落語会」の公演が700回を迎え、落語協会会長の柳亭市馬、落語芸術協会副会長の三遊亭小遊三らが記念公演を行った。市馬は「素人の時から見てきた会で、口上を述べて、トリを務めるなんて。普通の高座と同じようにやらせていただきましたが、ありがたいことです」と喜びを明かすと、小遊三も「本当は(桂)歌丸師匠とか、(柳家)小三治師匠を引きずり出せばいい。そうすれば私らがこんな目に遭わなくていいのに」と冗談交じりに伝統の重みをかみ締めていた。

 1959(昭和34)年に発足した東京落語会は、東日本大震災などでの2回の休演以外は毎月定例で行ってきた伝統ある落語会。「日本の話芸」は1991年にスタートし、東京落語会などの落語や講談を放送している。700回記念公演では、市馬が「八五郎出世」、小遊三が「らくだ」を披露したほか、柳家花緑が「時そば」、春風亭昇太が「権助魚」、柳家権太楼が「質屋庫」を演じ、5人がそろって口上を述べた。その模様は、11月12日放送回から順次放送される。

 前座時代から同会に出演してきた小遊三は、「最近のお客さんは柔らかくなったけど、僕が前座の頃は、“こいつのは聞けねえよ”とロビーに出てしまうお客さんが一人や二人じゃなかった。恐ろしい会だと思いましたよ」と耳の肥えた観客に鍛えられたことを振り返り、「700回はすごいことです。王貞治さんが巨人に入った昭和34年から続いていますからね。その王さんもとっくに引退しているので、一昔どころじゃない。でも重みを感じたらできないので、考えないようにしました」と感無量の様子。

 また、市馬も「放送されるので、本当は見たくないんですけど、一応見てしまうんです。先輩の落語を映像で改めて見るのも勉強になりますからね」と同会が特別な存在であることを告白。それに対し、小遊三は「こんなに下手だったんだと酒の肴(さかな)にされては困るからでしょ」と笑いを誘いつつ、「その時に一番いいものをやらなければいけない。そういう緊張感があるんですよ」と同会の独特の緊張感が、噺家(はなしか)を育ててきたことを訴えていた。

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